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自発的に動くスタッフを育てる方法

こんにちは。小規模サロン経営塾の大塚明恵です。

サロン経営において「スタッフが自発的に動かない」という課題に直面しているオーナーは少なくありません。常に指示を待つスタッフがいると、業務効率やサロンの雰囲気に大きな影響が出てしまいます。では、この問題に対してどのようにアプローチすればよいのでしょうか。

指示待ちスタッフの本質を理解する

指示待ちスタッフには大きく分けて2つのタイプが存在します。一つは「どうしていいかわからない」タイプ、もう一つは「それ以上やりたくない」タイプです。現場では前者が圧倒的に多く、この「どうしていいかわからない」という状態は比較的解決しやすい問題です。やるべきことや可能な行動を明確に示すことで、スタッフが自ら行動するようになります。

期待値の明確化とコミュニケーション

スタッフが自発的に動けない大きな理由の一つは、何を期待されているのかが不明確である点です。サロンオーナーは、具体的にどのような行動や成果を期待しているのか、サロンとしてどの方向を目指しているのかを明確に伝える必要があります。
また、新入社員とベテランでは求められる役割が異なるため、個々のスタッフが何を目指しているのかをしっかり聞き取り、その目標をサロンの目標とすり合わせることが重要です。

具体的な目標設定とフィードバック

スタッフの成長を促すには、段階的な目標設定が有効です。例えば1週間、1ヶ月、半年、1年など、様々な時間軸で目標を設定することで、スタッフは着実に成長を実感できます。
目標は個々のスタッフに合わせ、具体的な内容にします。「お客様に喜ばれる人材になる」など漠然としたものではなく、具体的に何が不足しているかを明確にし、それを克服するための明確な目標を立てましょう。さらに、定期的なフィードバックを通じて進捗を確認し、必要に応じて軌道修正を行います。この継続的なプロセスが、スタッフの自発的な成長を支える基盤となります。

メンタルブロックの解消と強みの発見

スタッフの能力発揮を妨げているのは、しばしば心理的な壁です。「できて当たり前」というプレッシャーや失敗への恐れ、評価に対する不安などが行動を制限している可能性があります。定期的な面談を通じて、これらのメンタルブロックを解消していくことが重要です。
また、各スタッフの強みを認識し、伸ばしていくことも欠かせません。例えばデザインが得意な人、技術が得意な人、接客が上手な人など、それぞれの強みを活かすことで、彼らの自信とモチベーションが向上します。

モチベーション低下の背景を理解する

スタッフのやる気が感じられない場合、その背景には必ず理由があります。例えば、先輩の指導が厳しすぎる、または希望していない業務を任されているなどです。こうした状況に対しては、サロンオーナーが適切な目標設定を行い、スタッフに明確な方向性を示すことが重要です。
ただし、モチベーションの本質は内発的な動機にあります。スタッフが「やりたい」と思える環境を整えることが最も効果的なアプローチです。したがって、スタッフの個人的な目標とサロンの目標を擦り合わせる作業が必要です。

効率的な育成システムの構築

多忙なサロンオーナーにとって、スタッフ育成に十分な時間を割くことは容易ではありません。しかし、育成を疎かにすることは避けるべきです。効率的な育成システムを構築することで、この課題に対応できます。
例えば、基本的なマニュアルの作成や、スタッフをチームに分け、リーダーに育成の責任を持たせる方法があります。弊社サロンでは、3つのチームに分け、それぞれのリーダーが育成を担当する体制を取り入れ、効果的な育成が実現しています。美容サロンのように人間関係や感情面が重要な環境では、上司1人が管理できる人数は5〜7人が理想であり限界と言われています。小規模サロンであれば1チームあたり3〜7人が目安ですが、上司の管理能力やサロンの規模に応じて柔軟に調整することが大切です。

達成感を共有する文化づくり

スタッフの自発性を育むためには、成果を認め合う文化が不可欠です。売上の達成やお客様からの感謝の声など、成功体験をチーム全体で共有することでスタッフの意欲は高まります。以下の方法が、当サロンで効果的だった方法です。ご参考までに。

・サクセスミーティングの導入:朝礼や終礼など、全員が集まるミーティングで成功体験を共有します。売上の達成やお客様からのフィードバックを話し合うことで、自然とお互いを認め合う文化が醸成されます。
・感謝ボードや褒めシートの設置:スタッフ同士で感謝の言葉や称賛を日頃から書き込めるボードやシートを設置します。ポジティブなフィードバックはスタッフの自信とやりがいに繋がり、チーム全体のモチベーションを高めます。

◇まとめ◇

スタッフの自発性を引き出すには、明確な目標設定やフィードバック、感謝の文化が不可欠です。上司の管理能力に応じたチーム編成を行い、効果的な育成システムを構築することが重要です。これにより、スタッフ全員が成長し、サロンの成功に貢献できる環境が整います。

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