akihiko810の将棋研究

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最近の記事

雁木の受けの基本 (雁木 対 棒銀)  

春日部将棋道場の常連のおじいさん(四間飛車党)が、今度は雁木の勉強を始めた。 歳をとっても将棋の勉強をするのはえらいね。 それはともかく、私は雁木は基本指さないので、定跡を知らなくて、おじいさんに教えてあげることができなかった。 雁木はどちらかというと「受け」の戦法で、特に相手に早繰り銀にされると、とにかく受けなければならない、という印象があった。あまりアマチュア向きの戦法には思えなかったのである。 ということで、おじいさんに教えるために、雁木の「受け」を勉強したい。 基本

    • 超早仕掛け(へなちょこ急戦)対 三間飛車・▽43銀型

      「一撃!対振り飛車 へなちょこ急戦」(Sugar)という、超早仕掛け(へなちょこ急戦)の本を買った。 この本によると、三間飛車が▽43銀型の場合は、銀へのあたりが強く、居飛車ペースになりやすいという。 超早仕掛け(へなちょこ急戦)の対策。三間飛車編 の研究記事は過去に2本あげたが、 どちらも▽42銀型であった。 今回は、三間飛車▽43銀型の場合の攻防と、超早仕掛けがどう決まっていくのかをみていきたい。 基本図から、 4筋を取り込む前に、まずは2筋を突き捨て、そのあと▲4

      • 中飛車左穴熊には組ませるな! 中飛車左穴熊対策

        春日部将棋道場の席主は中飛車党で、こちらが初手78飛戦法で三間飛車にすると、高確率で中飛車左穴熊にしてくる。 今日は(というか今日も)席主にぼろ負けしたので、次こそは一矢報いようと、中飛車左穴熊の研究をしてみる。 以前は中飛車左美濃に対し、三間飛車側も組み合う研究をしたのだが、 席主とは地力が違うので、残念ながら組み合うとこちらが力負けしてしまう。 ということで、中飛車左穴熊を組まれる前に、速攻で潰す作戦を深堀りしたい。 先手・三間飛車 後手・中飛車でみてみる。 (一般

        • 右四間飛車エルモ 対 四間飛車(木村美濃)仕掛けの部分を研究

          以前、四間飛車の対・右四間飛車エルモをソフト解析してのだが、 そちらは四間飛車が本美濃囲いだった。 右四間飛車が ▲77角などの手待ちで、四間飛車が美濃囲いから組み替えなければならない場合、高美濃囲いにするよりも、 木村美濃に組み替える方がわかりやすい勝負になるのでおススメだ。 理由としては、こちらの飛車に52金が紐ついているので、飛車ぶつけが容易にできるからだ。 高美濃では、金が飛車と離れているので、飛車ぶつけができない。 ということで、右四間飛車エルモ 対 四間飛車(

          米長流急戦矢倉の基本

          西尾明「矢倉の基本」という本を読んで、急戦矢倉の勉強をしたのでそのおさらいとソフト研究をする。 私は急戦矢倉はそんなにできなかったのだが、春日部将棋道場の常連ライバルのおじさんに今度、急戦矢倉を教える約束をしたので、勉強してみた。 先手・金矢倉に対して、後手は米長流急戦を仕掛けるとどうなるか。 基本図 33から左銀を繰り出す。 米長流急戦は、左銀・右桂・角で相手を攻める戦法。 特に77の地点が開いていると効果が抜群にある。 ▽55角と出て、飛車・香両取りの筋が出てくるか

          米長流急戦矢倉の基本

          後手・対振り右玉 対 四間飛車。四間飛車からの超速攻を受けろ

          最近、対振り右玉の本(磯谷祐維 「実戦で学ぶ対振り右玉の勝ち方」)を読んだので、対振り右玉を結構指している。 先手四間飛車に対して対振り右玉をやろうとしたら、先手四間飛車は腰掛銀から超速攻をしてきた。 右玉に組まれる前に、超速攻を仕掛けて攻め潰そうという作戦である。 しかし、本によると、右玉が角道の▽34歩を保留している場合ならば受けきることができるという。 ということで今回は、後手・対振り右玉 対 四間飛車。四間飛車からの超速攻の研究。 後手目線なので先後逆。 ここで

          後手・対振り右玉 対 四間飛車。四間飛車からの超速攻を受けろ

          サザン早繰り銀の研究

          プロ棋戦で「サザン早繰り銀(▽33金型早繰り銀)」があった。 服部慎一郎 六段 vs. 木村一基 九段 第83期順位戦B級2組3回戦(2024-08-07) この戦法は、後手の戦法で、角換わりで先手から手損で角交換をさせることで、▽33金といびつな悪形の自玉になる代わりに、後手ながら先攻できる、という作戦だ。 通常の角換わり早繰り銀と同じく、サザン早繰り銀にも、先手は腰掛銀で応戦するのがセオリー。 先手は早繰り銀に対し、2通りの応戦がある。 1)腰掛銀を急いで、早繰り銀を

          サザン早繰り銀の研究

          角換わり45桂馬速攻をかじってみる

          プロの対局で、久々に<角換わり45桂馬速攻>が出た。 それがこちら 金井恒太 六段 vs. 大平武洋 六段 第18回朝日杯将棋オープン戦 一次予選(2024-07-31) アマチュア居飛車党ではかつて右も左もと猛威をふるった戦法。今でも結構見る。 私は振り飛車党なのだが、たまに角換わり後手を持つとやられて、当然のごとくつぶされるので、悔しい思いをさせられ、この戦法にはいい思いがない。 というわけで、プロの実戦譜とソフトで、この戦法をみていきたい 基本図 攻めの先手は 1

          角換わり45桂馬速攻をかじってみる

          右四間飛車 対 腰掛銀型・四間飛車 の決定版? 藤倉先生の四間飛車の3筋攻めを研究

          右四間飛車エルモ 対 腰掛銀型・四間飛車 の研究記事を前回書いた。 それで、右四間飛車の他の研究動画を見ていたら、 藤倉先生による、右四間飛車・舟囲い 対 腰掛銀型四間飛車の動画を発見。以前1度見たのだが、すっかり忘れてた。 興味深かったので、ソフトによる独自研究もまじえて紹介してみたい。 右四間飛車が先手。基本図 居飛車が舟囲いなので、振り飛車はまだ▽64歩が突いてない。 ▲25桂には、例によって▽22角と引く。 昔は▽24角出が多かったらしいが、ソフトの影響等で引く

          右四間飛車 対 腰掛銀型・四間飛車 の決定版? 藤倉先生の四間飛車の3筋攻めを研究

          右四間飛車エルモ 対 腰掛銀型・四間飛車  仕掛けの部分を研究

          今回は、右四間飛車エルモ 対 腰掛銀型・四間飛車を研究。 覚えるべき急所を解説したい。 43銀型でカウンター主体の四間飛車は以前研究したのだが、 腰掛銀型四間飛車の場合は、どのような変化の違いがあるのかみてみたい。 まずは基本図。四間飛車が後手。 よくある局面だ。 ここで右四間飛車を受ける際の、四間飛車側のポイントを2つ述べたい。 1)▽42飛車の飛車ぶつけを残しておくため、52金を維持する本美濃囲いで戦う。 居飛車が▲77角などで仕掛けを見送り手待ちをしてきた場合、

          右四間飛車エルモ 対 腰掛銀型・四間飛車  仕掛けの部分を研究

          右四間飛車エルモ 対 四間飛車 を最善手ソフト解析

          今回は、四間飛車の対・右四間飛車エルモをソフト解析。 右四間飛車エルモは、振り飛車を指すとトップクラスに当たる戦法なので、ソフトで最善手を探っていきたい。 まずは基本図。四間飛車が後手。先後逆。 右四間飛車エルモが、端桂から▲25桂馬と攻めてきて、▽22角と引き、▲45歩と角道をこじ開けてきた場面。 これは▽同歩とせず、▽24歩と、桂馬を取りに行く。 ▲44歩に、▽同銀。 ここは今まで▽同角としていたのだが、それはソフト的には疑問手のようだ。これからは絶対▽44同銀にす

          右四間飛車エルモ 対 四間飛車 を最善手ソフト解析

          45歩ポン・四間飛車 とその対策

          今回は、「45歩(65歩)ポン・四間飛車」。 四間飛車に急戦を仕掛けようとすると、たまに、あるいは結構な頻度でやられる。 四間飛車側としては、対急戦定跡をわざわざ覚えなくていいのが強みだ。また、B級戦法なので、居飛車側に対策されてないことが多い、というのも利点だろう。 まずはどういう戦法なのか、45歩ポン四間飛車をみていく。 四間飛車が先手で、居飛車目線の先後逆。 居飛車が急戦だなと思ったら、78銀型で、振り飛車から▲45歩として、角交換を迫るのがこの戦法。 ▽77角成、

          45歩ポン・四間飛車 とその対策

          ダイレクト向かい飛車の序盤定跡(例の▲6五角 に、△4二飛と回る)紹介

          2024-04-26 王位戦 斎藤慎太郎 八段 vs. 佐藤天彦 九段 伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦 挑戦者決定リーグ紅組の棋譜並べをしました。 振り飛車に転向した佐藤天彦のダイレクト向かい飛車。 この将棋の序盤がちょっと面白かったので、紹介。よくしらなかったけど、定跡だった模様。 ダイレクト向かい飛車に、▲65角、▽74角合わせ、▲43角成 のよくある進行。というか定跡。 ▲65角打ち周辺の定跡は、下の記事に詳しいので、ここでは割愛する。 ダイレクト向かい飛車をよ

          ダイレクト向かい飛車の序盤定跡(例の▲6五角 に、△4二飛と回る)紹介

          77飛車戦法(無理やり早石田)、「序盤は飛車より角」って言うけど、具体的にどう指すの?

          今回は77飛車戦法(別名:無理やり早石田)。 先手番の戦法で、相手が飛車先を早々に決めてきたときに発動できる。 その名の通り77飛車!と、一見奇異な形で受けるのがこの戦法。 振り飛車は、この見た目変な飛車ポジションから角道オープン型の石田流を目指す。 見た目は変だが結構簡単にできるので、この記事では詳しい組み方は延べない。 詳しくはこちらを参照されたし。 奇襲戦法の基礎知識 ▲7七飛戦法とは さて、気になるのは相手からの▽77角成、角・飛車交換だが、 「序盤は飛車より

          77飛車戦法(無理やり早石田)、「序盤は飛車より角」って言うけど、具体的にどう指すの?

          角換わり棒銀とその受け 「▽54角」編

          『1手ずつ解説する角換わり棒銀』(真田圭一)より、前回に続いて角換わり棒銀定跡。 前回 ※角換わり棒銀とその受け 「端歩受け」編 角換わり棒銀で有名な定跡、▽54角をめぐる攻防をみていく。 後手はやはり、前回と同じく早繰り銀の73銀型だ。 あえて先手の棒銀を▲15銀と出させてから▽54角 と打つのがこの定跡。棒銀の飛車先を角で狙う。 これには▲38角がセットの手。 そして、▽44歩(図)と角の可動域を広げる手もセット。(ただし、ここでのソフト最善は▽22銀だった) ここ

          角換わり棒銀とその受け 「▽54角」編

          角換わり棒銀とその受け 「端歩受け」編

          『1手ずつ解説する角換わり棒銀』(真田圭一)を読んだので、今回は角換わり棒銀定跡。 先手が棒銀。そして後手は、棒銀に有効とされる早繰り銀でいく。角換わりじゃんけん(3すくみ)で有名。 「棒銀には早繰り銀」と十回唱えて覚えたい。 対・腰掛銀や対・棒銀は、ここでは触れない。 角換わり棒銀の定跡は、いろんな定跡書やサイトにあって、今さらな気もするので、ゆるく解説していきたい。 端歩受け定跡 後手が端歩を受けて、先手の棒銀の進軍を防いだところ。 先手は端から攻めることになるのだが

          角換わり棒銀とその受け 「端歩受け」編