マガジンのカバー画像

海部公子という生き方

20
洋画家、陶芸家であり、「ゴッホの手紙」などの翻訳でも知られる硲伊之助。その弟子であり、硲の精神を受け継ぐ海部公子さんの人生をたどります。
運営しているクリエイター

2022年1月の記事一覧

#13 海部公子という生き方

#13 海部公子という生き方

 1964~65年のヨーロッパ研修旅行。今回はパリでピカソの画商と会った話、過去にはその画商が取り持つ縁で1958年の国内初ゴッホ展が開催された経緯など、知られざるエピソードについてつづります。

 ピカソの画商「ほしければ一枚あげる」 1964年の暮れ近くに、ピカソの画商のカンネベレールさん、ユダヤ人だと思うけど、パリにビルを持っていました。先生がカンネベレールさんを知っていてビルを訪ねたんです

もっとみる
#12 海部公子という生き方

#12 海部公子という生き方

中国大使の縁で東欧アルバニアへ 東ドイツでは中国領事館の王国権さん(中国の外交官、1910~2004)を訪ねました。大使とのつながりは硲伊之助の愛弟子で、私の兄弟子にあたる永井潔です。彼が1963年に向こうに行って、日本で何かやるのに都合の良い文化関係の有力者と知り合いになってつないでおいてくれたんです。「日本で展覧会をやる時に、先生が向こうでスムーズに交渉が進むんじゃないか」というので、渡りを付

もっとみる