【62】考え行動する若者を増やし変革を起こす『ミライの授業』瀧本哲史
世の中を変えるためには圧倒的なカリスマに託すのではなく、自ら考える小さなリーダーをたくさん育てることが重要との想いから、若者に対して講演や執筆活動を行ってきた著者が最後にまとめたのが中学生に対する『ミライの授業』でした
未来はどうなるのか嘆くのではなく、未来を自らつくる人を育てることが著者の願いです
この行動には、パラダイムシフトには世代交代が必要だという考えが背景にあります。いくら新しく画期的なアイディアがあったとしても、旧世代を納得させることは非常に難しいことは歴史が証明しています。なので筆者は次世代を担う中学生を対象に世の中をより良くするための活動をしてきました
本書では多くの過去に「世界を変えた」偉人たちのエピソードを用いて「未来をつくる法則」を伝えようと試みています
中学生を対象としているため平易な文章で、かつ興味を引くようなエピソードが多く盛り込まれているため大いに楽しめます
法則1 世界を変えるたびは「違和感」からはじまる 法則2 冒険には「地図」が必要だ 法則3 一行の「ルール」が世界を変える 法則4 すべての冒険には「影の主役」がいる 法則5 ミライは「逆風」の向こうにある
これらの法則は教科書にも出てくる偉人たちのエピソードから導き出されていますが、「〇〇を成し遂げた人」というような結論だけではありません。教科書にも出てくる結論は、世の中の「正解」であり著者が嫌うものです。教科書に書かれていることと著者による説明のギャップから「自立して考える」ことがどのようなことなのかを理解できると感じました
こんな素敵な講義を受けることができた中学生は幸せ者だと思います