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再生不良性貧血になった大学生(3)
はじめに
造血幹細胞移植を行なって6日目、体調が少し安定した日がようやく出来たので、日記を書き進めようと思います。前回までで、治療の内容や流れは書き切ったので、今回からは実体験ベースで書いていきます。
前処置(抗がん剤治療)
わたしの場合は、移植の前処置として2ステップの抗がん剤治療がありました。特に2ステップ目は、かなり強い抗がん剤だったので、体調が悪化することが予想されていましたが、案の定、そこから体調が悪化していきました。個人的に1番きつかったのは、常にまとわりつく吐き気です。同時に食欲不振も起こり、それまで平気で食べられていた病院食が全く食べられないか、よくてフルーツ類しか食べられない状態になりました。また、一気に点滴の量・内服薬の量も増えたため、それもかなりストレスでした。
前処置(放射線治療)
抗がん剤治療の後は、放射線治療が待ち構えていましたが、これもかなり辛かったです。すでに悪かった体調がさらに悪化し、その日から不眠気味になりました。吐き気がさらに増したのと、この日から下痢がひどくなりました。特に1回目の放射線照射の後は、熱と吐き気が同時に襲ってきたため、体調的にも精神的にも辛かったです。2ステップ目の抗がん剤治療〜放射線治療の5日間に体重は約4キロ減少し、目に見えて衰えていきました。
移植当日
移植自体は、点滴で造血幹細胞を投与するだけでしたが、それを保存する液体による投与時の不快感(喉の静脈から投与するので、磯臭さとイガイガ感)とアレルギー反応が出るようです。わたしの場合は、体調不良も相まって移植時に嘔吐してしまいましたが、無事に移植自体は終えることができました。個人的には、移植前後合わせて数日間で5回程度嘔吐してしまったことが、次いつ嘔吐してしまうか分からないという不安に駆られて、精神的にかなり辛かったです。
移植後の抗がん剤
移植を行った後も、抗がん剤・放射線による吐き気・倦怠感によってベッドでぐったり1日を過ごす日が何日か続きました。移植後3〜4日目あたりのようやく少し落ち着いてきたかなというタイミングで、大量の抗がん剤を投与したため、その後も吐き気・倦怠感が続くことになりました。唯一幸いだったのは、この抗がん剤・放射線による体調不良の間に感染症による発熱・移植後の免疫反応による発熱が起こらなかったことです。1日中ぐったりとベッドで過ごす日が続いた(体調不良でスマホを見るのすら辛かったので、言葉の通りずっと寝たきりでした)ので、1日1日が非常に長く感じられ、生着までの2週間が永遠に来ないのではないかと錯覚するほどでした。
その後の経過
この記事を執筆時点(移植後6日目)では、体調的にはかなり回復し、スマホでYouTubeを見て時間を潰せるくらいにはなりました。相変わらず若干の吐き気は常にありますが、それにもある程度慣れましたし、食事も毎食フルーツくらいなら食べられるようになりました。ここまでの経過を振り返ると、移植後の発熱が1回も起こっていないので、自分は非常にラッキーな方だなと思いました。それでもかなり辛かった経験をしたので、それだけ重い治療なんだなと感じました。また、これだけ重い治療を経たとしても、長期生存できるかどうかは保証されないので、それもまた血液の病気の辛いところです。
おわりに
今回は、これまで体調不良で書けなかった分の体験を書き留めておく程度の気持ちで執筆を行いました。生着まであと1週間程度でまだまだ長い道のりですし、その間も感染症のリスクと常に隣り合わせにある状態なので、油断せずに治療を乗り切りたいと思います。