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図書館で本を販売? 「本を手にとる機会」を子どもたちに
「本屋のある風景」が、日本全国から激減している。
2024年11月時点で、書店がない自治体の割合が全国で28.2%に上るという。(日本経済新聞2月1日書評欄より)
幸いなことに私が住む地域には、かろうじて1軒の本屋があるが、それも改装を重ねるごとに縮小されてしまい、今や元の面積の10分の1といってもいいぐらいこじんまりとした空間になってしまった。置いてある本もメジャーな雑誌や文庫本、学習のための教材が大半で、なんだか薄っぺらい。かつてどこの本屋に行っても感じた、「何か素敵な本との出会いがあるかも」という宝探し的なワクワク感は、都会にある大型書店でしか体験できなくなりつつあるようだ。
うちの子どもたちは特別に本好きではなく、漫画ばかりを読んでいたが、学年が上がるにつれて活字が並ぶ本も好んで手にとるようになってきた。小2の息子は「かいけつゾロリ」が精一杯だが、中1の娘は湊かなえさんの代表作をほとんど読み尽くし、今は東野圭吾さんに興味があると言う。
そんなささやかな成長も、街の本屋さんと図書館があってこそのものだろう。本に関わる体験を喪失すれば、子どもたちはますます本に興味を持たなくなる。私たち夫婦も、「本屋がなくなるのは色々な意味で危険だ」とよく話していた。
そんな中で、「図書館で本販売 実証実験」という記事を読んだ。(日本経済新聞2月1日書評欄より)2025年度に実証実験を行って課題を洗い出し、26年度以降に取り組みを全国に拡大していくという。
本を借りる場所の図書館で、本を売るの?と疑問もちらつくが、もし前述した「こじんまりとした本屋」が閉店したら、私たちはいよいよ「近場で本を手に取って購入する機会」を失ってしまう。本と触れ合うチャンスが図書館に限られてしまうのなら、「ついでにここで本を買いたい」と思うのは自然なことかもしれない。
うちの子どもたちはギリギリ滑り込んだ感があるが、これから情緒面がどんどん成長していく子どもたちに「本を手にとる機会」は絶対に必要。「自分で選んだ本をお店で買う」行動も、読書体験の一つだと思う。
「独立型書店」の存在も頼もしいが、「本が買える図書館」も子どもたちの未来と出版文化の光明になるはず!
今後も注目していきたいなと思ったのでした。