米長流急戦矢倉の基本

西尾明「矢倉の基本」という本を読んで、急戦矢倉の勉強をしたのでそのおさらいとソフト研究をする。
私は急戦矢倉はそんなにできなかったのだが、春日部将棋道場の常連ライバルのおじさんに今度、急戦矢倉を教える約束をしたので、勉強してみた。

先手・金矢倉に対して、後手は米長流急戦を仕掛けるとどうなるか。

基本図

33から左銀を繰り出す。
米長流急戦は、左銀・右桂・角で相手を攻める戦法。
特に77の地点が開いていると効果が抜群にある。
▽55角と出て、飛車・香両取りの筋が出てくるからだ。

なお、米長流急戦は、▲33角とあがって、「飛車先の歩交換拒否」をしてはいけない。
24角の角交換からぼこぼこにされてしまうからだ。

急戦失敗図


ではさっそく、米長流急戦矢倉の攻防をみていきたい。
5筋→6筋の順に歩を突き捨て、▽65同桂馬とまずは桂馬で攻める。
▲66銀に対して、▽55銀とぶつける。

▲55同銀は、▽同角で両取りなので、▲65銀と桂馬を外すが、
▽64歩で銀を捕獲。

銀が助からない先手は、飛車先から攻撃してくる。
▲24歩、▽同歩、▲23歩 が、歩を持ったら急戦矢倉に対する手筋。

もし▲23同金(疑問手)と取ったなら、▽24角!

後手は金が上ずって負担になるので、先手ペース。
ただし、▲14歩が突いてあるときは、▲13角 で14の飛車の王手飛車になることもあるので、それには注意が必要だ。

なので▲23歩には ▽44角とかわす。
先ほど取った桂馬で追い返し ▲56桂馬、

以下、▽33角、▲24角で角交換を挑む。
▽同角、▲同飛に また▽33角と打つ。先手に飛車先突破されてはいけない。

▲34飛、▽65歩と銀を外した手に、▲73角!
飛車・角交換したら、飛車・銀両取りになる手だ。

しかし後手も「両取り逃げるべからず」で攻め ▽66歩、▲57金。
守備駒を離す手を決めてから、飛車が逃げ▽83飛。

先手が飛車を切る ▲33飛成に、同桂と飛車を取るのではなく、
▽73飛! と角を取るのがポイント。55の銀を取られたらたまらないからだ。

▲35龍と逃げて、当たった銀は▽56銀 と桂馬を取る。

そのあと、先手は龍を8筋に転換する狙いをみせ、
後手急戦は、上ずった相手の金を目標に、▽64桂馬で攻めて66歩の拠点を活かした攻めを繰り出していくようだ。

なお、先手が米永流急戦を嫌って、じっくりと相矢倉で行きたい場合は、
▽44銀が来る前に、▲46歩とするのが有効な対策。
一見、角道が止まったのでチャンスとばかりに、これでも後手が急戦と▽44銀で来た場合、
桂馬跳ねから▲45歩で相手の銀を追い返すことができるので、先手良しになる。

なので、後手はじっくりと相矢倉にするしかない。
▲47銀型・先後同型の相矢倉になりやすく、これからの将棋だ。

このように、米長流急戦矢倉は、持久戦に変更することもできて柔軟な戦法だといえるようだ。
ということで、いかがだっただろうか。
矢倉は相矢倉の持久戦しかできなかったので、これで急戦もマスターしていきたい。


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