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コンテクストを理解する

大学に外部の方が来て講演してくれる授業のシリーズ。
第14回は静岡大学 准教授 本條晴一朗 先生。

UXデザイン

”人間はコンテクスト(内部・外部環境)によって知覚されるもの、行動が変化する”

講演より

人の行動は、何か自分の絶対的な信念や価値観に基づいて判断するのではなく、その時の状況、相対する人など、外部環境からの働きかけによって意思決定を行う。よって、顧客ジャーニーを追う際や、UXデザインを行う場合は、

・対象がどういう状況において、どういう影響を外部から受けているのか
・何をしようとして、何にこまっているのか

という「状況の理解」が重要になる。
例えば、普段腕時計は通知機能が煩わしいのでアナログの時計を好んで使用しているが、休日は子供と遊んだり、パートナーとの連携のためにタフでコミュニケーションがしやすいスマートウォッチをつけている、など
その時々の状況によって、同じ時計でも求める価値が異なる。

デザインリサーチにおいて、ペルソナを想定してインタビューなどを行う際、インタビューに答える人は、ある特定のシーンを切り取って話すことが多く、状況に応じたというよりも、それぞれの思い描くシーンでの行動に限定されてしまうことがある。
解釈する側も、この人はこういう価値観だから、こういう属性だから、こういう行動をする、という一義的な解釈に陥ってしまうことがある。

なので、同じ行動や属性をとっている人でも、なぜその行動をとっているのか、ということをインタビューして聞いていくだけではなく、その人がその時達成したいこと、そのためにハードルとなっていること、どんな選択肢があるのか、その中で選んだ選択肢の理由、などをつまびらかにしていくと、やるべきことの解像度が上がってくる。

ダイバーシティ

”人間は事実に対して知覚されるものが変わる。世界は各個人の内部で構成されている。Factは1つだが、真実は人によって変わる”

講演より

最近ではこのような環世界(生物や人それぞれにおいても、世の中の捉え方は異なる)の考え方が、世に認知されてきたように感じている。
インクルージョン&ダイバーシティが、タンジブルな違いから、インタンジブルな違いも許容できるように、世の中が変わってきていることを感じる。
人はもっと自分の”コンテクスト”を大事にして、そこによって立ち、行動してよい。そういった”個人の解放”が許容される組織、世の中がいいなと思う。

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