![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/161125204/rectangle_large_type_2_ff5ba09d244d1bbbf5950eb7aba34449.jpeg?width=1200)
繊細さんのアメリカ留学
自分の特質に名前があるのを知ったのは、
息子の場面緘黙症と社会不安障害を調べている時でした。
リサーチの中で、Highly sensitive person という言葉を目にした時に、
それが心理学にも脳科学的にも証明されている特質だと知りました。
日本では「繊細さん」という本がベストセラーになっていて、これもHSPの本だと後から知りました。
私はある程度自分の特質に気づいていましたし、それが不利になることはあまりありませんでした。周りにとても恵まれたと思います。
繊細さんといっても一括りにはできず、様々なケースがありますが、
この特質は私のアメリカ留学にはとても役に立ったと思いますし、留学したおかげでその特質に囚われることなく、自分の生き方を見つけることができたのだと思います。
それはなぜか?
細かいエピソードなどは色々ありますが、大きく分けて3つのことが私には当てはまりました。
留学中の経験や学びを通して自分の意見を(ある程度)主張できるようになった
留学・就職を経て、夢を実現する成功体験を得ることができた
色んな人種や文化を持つ人と関わることで自分を理解することができた
① 留学中の経験や学びを通して自分の意見を(ある程度)主張できるようになった
繊細であることは、日本では好かれるタイプに入るのそうですが、欧米では繊細であることよりも社交的である方が人気だそうです。多分、皆さんも想像できると思います。映画の『Mean Girls』でもわかるように、人気のヒエラルキーはとてもはっきりしています。おとなしくて可愛い子がモテる描写はアメリカの映画やドラマには出てきません。なので、自分を知ってもらうため、興味を持ってもらうには少なからず自分の意見を主張することが大切です。留学中ではエッセイで、自分の意見をはっきり主張することを学びました。それに、英語自体が日本語のような曖昧な言い回しは少なく、Yes か No がはっきりする表現が日常的にも多いような気がします。行間を読む、空気を読む作業はありません。全て大事なことは文章にして契約する。お互いの共通言語で、しっかりとした契約書がないとビジネスが成り立ちません。仕事のメールも簡潔でドライです。クライアント相手でも、プロフェッショナルではあるが、周りくどい言い回しや前置きはありません。そのため、自分の思考をまとめる能力とそれを伝える能力が備わったと思います。
② 留学・就職を経て、夢を実現する成功体験を得ることができた
夢や目標が自分の努力の成果で実現したときの嬉しさは一生物の財産だと思います。私は夢があったことでとても救われました。なんでも慎重に考えるタイプですし、必ず最悪の事態を考えながら行動するのですが、夢に対する情熱は誰よりもあったかもしれません。単独行動が苦にならないタイプ(多分HSPの人は単独行動の方が好きかもしれません)だったので、知り合いのいないアメリカに行くこともなんとも思ってなかったように思います。私は勉強をそつなくこなせるタイプではありません。日本にいたら埋もれて、きっと自分のこともしっかりと理解できないまま成長していたかもしれません。アメリカでは内向的で付き合いの悪い人と思われることもあったと思いますが、それをダメだと指摘する人はおらず、むしろ個性として受け止めて付き合ってくれた友人が多かったです。人それぞれ、自由だからこそ自己責任という奔放な環境が良かったのだと思います。もちろん、アメリカ留学は大変なことも多いです。HSPの本の中で、HSPは慢性的なアレルギーを持つ人が多いと書かれています。私も子供の時からアトピーや鼻炎に悩まされ、アメリカ留学中にとんでもないアレルギー反応のおかげで、学期の成績全教科が I ( imcomplete 学期の課題や試験を修了できない)となったこともあります。なので、HSPの人はアメリカ留学に向いているとオススメする気はいっさいありません。アメリカ留学はHSPでもそうでなくても大変です。ただ、HSPの特質を持っていてもアメリカで結果を残すことはできるというのは声を大にして言いたいです。
③ 色んな人種や文化を持つ人と関わることで自分を理解することができた
アメリカで過ごす中で、自分が他人と違うということを意識したことはあまりありません。育った環境や主言語、宗教が違う人たちの中で、これが「普通」と定まったものがなかったからかもしれません。たくさんの人と関わることで、いろんな価値観があるということ、正解はないということに気づかされました。なので、他人と違うことことより、自分のやりたいこと、自分にできることを中心に考えながら過ごしてきました。周りがやっているからというプレッシャーで行動することもなかったです。大学では将来の目標を持ち、専攻の分野でしっかり勉強し、卒業後の進路を明言できる人が多かったです。なので、自分が他人と違うから悩む、周りの期待に応えるために無理をするというふうにはなりませんでした。もちろん、周りと合わせることが大事な時もありますし、社会のルールもあります。自分軸を持つことと、自分勝手に振る舞うということは全く別です。日本の学生がエントリーシートを書くときにやる自己分析を、アメリカ人は早い段階(大学生になる前)で考えている人が多いのかなという印象です。そんな人たちに囲まれていたので、自然と私も自己分析ができていたのかもしれません。そして、その道がある程度見えてきたら、あとは努力するだけです。とてもシンプルだけど、とても大切なことだったと今でも思います。成長している時は自分が成長しているとは気づけないのですが、振り返ってみると、アメリカ留学の4年間はこれまでの人生の中で自分が本当に成長できた期間だと思います。
HSPは繊細で、感受性が高く
思い詰めたり、人の表情の変化にとても敏感です。
ただ、そんな人たちがいるからうまくいっていることも多いはずです。
私はHSPの人たちに感謝しています。
誰かのことを思って行動ができる。
人のムードに気づいて、先回りしてフォローができる。
そんな人たちがいるから、この殺伐した世の中でも
少しだけ居心地がいいのです。
だから、ありがとう。