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【コラム】腹黒い11人の女Spin-outコラム

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わたしの二作目の長編小説『腹黒い11人の女』のスピンアウトコラムです。以前、連載していたWebマガジンがなくなったので、noteに再掲載しました。主人公・ちえりの独り言、ちえりの…
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【Vol.1】腹黒い11人の女に勤めるひとりの女:ちえり

 渋谷駅、井の頭線口から出て、向かう方向は公園通りでもセンター街でもなく、無料風俗案内所…

三谷 晶子
2年前
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【Vol.2】養うしかない男か、養われるしかない男としか付き合ったことのなかった女:…

 男と食事に行った時に、女は金をどれくらい払うべきか。もはや、明治時代あたりから議論され…

三谷 晶子
2年前
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【Vol.3】わたしのことを好きでいてくれる人は、わたしのことを見ていないと言う女:…

 モテるという言葉が生まれてずい分たつ。だが、モテるということは、本当はどういうことなの…

三谷 晶子
2年前
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【Vol.4】将来の夢は『かわいいお嫁さん』な女:真紀

 幼稚園の頃、将来の夢は何? と聞かれたら大抵の女児が『かわいいお嫁さん』と答えた。今の…

三谷 晶子
2年前
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【Vol.5】好きな男がいるのに他の男とセックスする女:早苗

 浮気をしたことがない、と言い切れる人間は、今、この世にいるのだろうか。どこからどこまで…

三谷 晶子
2年前
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【Vol.6】どうしてもDV男が好きな女:絵梨

 DV=ドメスティックヴァイオレンスという言葉が生まれて随分経つ。その被害者は増える一方だ…

三谷 晶子
2年前
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【Vol.7】「職業はデート」と言い、5股をかけている女:莉奈

 二股をかけたことがある人間は30%以上という統計が出ているそうだ。携帯を駆使し、時にはパソコンやSNSも使い、日々走り回るようにめまぐるしく男と男の間を渡り歩く女達は、一体何が楽しいのだろうか。  そう思いながら、ちえりは今、「今の仕事? 男とのデートかなぁ」と言い、マティーニを飲んでいる梨奈の話を聞いている。 A story about her:梨奈 梨奈は、31歳の既婚者だ。一年前に年収1000万以上ある男と出会って二ヶ月で結婚した。夫は、多忙でほとんど家に帰ってこ

【Vol.8】可愛いけれど可愛くない残念な女:麗華

 世間ではキャバクラ嬢は男扱いに長けていて、いつでもモテていると思われがちだが、必ずしも…

三谷 晶子
2年前
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【Vol.9】美容に月10万円以上かけるスイーツな女:萌

 スイーツという言葉が生まれてずいぶん経つが、そう呼ばれている女はその意味をほとんど理解…

三谷 晶子
2年前
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【Vol.10】ぐだぐだの同棲生活を続けている女:由佳

 同棲をするきっかけは、一体どういうものなのか。その昔は、結婚を前提としたものが主流だっ…

三谷 晶子
2年前
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【Vol.11】既婚者とばかり付き合う女:美帆

 夫婦間の浮気率は、一説によると三割近くに及ぶという。不倫はいまや当たり前で、独身の女に…

三谷 晶子
2年前
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【Vol.12】ちえりの独り言:拘束衣、ボンテージは着ぐるみ

 うちの店の衣装は、基本的に赤と黒のボンテージだ。ボンテージとは革やエナメル、ラテックス…

三谷 晶子
2年前
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【Vol.13】俺は10億稼いでいるんだという男:沢崎

  金を稼いでいる人間と、金を稼いでいない人間はどちらが惨めだろうか。そう問えば、誰もが…

三谷 晶子
2年前
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【Vol.14】「俺には金しかないんだよ」と言う男:梶谷

 現在、婚活中の女が、男性に求める理想的な収入は年収600万円以上だという。しかし、現実に20代から30代の独身男性で600万円以上の年収を持つ男は数%しかいない。ならば、金持ちの独身男性は引く手あまたの状態のはずだ。だが、今、ちえりは「俺には金しかないんだよ」と言いながら40代後半で一度も結婚したことがない、梶谷の話を聞いている。 One night's story:梶谷  梶谷はわたしが勤める店の常連客だ。週に数回は来て、一人の女を指名し、ほかにも数人の女を場内指名す