『学習する組織』の解説note、始めます。
コラボで、「学習する組織」について解説するnoteを始めました。私が、どうにも書く時間を取ることができずに、2年間くらいずうっとくらい悩んでいたら、「自分でできないことは、人にやってもらったらいいんだよ」と、救いの声が降りてきました。
そして、記念の第1号記事がこちら。
さてさて、愉快なことに。誰かにこうやってアウトプットしてもらうと、さらに何か思考が動き始めるのが人間です(過度の一般化)。ちょっと補足で書いてみます。
まず、このノートに書いてある前半「学習」のポイントは、こんな感じです。
〇 学習とは、私たちにとって意義あることができる力(キャパシティ)を高めていくプロセスである
〇 学習は、ビジョン(望むもの、望む状態)によって起こる。
〇 学習する方法は、実践(プラクティス)である。
これらの指摘は、いくつかの大切な示唆を与えてくれます。
大切なことは、実践し続けること
はじめに、本当に大切なことは、半日の1日間の研修や3日間のワークショップで、学ぶことができないということ。自らの経験を振り返れば、とても当たり前ですよね。
研修やワークショップ、そして良い書籍を読むことは、何かをやってみようという気持ちを生んだり、実践を始めるきっかけになったり、実践のためのツールを使ってみるには、とても効果的な方法です。しかし、私たちが経験から知っていることです。学習はそこだけに留まるものではなく、ずっと続くプロセスです。(それにもかかわらず、コースに参加すれば~できるようになるという誤解をしてしまうとすれば、どうしてなのでしょう?)
アタマでの理解と、学習にまつわる誤解
もう1つ、大切なことがあります。アタマで理解できることと、何かができるようになる(何かを学ぶ)ことは、別物であるという、これまた当たり前のことです。
私たちが気を付けなければならない学習についての誤解は、「まずアタマでの理解があって、そのあと実際にできるようになる」というものです。少し注意を向けて現実を現実を見れば、これが幻想だと気付くことができます。
たとえば、みなさんの中に、「靴ひもの結び方」を知っている人はどれだけいるでしょうか? また、「自転車の乗り方」だったらどうでしょう? もし、知っているならば、5歳児に説明してみてください。多くの人が、少し困ってしまいませんか?
これは、私たちがアタマで理解していること以上に、とてもたくさんのことを知っていることを表しています。アタマで理解できないことを、私たちはとても多くのことを学習してきているのです。(右手の人差し指を、アタマのてっぺんに当ててください。その方法を、あなたはアタマで理解しているでしょうか?)
知っているとは、どういうこと?
さらに言えば、靴ひもの結び方を「知っている」とは、どういうことでしょう? すべてのひもの動きを理解して、記憶していることでしょうか? 自転車に乗り方を知っているとは、加速度の計算やエネルギーの法則、ギアやブレーキの構造、倒れないようにバランスを取る身体力学を理解していることでしょうか?
・・・違いますよね? (笑
私たちにとって、何かを学ぶこと、何かを知ることとは、私たちの願う状態を実現する力を高めていくことです。これは、アタマの理解とは別物であり、現実的に言って、必ずしも理解を必要としないわけです。
次のブログで、センゲはさらに語ります。「ナレッジ(知っている)」とは、効果的なアクションを取る力であり、学習とは、ナレッジを向上していくプロセスです。
ここで書いていることは、単なる言葉遊びではありません。私たちの現実を見てみれば、私たちは、実際に多くのことを学習し、ナレッジを育み続けてきています。
繰り返しになりますが、『学習する組織』における学習とは、アタマの理解を増やすことではなく、何かを望み、やってみて、その力を付けていくことです。大切なのは、そんな学習が起きる土壌を育んでいくことです。
システム思考や自己マスタリーをはじめ、学習する組織に出てくるいろいろな概念が「分からない」と相談をいただくことがあります。ここでの「分からない」とは、多くの場合、「アタマで理解できない」という意味だと、私は思っています。そして、決まってお返事します。「じゃあ、ワークをやってみましょうか」と。
(ちなみに、起きていること・観察できることをベースに仮説を生み出し、モデルを作って実験を通じて検証するのが、サイエンスにおける知識創造のプロセスだと思っています。「理解」は、こうやって後からやってくるのではないかと思います)
最後に、私のおしゃべりを元に記事を書いてくれた建石さんはこんな人です。これからよろしくお願いします。
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