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「極上の孤独」を読んで

 下重暁子著「極上の孤独」(発行所:㈱幻冬舎)を読んだ。

 タイトルに惹かれて買ってしまった。けど、しばらく、机の積読山に埋もれてた。 
読んでみれば、孤独を好む著者の思いが溢れた本。
  孤独が好きで、寂しくない。
  孤独が愛おしい。ひとりでいることが楽しい。
やっぱり、そうだよな。と腑に落ちた。 

ひとり

スマホを手放し、TVも見ずに、PCにも触れず、ひとりっきりになる。
・・・不安かも知れないけど、清々しい

 孤独=寂しい人と思われがち。
可哀そうと同情されるのは、大きなお世話。
 群れるのが嫌いなだけ。
ひとりでいるのが好きな人だっている。

 もちろん、いつも仲間と一緒、という人もいる。
スマホで通話しっぱなしで、あれこれと用事を済ませる人達も。

 それだっていい。 人の好みは十人十色。
みんな好きにすればいい。 

 本書は、ひとりで生きていくの楽しさを、肩肘張らずに語っている。
ひとりが好きだからと言って、四六時中ひとりというわけでもない。
 時には、人と語り合う、干渉し合うことだって楽しい時もある、そんなようなことも書いてある。 だけど、その根っこのところに、 

 ひとりで、自由に生きていく・・・ひとりの時間を大切に

そんな思いが溢れている。

ひとりの時は、好きにさせて

 働いていた頃、殆どの時間を社員や取引先の方々等と過ごしてた。
話し合って、調べて、考えて。また、話し合って、考えて・・・
まぁ、零細企業の筆頭株主兼代表取締役兼実務責任者なんて、そんなもの。
 いつもいつも、みんなのお手伝いで日が暮れて、眠くなる前の僅かな時間が自分の時間。そこから寝る間を惜しんで夢中になる。
 いつも何かに、誰かに追い掛けられ、生きていた。
夢中だったあの頃は、それでも楽しかった。

  だからなのかな。

 誰も知らない、九州の地に来て四年。
隣近所の方々と挨拶を交わすけど、付き合いを深めることはない。
  もちろん、困っている人のお手伝いはしてるけど・・・

傍目から見れば、孤立してる、ようにみえる状態。
 でも、気にならない。
 孤独とも、思わないでもない。

自由気ままで、自分の人生の、主役を取り戻したような気分。
・・・極上の自分だけの時間は、やっぱり、孤独というのか・・・

 好きにしていい、って背中を押してくれる一冊だった

                          (敬称略)

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