大学院のこと(8) (進学・留学体験談)
大学院でジャーナリズムを専攻したら、どんな日々が待っていたか?その実体験を書き進めていく本シリーズも今回で8回目を迎えた。
2017年に修士課程を修了して以来、できれば忘れてしまいたいと考え、実際にしばらく忘れていた大学院への留学体験。今改めて「何が起きていたのか」を思い出しつつ書いていると、在学中に抱いた違和感やネガティブな感情がよみがえってきて、自分の愚かな判断(安易に進学してしまったこと)への反省と共に軽い自己嫌悪に陥っている。しかし同時に、「書くことで整理し、きちんと忘れる」という本シリーズの目的が、時間と共にはっきりしてきた。
一般社会からアカデミアという世界に戻り、「閉ざされた学校空間ならでは」と思わされる現実に多数直面したわけだが、今回も引き続き、アカデミアでは珍しくない、というか、特徴の一つとして語られることもいい「学校内部の派閥争いや権力闘争」など、大学職員たちの仲の悪さについて書いておくことにした。
大学の先生たちは、なぜそんなにも仲が悪いのか?
先生たちは学問の追求以上に権力闘争に忙しい。とは、割とよく知られたアカデミアの姿であるらしいことを私は身をもって知ることとなった。
第7話でも書いた通り、私は以前、母校のカリフォルニア大学の先生たちに取材をしたことがあるのだが、かつて学部の創設に関わった元学部長は、大学という職場について以下のように話していた。
そのような経緯から、元学部長は、職員同士が協力し合える職場環境づくりに一生懸命に取り組んだと話していた。
したがって、私の学部生時代は、職員同士が仲良く協力し合っているという恵まれた環境で勉強することができた。ただし、短大(アメリカの2年制大学)に通っていた頃はそうではなかったし、また職員がいがみあっているのは演劇学部に限らず、ジャーナリズムやその他の学部でも同じということが、香港大学への進学後によく分かった。
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