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「人生肯定」全文公開 【第5章 パートナーシップと人生の深い関係 】

初の著書「人生肯定」出版から1年。毎月14日に1章ずつ全文公開しています。

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はじめに
第1章 人生にはおやすみも必要
第2章 足りないものを埋める為に人生を使っていないか
カウンセリングコラム①②
第3章 一生懸命に駆り立てられる人生の根っこにあるもの
第4章 固定概念を手放して、人生をデザインしよう
第5章 パートナーシップと人生の深い関係
カウンセリングコラム③
第6章 「人生肯定」を、今ここからはじめるエッセンス
特別対談
あとがき
巻末付録(本プロジェクトについて)
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ちょっと諸事情あり、14日に更新できなかった今月。(もし毎月楽しみにしてくださっていた方がいたらごめんなさい><)

大型台風が接近中の3連休。実は今日は36歳最後の日。ちょっと遅れてしまいましたが、節目として今月も全文公開しますので、おうち時間のお供にしていただけると嬉しいです。

第5章は、実はこの本を執筆する際に「一番知りたい!」とリクエストが多かった私自身のパートナーシップの考え方、在り方などを綴っています。

私たちは、2014年に国際結婚。
夫の故郷、北アイルランドで挙式しました。

人生肯定において、「パートナーシップ」はとても重要な要素です。身近な人と価値観をすり合わせていくこと、世間の当たり前ではなく自分達が考えるパートナーシップを模索することは、自分の人生を愛して納得感をもって生きるためには不可欠だと思っています。

だからこの章は私の実例だけでなく、知識として知っておけば役立つポジティブ心理学に関するアカデミックな内容や、「人生においてこういう選択肢もあるんだな」と思ってもらえるようなお話も含めました。ご自身のパートナーシップに対する考え方を整理するきっかけにしていただけたらと願っています。

人生肯定とポジティブ心理学の関係性

 ここで私が学んでいる「ポジティブ心理学 」について、少しお話したいと思います。 私がポジティブ心理学と出会ったのは 2018 年のこと。法人向けのお祝い事業を立ち上げるにあたって、祝うことがそこで働く人の幸福度を上げること、ひいては社員のエン ゲージメントを高め、業績向上に繋がることを学術的な側面からもお話できるようになりたいと思ったことがきっかけでした。これまで結婚式や企業イベントなど、「 祝う 」ということを自分なりにやってきた中で、祝うことが自分の人生を肯定する機会になることや、「 幸せ 」という感情に繋がることは実感していました。でも同時に「 祝う 」という機会はある種スペシャルなものであり、非日常な瞬間として扱われていて、人生の中でそう多く訪れるものではありません。でも私は「 祝い 」こそ日常であってほしいと考えています。 これまでの人生を振り返りながら、自分がここにいる理由を考えたり、どれだけの人に支えられて今があるかに感謝したり、自分のこれからについて考えたり、そういうプロセスを通じて、「あぁ、自分の人生でよかった 」と感じる瞬間が日常的にあることが、その人の幸福度に影響すると思うからです。

 そうしたお祝いを通じて得られる感情と幸福度の関係を学び、証明したいと思っていた時に、私が生き方 、在り方を尊敬する方のお一人である、ユニリーバ・ジャパン・ホー ルディングス株式会社で人事総務本部長を務める島田由香さんから、「ポジティブ心理学 」なるものがあることを教えていただきました。そして、ポジティブ心理学を学ぶだけでなく、「ファシリテーターになるための養成講座があるから受けてみたら ?」とアドバイスを頂きました。調べてみると、年に数回しかないその講座がタイミングよく数週間後にあることを知り、迷いなくその場で申込みをしたのでした。私は人生は巡り合わせだと思っていて、心が躍ること、そしてそれを手にできる機会が目の前に訪れたら即断でそのチャンスを掴むことにしています。ポジティブ心理学については、まさに人生の巡り合 わせだと感じずにはいられず、直感的に「これだ !」と思ったことを今でも鮮明に覚えています。

 ポジティブ心理学は、「学習性無力感」でうつ病の原因を提唱し、世界的に注目を浴びたアメリカの心理学者マーティン・セリグマン博士によって、1998 年に創設された学問です。セリグマン博士は心理学の新たなチャレンジとして、「人が幸福になるにはどうすればいいのか 」というポジティブ領域を研究テーマとして提言しました。ポジティブ心理学は「どうすれば病気が治るか 」ではなく、「どうすればもっと幸福になるか 」をテーマにした、持続的な幸福を追求する研究です。「はじめに 」の中でも少し触れましたが「 学習性楽観主義 」という考え方があって、これがまさに私がこの本で伝えたい「 人 生肯定 」と深く関係していると思っています。自分の人生において、今日ここまでに起きた出来事は変えられません。でもその時の感情やそれを通じて何を学び、どんな価値観に繋がったのかを棚卸しして、言語化することで、「この経験や出来事に意味があった 」 と後から楽観的に捉え直しをすることは可能です。人生を肯定することは、今日ここまで に起きた出来事を肯定的に捉え直すことと同意なのだと思います。

人生肯定とパートナーシップの関係性

 ポジティブ心理学を学ぶ上で、欠かせない方がもう1人。『ハーバードの人生を変える授業』などの著書で知られる、ウェルビーイング研究の第一人者タル・ベン・シャハー博士です。博士は、HAPPINESSとは「Wholeperson Well-Being 」または「Wholebeing」だと定義します。そして、Wholebeingは次の5つの要素(SPIRE--Spiritual Well-Being / Physical Well-Being / Intellectual Well-Being / Relational Well- Being / Emotional Well-Being )から成り立つことを明らかにし、「ハピネス」を専門に学問として確立しました。その中ではウェルビーイングをより具体的に高めるためのものさしとして【SPIRE(スパイア)】という指標を定義しています。


 この中にある「 人間関係のウェルビーイング」について、私の考えをシェアさせて下さい。私はよく「パートナーシップ」という言葉を使うのですが、パートナーシップとは2名以上の関係性のことや、その間で生まれる信頼や仕事のことを指しています。最近では、彼氏 、彼女 、夫 、妻といったワードに変わって、自分の大切な人を「パートナー」 と呼ぶことも増えましたね。この10年ほどで社会の変化の中で、パートナーシップの形や考え方も変わってきています。LGBTQ +に対する理解や、結婚1つとっても、事実婚 、 夫婦別姓に関する論議などが盛んに行われ、これまでジェンダーによって画一化されてい た常識が変化しています。ジェンダーに囚われず、結婚や仕事における大切な人間関係のことを、この章では「パートナーシップ」と呼びたいと思います。

 人生肯定において、「パートナーシップ」はとても重要な要素です。ハーバード成人発達研究の調査でも、私たちの幸福と健康を高めてくれるもっとも重要な要素は、“良い (あたたかな)人間関係を持っているかどうか”だとわかったそうです。人生において1人だけで完結できるものはそれほど多くない。むしろ自分の身近な人とその価値観をすり 合わせていくことが、自分の人生を愛して納得感をもって生きるためには不可欠だと私は思うのです。

パートナーシップの一つである「結婚」も多様でいい

 とはいえ、パートナーシップに関しては、世の中がまだまだ「こうあるべき 」に囚われていると感じます。すべての人生が違うように、パートナーシップの形もみんな違って当たり前だと思いませんか? 余談ですが、私は普段からパートナーシップに関する文章 を書く際には、一般的に使われる漢字の「 夫婦 」ではなく、「ふうふ 」と平仮名で書かせて頂いています。それはジェンダーに関わらず、すべての人が結婚するかしないかを自由 に選択できる社会を望む、私の小さなこだわりでもあります。婚姻の平等(同性婚)への 理解をより広めるためにも、「ふうふ 」と書くことで、性別に縛られることない「ふうふ のあり方 」を表現できたらと考えています。

 私自身は、2020 年11月11日の「いいふうふの日 」に、佐賀県庁サガプライズ!さんとの地方創生企画で、「 佐賀に生きる、わたしの日常 」と題して、佐賀県に住む5組のふうふの日常を展示するイベントをプロデュースさせて頂きました。また、前職のCRAZY では、同性婚が法制化するまでセクシュアルマイノリティカップルの結婚式を無料でプロデュースする企画「CELEBRATION for all」を実施しています。パートナーシップにおける当たり前は、こうして一人ひとりの小さなアクション、 企業の取り組みから変わっていくと信じています。

 少し話がそれてしまいましたが、ここではパートナーシップの1つである、「 結婚 」に ついて私の事例をもとにお話していきたいと思います。私はウェディングプロデューサー として、これまで何百組のごふうふ(カップル)とお会いしてきましたが、ふたりが一緒に いる理由も、ふうふの形も 100 組いれば 100 通りです。そして3章で触れた自分の人生の価値観を形作った原体験に「 家族との関係性 」を上げている人も多いのではないでしょうか。私もそうだったように、生い立ちがその人の価値観に大きく影響するように思います。そう考えると、生まれも育ちも、家族の形も全員違うのです。そんなふたりがパートナーシップを築こうと思えば、それぞれがこうありたいと考えている「ふうふ 」や「 家 族 」の形は、実は違っている可能性がある前提に立つほうが自然だと思いませんか ?

 でも、なぜかこと「 結婚 」となると、一般的な結婚とはこういうもの、という思い込みが強く存在します。ふうふは一緒にいるべき。妻は料理を作るべき。夫は仕事で家庭を支えるべき。結婚したら自分の時間は減らしてふたりの時間をとるべき。そんな思い込みか ら「 息苦しくなってしまう 」「そう出来ない自分は結婚に向いていないのでは 」という悩みをよく聞きます。あなたが捉えている「結婚」ってなんでしょうか? 私は、結婚は手段であって、ゴールではないと思っています。むしろふたりの人生 、パートナーシップの始まりであって、 どこに向かうかは当人たちの舵取り次第。もちろんそんな風に考えるのが難しい理由もあります。それは、結婚前に赤裸々に価値観や原体験の話をする機会がそう多くないからだと思います。私もそうでしたが、好きな人や一緒にいたいと思う人だからこそ、結婚前に言えないこともありますよね。だからこそ、結婚をきっかけにして、第三者を交えて「パートナーシップ」について考えるカウンセリングを日本でもっと当たり前にしていきたいと私は願っています。

 海外では「プリマリタルカウンセリング」という婚前カウンセリングがあります。私自身はパートナーシップを築くふたり以上が共感で繋がるには、その人の「 人生ストーリー」を知ることが一番だと考えています。ドラマのお見合いシーンでよく見る「ご兄弟は ?」「ご趣味は ?」なんて質問では知り得ない、深いところにタッチして初めて見えてくる、その人の人間性があります。結婚するのであれば、そういうお話も事前にしておきたくはありませんか ?

 例えば私が結婚式を担当する際 、必ずおふたりそれぞれの生い立ちから今日に至るまでの人生ストーリーのヒアリングをさせて頂きます。まず、「なぜ結婚するのですか ?」 という質問をします。「だって好きだから 」「 一緒にいたいと思ったから 」という言葉で完結させることなく、「どこが好きなのか ?」「なぜ一緒にいたいと思ったのか ?」「 結婚することで、どんな未来になることを想像したのか ?」 1つ1つの質問と回答を通して本音を紐解くことで、感情と価値観が言語化されていきます。同時に質問に答えることを通じて、自分の思考と感情を場に出してもらう機会になります。このプロセスを経験したおふたりは、「へーそんなこと考えてたんだ !」「 全然知らなかった !」「 同じこと感じてたんだね !」と互いの考えや価値観のすり合わせが出来ていくんです。他にも「 相手と一緒にいると、どんな自分になれますか ?」という質問もさせて頂きます。これは、お互いの存在が人生にどう影響を与えているかを見つめるため。そうやって、これまでのストーリーと今の自分を受けとめ合うことが、パートナーシップを深めていくのです。同時にお互いの人生ストーリーや考え方を共有することで、パートナーシッ プにおける「こうあるべき 」を溶かしていくことにも繋がればと願っています。パートナーシップはもっと多様で、もっと自由でいい。仕事柄 、多くのパートナーシップのかたちを見てきたからこそ、心からそう思っています。

ふうふの形も、未来の形も自由に決める。だからわた したちは 「結婚更新」

 私は、人間は出会った頃と同じような「 好き 」という感情が、必ずしも一生続くものではないと思っています。愛情の深さも濃度も、一緒にいる理由も変化するし、見た目だって変化する。大事なのは、その変化をどう受け入れて関係をアップデートしていくか、 ではないでしょうか。だからふうふも話し合って、関係を「 更新 」してみるのはいかがでしょうか ?

 私自身のふうふ関係は、かなり自立型のパートナーシップだと思っています。お互いのやっていること、やりたいことは口出しせず見守るスタンス。依存せずに自分の人生は楽しみながらも、いつだってお互いが帰る場所になっているという関係性です。だから夫は、 休日も私をおいて趣味のサイクリングをしに遠方へ出かけることもしばしばですし、私もフットワーク軽くよく遊びに行ったり一人旅をしています。そして普段一緒に過ごせない分 、1年に数週間の休みを合わせて、それぞれが行きたい国に一緒に旅にいく。そんな自由なふうふ生活を、結婚当初から5年ほど続けています。

 もちろんずっと順風満帆だったわけではありません。先述したとおり、私は結婚を機にウェディング業界に飛び込んだことで、新婚のタイミングで土日勤務になったので、彼と休日を合わせて一緒に過ごすことが難しくなりました。朝から晩まで忙しくしていてろくに家事もせず、毎日疲れきって帰宅する私を夫は心配したり、呆れたり、きっといろんな感情があったと思います。家族や友人からも「そんなに一緒にいる時間が少なくて、ふう ふ生活大丈夫?」と心配されることもしばしば。私自身もそんな生活を続ける中で「 果たして彼は私と一緒にいて幸せなんだろうか ?」「ふうふである理由ってなんだろう 」という疑問も湧くこともありました。でも、だからこそ「 節目で共に生きる理由を見なおす 」ということをやってきたように思います。それは変化を受け流すでも、諦めたり折り合いをつけるでもなく、ちゃんと立ち止まって共に見つめる時間をとること。その最たるものが、私たちふうふが行った結婚5年目の「 結婚更新 」でした。

 2019 年 8月。結婚5周年を迎えたタイミングで 年婚のセレモニーをふたりだけで行いました。先述の通り 2019 年は本当にいろんなことがあって、事業の立ち上げ、 自身の体調不良 、父の余命宣告と続いて、人生の手綱を握り直したいと考えていました。 だからこそ、最も身近なパートナーである夫ともちゃんと向き合うべきだと感じて、節目 にふうふ関係について一緒に見つめ合う提案をしました。3日間のお休みをとって2泊3日の沖縄旅行へ。1日目の日中はそれぞれ違う場所で自分の人生を振返り、家族や大切な 人に手紙を書く時間を取りました。 2日目はゆっくりご飯を食べながら、結婚してから今日までの思い出をふたりで振り返り、どんなふうふでありたいか? どんな家族でいたい か ? を語り合いました。夜はじっくりとお互いに向けた手紙を書いて、 3日目の朝に「セレモニー」と題してその手紙を誓いの言葉として読みあうことにしました。手紙の中で書かれていた、夫の人生における「 私と一緒にいる理由 」が印象的でした。「明奈と出会って、人生ってこんなにも楽しんでいいんだと教えてもらった。もっと興味あることを どんどんやってみようと思えた。いつまでも君は僕の刺激で、人生の楽しさを教えてくれ る人 」と伝えてくれたことが嬉しくて、涙が溢れました。忙しくても家事があまりできなくても、人生を楽しんでいる姿が刺激だと思っていてくれていたことを知って、「そう だったんだ 」と安心しました。そして私にとって「 彼と一緒にいる理由 」は、何があっても絶対に味方でいてくれること、「ありのままの君で大丈夫 」と言い続けてくれること。 どこにいっても、何にチャレンジしても、戻れる場所があるということが私にとっては一 番の勇気になる。彼の存在にこれまでも、これからも背中を押してもらっている気がしました。それぞれが一緒にいる理由は全然違います。しかもその理由は、 5年前に婚約した時とはだいぶ変わっているように思います。でもそうやってこれからも一緒に変わっていければいいと思えたことに感動して、「 次の5年もよろしく !」とホテルに備え付けられ たメモ用紙に結婚更新のサインを書きました。

 互いに今の気持ちを伝え合って関係をアップデートする。毎年行っていた旅行とはちょっと違う、ふうふとしての大切な節目は、「またゼロからふうふをはじめる誓いを立てる 」日になりました。これも私にとっては人生を祝う1つの形であり、人生肯定するために不可欠なパートナーとの未来を考える1つの方法だと感じています。

 ちなみに裏話ですが、沖縄に向かう飛行機に乗るや否や夫から「プレゼント」を受け取りました。お付き合いしていた頃に記念日ごとに作っていたふたりの思い出写真を集めた フォトブック。今回は「 結婚5周年記念版 」のタイトルがついていました。これまでの旅先での写真や感動的なメッセージが書かれているのかと思いきや、ひらいてみるとそこには「どこでも寝れる 」が特技の私がソファやら床やら、出先や電車で寝ている姿の隠し撮り5年分 、寝相写真 150 連発でした。よくもまぁこんなにも集めたなと思うほど、 でもこんなどうしようもない自分を愛してくれる彼に感謝でしかないなと、その時点で5年分の感謝の気持ちが溢れたのでした。



 環境も変わるしお互いも変化する中で、結婚は、“永遠に”を誓うのではなく、“今のお互いに”とっての理想と目の前の時間を大切にすると約束するのはどうでしょうか ? 「あなたを一生愛します」そんな誓いは、奇跡を祈るようなものだと思うのです。人間、誰しも変化する。環境も変わるし、大切なものも移り変わる。時代は恐ろしいほどのスピードで変化して、常識もルールも変わります。人生 100 年時代 、そう考えると一生なんて、永遠なんて、遥か先の未来だと思いませんか? だから私は個人的に結婚は、 “永遠”ではなく、“今”に責任を持って約束したらいいと思うんです。その後は5年でも、10年でも、ふたりで決めた更新タイミングになったら、“継続”も“解消”もちゃんと話し合う。結婚生活を一緒に振り返り、愛情を確かめ合ったり、将来設計をすり合わせるこ とも良いと思います。子供をいつ授かりたいのか、家は買いたいのか。終わりがあると 知っているから、今を大切にするようになる。それが節目を意図的に作る効果だと思いま す。何より好きでもないけど惰性で一緒にいること 、“ふうふ”という関係に甘えて努力 を怠ることが減り、お互いの魅力を高める緊張感が高まる気がしませんか? 今後結婚や出産は、人生のマスト条件や絶対正解ではなくなり、離婚は悪いこと、恥ずかしいことではなく、自分の人生を意思を持って生きる つの選択肢になるとも考えています。もちろ ん、子供や周りの家族など、大切な人をないがしろにしたり、感情は無視するというわけ でも、離婚を推奨しているわけでもありません。ただ、話し合って、「 更新 」する節目を作ってみることはおすすめしたいと思っています。

<あなたへの問い かけ/ ワーク>
結婚やふうふ関係において、「 こ う あ る べ き 」に 囚 わ れ て い ま せ ん か ? あなたにとっての理想のパートナーシップについて考えてみましょう。

身近な存在との関係は、知ったつもりになりやすい

 これからの時代 、パートナーシップも「こうあるべき 」から解放していくことが、自分の人生を愛し、今を生きるための鍵になると思っています。それはパートナーシップこそ、自分の「 在り方 」が反映されるものだから。

 思えば私自身の結婚前までの恋愛関係を振り返ると、「 自分を高めてくれる存在 」をずっと求めていました。自分がちょっと背伸びしなきゃいけない人 、それはスペックや外見も含めてです。恋愛にも生き方が反映されるのですね。相手に求めてばかりいました。 「これがない 」ということに目がいってしまって、減点方式でパートナーを見極めていたようにも思います。でも夫は初めて会ったときから「ありのままの私 」を受け入れてくれる存在でした。同時に夫自身も「ありのままの自分 」を受け入れているようでした。 無理することや背伸びすることなく、高め合うことや生き急ぐことも求めず、今を楽しむ人でした。それは出会った時から今も変わらず、そのスタンスで私と人生を共にしてくれているように思います。それが幸せかどうかは人それぞれだし、幸せの形も変化していくものだとも思います。でも、私にとってはそれが心地よくて、彼の存在によって「 私は人に良いところを見せたかったんだな 」「 必要とされたいという気持ちで関わっていた んだな 」という、自分の深いところにある弱さを受け入れることに繋がったと思っています。

 自分は人生を通して人とどう関わっていきたいのか。どうありたいのか。自分の心地よ いパートナーシップを考えること、身近な存在との関係性に目を向けることは、人生肯定をするためにとても重要なことのように思います。

 また、パートナーシップこそ環境に応じて変化していいと思っています。これまで私が家で食事を作るのは週末だけで、夫が料理担当でした。でもこのコロナ禍でふうふの生活は一変。家にいる時間が増えたことで、毎晩一緒にご飯を作って食べるようになりました。 朝一緒に起きて、ヨガをして、朝ご飯を作って、一緒に散歩に行き、夜はゆっくり映画を見る。そんなこれまでと違う日常で、ふうふの会話も格段に増えて、毎日が新しい発見の連続でした。家でガーデニングにはまり、「ジャスミンの花が咲いたよ !」と嬉しそうに 微笑む夫の姿を見て、彼と日常を一緒に体感するようになりました。一緒にいる人が、何に喜びを感じるか。何を美しいと感じているか。こうしてお互いの「 心地よい 」を知る 時間は、パートナーシップを育むことにおいてとても大切なことだと気付かせてくれまし た。長年一緒にいるふうふだとしても、お互いに知らないことはたくさんあります。そして相手も自分も常に変化しています。「 知ったつもり 」にならずに、お互いに知る努力 、伝 える努力を怠らずにいたいですね。

「共感」 は、パートナーシップを育むキーワード

 家庭でも職場でも、「なにが心地よいか 」という価値観のすり合わせ、感情の共有をすることは、より良いパートナーシップを築く上での鍵になります。そして、そのためにはやはり「 対話 」が欠かせないと思うのです。実際 、対話は面倒です。時間もかかるし、 傷つくかも、関係が崩れるかも、と思うと恐れも出てきますよね。近い人ほど、改まって話をするのは恥ずかしい。でもやっぱり「わかってよ !」とか「やってくれると思って たのに 」なんて声は自分のエゴだと思うのです。どんなに信頼していても、どんなに苦楽を共にしても、どんなに愛していても、人は変化する。環境や状況は進んでいる。だから行動で見せるだけじゃなく、ちゃんと対話しないと誤解も不満も生まれてしまうように思います。それは、ふうふも、家族も、組織も、チームも一緒です。

 2019 年、私は人生の棚卸しを行ってそのストーリーを社員同士で共有する1泊2日のライフログ合宿を、株式会社ENERGIZE さんにご提案させて頂きました。 10周年という節目のタイミングだからこそ、創業からの会社のストーリーを知るだけではなく、社員1人ひとりが、「なぜここにいるのか 」を見つめ、共有することで、社員同士が より心で繋がるきっかけになることを設計して開催しました。後の対談ページにて、代表取締役の秦卓民さんと当時のことを振り返っているのですが、これまでお互いの人生につ いて対話をする機会があまりなかった中で、この合宿はお互いのパーソナルな部分 、価値観について深く知る大切なきっかけになったと教えて下さいました。

 人は素直に向き合えば分かり合えることがほとんどなのに、大事とわかっていながら、 忙しいという理由から、それを怠ってしまうんですよね。そしていつの間にか、勝手に期待して、すれ違って、傷ついて。もう分かり合えないんじゃないかと諦めて、モヤモヤし た気持ちで苦しくなったりする。でも、本当の気持ちは言葉にして対話しないと伝わらないのです。それは人間だから、感情がある生き物なのだから、怠っちゃいけないことだと思います。対話が必要なのが人間の面倒くささでもあり、同時に対話で分かり合うことが出来るのが、人間の素晴らしさではないでしょうか。
ふうふも、家族も、組織も、チームも、2名以上が関わる場合 、より良いパートナー シップを築くためにお互いに努力することが大切です。表層的な問題ばかりを取り上げるのではなく、その人の人生に触れることや、価値観の深い部分を知ることから、目を背けないでほしいと思います。共に感じる、それこそがより良いパートナーシップを一緒に考える機会になるはずです。

<あなたへの問いかけ/ ワーク>
職場やチームの中で、対話や共感は出来ていますか ? 組織におけるエンゲージメントや心理的安全性を高めるために、問題解決 のためのミーティングだけではなく、1 人ひとりの価値観やストーリーに 触れる時間をつくってみてはいかがでしょうか ?

さて、ここでまた小休憩を挟みます。 2章でご紹介した30代女性との対話の続きです。 結婚して1人だけの人生ではなくなった中で、パートナーシップにおける葛藤や不安を受け入れつつ、人生肯定をしていくプロセスの一部を公開します。

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ほんとはもっとワクワクしながら、軽やかにライフチェンジしたい。

さて、第5章いかがでしたか??

ご自身にとって実現したい未来や、"理想のパートナーシップ"を考えてみたた時に、「一度立ち止まって整理したい」「今の状況を少しでも変えたい」「一歩踏み出してみたい」「新しくチャレンジしてみたい」などと頭に浮かんだことはありましたか?

日々、職場や家庭で周りの期待に応えたいと頑張ってる。
でもふと、自分の気持ちが置いてきぼりになっている気がする…。

そういえば私ってどんな人生を歩みたかったんだっけ?
ほんとはもっとワクワクしながら、軽やかにライフチェンジしたい。

そんな心の声を無視せずに、
人生の節目は、自らデザインしよう。

2022年ラスト開講!ライフログスクール8期生の申し込みは、本日9月18日(日)まで。

『ライフストーリーから見える”自分”を活かして人生をデザインする』

8月に3年目を迎えたライフログスクール。2022年最後の開講となるライフログスクール8期生の募集の締め切りは本日。

私たちの提供するライフログメソッドは、過去の棚卸しと感情の可視化から自分を深く知った上で、「好き・得意・在り方」の3つをベースにライフデザインを行います。自分が歩んできた"これまで"に光をあてて、原体験から価値観を紐解くことで人生の指針を言語化するプログラム。

型さえ覚えれば何度でも自分で取り組めるし、1度やって終わりではなく、4つのステップを繰り返すことで(3枚目)あなたの人生に伴走する相棒になってくれます。

・自分と向き合う時間を取ることを後回しにしてしまう
・これまでも自己内省はしてきたけれど、違う角度から向き合ってみたい
・キャリアを積んだ今だからこそ、もう一度自己分析をしたい
・他者の力を借りて、自分の思考や行動の癖を知りたい
・これからの道を納得感を持って選ぶための判断基準が欲しい
・自分の好き、得意、在り方を言語化したい
・お互いの人生を応援しあえる仲間と出会いたい

そんな人にはきっと良いきっかけになるはず。興味がある方はぜひHPをチェックして、「今かも!」と思った人は飛び込んでみてください!

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