ペンネームと創作への道


創作を始めて、今年の冬で13年になります。

あの頃は、このペンネームをこんなに長く名乗るとは思っていませんでした。まだ10代の子供で、友人をきっかけにブームに乗るようなかたちでケータイ小説の世界に飛び込んだ私は、成人するまでには書くのを辞めているだろうとぼんやりと思っていたぐらいです。

現実は、成人しても書いています。特に作品で結果を出せているわけでもなく、ただつらつらと好き勝手に書いているだけではあるけれど、随分長続きしている趣味になったものです。

まあ、書きたいというよりは書かないと、なんて思いに縛られてしまうこともあり、惰性で続けている感じがしなくもないけれど。とはいえ、年々作品を完成させるスピードが落ち続けても、何かしらを書き続けるようなちっぽけな気力は残っています。

もともと読書が好きだったし、妄想するのが好きで脳内で漫画やアニメなどの二次創作をするような子供だったので、物語や話作りへの関心は大きいと思います。だから創作への情熱はよほどのことがない限り、かたちを変えながらも抱き続けていくのだろうとは思っています。読んでくれる方々がいるのも、かなり励みになっています。いつもありがとうございます。

時々、ツイッターなんかで辞め時を考えているような発言をしたりもするけど、ああいうときは基本的にメンタルがやられているのであまり当てにならない……かな。呟いているのを見かけたら、この人疲れてるんだなとそっと見守っていてくれると嬉しいです。


さて。だいぶ話が長くなってきてしまいましたが、もう少しお付き合いください。ここからはペンネームの由来についてのお話を。

13年前の私はきちんと小説を書くのもペンネームを考えるのも初めてでした。(自由帳に少しだけなら二次創作やオリジナルを書いたことはありました)
ゲームのプレイヤー名やブログでのニックネームなど、自分で名前をつける機会はそれなりに経験していたけど、このときはとても悩んだ覚えがあります。

何せ、苗字をつけるのが初めてだったから。
私が登録した投稿サイトには苗字ありとなしなど様々なペンネームの人がいたのですが、きっかけになった友人が苗字ありだったので、何となくつけるものだと思い込んでいました。それに当時の私には、作家といえば苗字ありの本名のようなフルネーム、という固定観念があったので(叶うことなら当時の私に苗字なしの作家はたくさんいると伝えてこの考えを改めさせたい)、いつもゲームなどで使っているものとは異なるフルネームを何とか考えなくてはと一人悶々としていたのです。

しばらく、驚くほど何もアイデアが浮かんできませんでした。今やガラケーと呼ばれる折り畳み式の薄いピンク色の携帯電話を握り締め、サイトの登録画面とにらめっこする時間が続きます。

でも、急に思いつきました。
悩んだ末にふと自分が好きなものを取り入れようと考えたときに、最初に浮かんだのがコスモスの花だったのです。

そういえばコスモスって、漢字で秋桜って書くよなぁ。秋の桜とも呼ばれてるんだっけ……あっ、名前っぽくない?

秋野桜……なら、名前になりそう。

我ながら、だいぶ単純な発想から生み出したペンネームだと思います。たぶん、長く続けると思っていないからこれでよいと思ったのでしょう。

ペンネームが決まってしまえばこっちのものだ、と謎のテンションになった私は、意気揚々と登録画面にてその名前を入力すると登録ボタンを押しました。しかし、画面はサイトのトップ画面に戻る。
当時の私はネット関係にまだ疎く、何かエラーになっちゃったと肩透かしを食らったのです。タイムアウトなるものを初めて経験したのも、今となってはいい思い出です。なぜ私は、ペンネームを決める前からわざわざ登録画面を開いていたのか……。(苦笑)

そんなこんながありつつも、もう一度登録画面に入った私は、ちょっとの緊張とわくわくを感じながら、ネット上に秋野桜というペンネームを生み出しました。
当初の予定より、随分長い間この名前と付き合うことになったなぁと、改めて感じます。

時折、花の名前がモチーフというのがあまりにも自分の性格や作風に合っていないような気がして、別名義を考えたりもします。だけど学生時代の文芸部でもこのペンネームを使用していたし(一瞬だけ、違う名前にしたことはあるけれど)、何だかんだで愛着が湧いているのが現状です。

たぶん、創作を続けているのと理由は同じ。
あまりにも自分の一部になりすぎて、切っても切り離せない存在になっているのだと思います。ある意味、私生活とは離れたもう一人の私。

これからも、大事にしていきたいな。


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