マガジンのカバー画像

【コラム】腹黒い11人の女Spin-outコラム

42
わたしの二作目の長編小説『腹黒い11人の女』のスピンアウトコラムです。以前、連載していたWebマガジンがなくなったので、noteに再掲載しました。主人公・ちえりの独り言、ちえりの…
運営しているクリエイター

#キャバクラ嬢

【Vol.1】腹黒い11人の女に勤めるひとりの女:ちえり

 渋谷駅、井の頭線口から出て、向かう方向は公園通りでもセンター街でもなく、無料風俗案内所…

三谷 晶子
3年前
11

【Vol.6】どうしてもDV男が好きな女:絵梨

 DV=ドメスティックヴァイオレンスという言葉が生まれて随分経つ。その被害者は増える一方だ…

三谷 晶子
3年前
8

【Vol.7】「職業はデート」と言い、5股をかけている女:莉奈

 二股をかけたことがある人間は30%以上という統計が出ているそうだ。携帯を駆使し、時にはパ…

三谷 晶子
3年前
3

【Vol.8】可愛いけれど可愛くない残念な女:麗華

 世間ではキャバクラ嬢は男扱いに長けていて、いつでもモテていると思われがちだが、必ずしも…

三谷 晶子
3年前
4

【Vol.15】オスライオンのような繁殖系の男:渋井

 草食系・肉食系という言葉が生まれて随分経つが、その言葉の意味を理解している人間は少ない…

三谷 晶子
3年前
4

【Vol.16】誠実でまっとうな眩し過ぎる男:今野

 モテる女の定義はWeb上でも雑誌でも溢れかえっているが、モテる男の定義を見かけることは実…

三谷 晶子
3年前
9

【Vol.17】「俺はこれだけしてあげたのに」と言う男:中山

  女が男に言われて一番嫌な台詞は一体なんだろうか。  「ブス」「デブ」「ババア」などの肉体的なコンプレックスを突くような言葉のほか、「女のくせに」などの勝手な理想像を押し付ける言葉、自慢話が多い男も嫌われる。  だが、本当に一番嫌がられるのは「俺はこれだけしてあげたのに」という男ではないだろうか。  そう思いながら、ちえりは店で中山の話を聞いている。 One night's story:中山   中山はわたしの指名客で、半年程の付き合いになる。最初、中山は御しやす

【Vol.18】「女はいいよな」という男:北村

 女は得だ、女はいいよな。そんな風に言う男は昔からいる。結局、男の方が得なのか、女の方が…

三谷 晶子
2年前
15

【Vol.19】キャバクラで息子とかち合った男:庄司

 常連が多い店だと客同士が顔見知りになったり、同じ会社の人間や友人同士が店でかち合ったり…

三谷 晶子
2年前
3

【Vol.20】女をけなしまくる男:澤田

 キャバクラ嬢と言えば、男にちやほやされるばかりの職業だと思われがちだが、実は「好きだ」…

三谷 晶子
2年前
2

【Vol.21】女をいつも殴ってしまう男:原

 DVをする男は、現在、随分と一般的で女が五人集まれば、殴られたことがある女が必ずいる。し…

三谷 晶子
2年前
4

【Vol.22】水商売の女は助けを求めていると思いたがる男:山田

 女には皆お姫様願望があるという。では、男には王子様願望があるのだろうか。  正確に言え…

三谷 晶子
2年前
6

【Vol.23】【ちえりの独り言】金、金、金は魔法の呪文。

 世間では、キャバクラに勤める女は高給を貰っているということになっているようだが、現実は…

三谷 晶子
2年前
3

【第1回】そう言われたらわたし、何も言えないんです:「二人、いつか稲穂が輝く場所で」

 指名客は、ノルマを達成出来るぎりぎりの分だけいればいい。客が多い程、時給は上がるが面倒なのはごめんだ。そんな風にやる気のないわたしだが、客の中には奇特な人間もいる。その客、田守は私の数少ない固定客だった。  肌寒さが速度を増して近づいてきている秋の終わりだった。わたし達は「何だか温かいものが恋しい季節ですね」と挨拶をしだし、客も「ねぇ、本当。ちえりちゃんに温めて欲しいなぁ」などと言うようになる時期だ。   田守が初めて店に来たのは、半年前だ。田守は、その時キャバクラに来