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深夜のガスパール「Aの千一夜物語」

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夜のとばりが深くなると、思いだす映画の数々。 映画の筋もさることながら、その映画と出会ったころの私が炙り絵のように滲んでくる、そんな夜更け。 これは、’60年代から現在までの半世…
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深夜のガスパール Aについて

 千一夜物語はご存知ですよね? イスラム世界での逸話集、ペルシャ王に毎晩妻が語るお話集という形式ですが、その王、妻の不貞を知ってから、妻の首をはね浮気相手を獄門首にさらしてからも部下も友人も信じられない最悪状態。次々と後妻はもらうが、信用なぞできない。条件はただ1つ、面白い寝物話を聞かせること。少しでも面白くなかったら即座に首をはねるというから絶体絶命的な究極のお話がわんさか。 筆者Aは一晩に1つの映画の話を通じて、自分の過去を1つづつ告白していきます。 ここでお話していく

第一夜 Mを思い出す夜

なぜこの映画が第一夜にきたのか、自分でもわからない。 時々思いだしては、この映画の基調ともなっているstingの「Angel eyes」がたまらなく聴きたくなるのが常だ。 多分、ほとんどが夜のシーンが印象的なので、夜中のガスパールというとこの映画を思い出すのだろう。 アル中と娼婦の救いようのない話だ。 ベガスのけばけばしいネオンの街を居場所を求めるニコラス・ケイジとエリザベス・シュー演じる人生から転落したふたり。 劇場公開を観たのは、30代の後半に差しかかったころ。 私は

第二夜 真冬の日本海が好きなA子

訳あって暫く休止していたが、年の終わりが近づいて冬の夜にふさわしい名作を久しぶりに見直し、やはり何かしら書いておくことにしようという気にさせてくれた「駅 ステーション」について。 観たといっても、スマホの小さな画面なのだが、名作になればなるほど、画面サイズなど気にならないもの。 しかし、冬になるとなぜかしらこの映画が観たくなり、同時に八代亜紀の「舟唄」が聞きたくなる。 そして熱燗と湯豆腐が恋しくなるという、いつものオヤジパターンなのだが、それにして冬になると決まって日本海