和田はつ子さんの作品です。若くして未亡人になってしまった庄屋の奥さんから見た藩医の涼庵のお話です。
時代物は初の作品だそうですが、全くそうとは思えないくらい完成されています。初めてと、あとがきに書いてあるのが信じられません。
悪いのは人ではなくて、仕方がなかったものや、少し強くなれなくて踏ん張りきれなかった弱さなどで。皆が皆、天使のように生きられるわけではありません。
正義の矛を振り回すのは簡単ですけど、自分に当ててしまったり、矛を影で支えてくれる人がいることを忘れてはいけないと思うのです。
#わたしの本棚