心理学的にみたオケさんのチーム作り
イタリア遠征がチームボンディングになる
イタリア遠征はキングスにとって初のイタリアリーグ参加、イタリアリーグにとっても初のアジアチーム招待というどちらにとっても歴史的なイベントでした。でもそれよりもなによりも、公式SNSや先週コーチ陣がシェアーしてくれた写真からチームの雰囲気の良さが伝わってきて安心した人も少なくないと思います。では何故チームの雰囲気がいいと安心するのか。選手コーチ陣が仲良しだと強いチームとは必ずしもならないのに、たくさんの人が安心していたその理由を心理学的に考察します。
Bonding とBuildingは何が違う?
Bonding とは
オケさんが言っていた Team bonding (チームボンディング)はチーム作りに欠かせない重要な要素です。
まず”Bonding”とは、信頼関係の構築です。物と物をくっつける商品「ボンド」と同じ単語です。親子や家族、恋愛関係、友情関係、同僚やクラスメイトなど、いろいろな人間関係において感情や思い、興味、経験を共にし、強い信頼関係を作っていくプロセスの事です。
例えばキングスの試合を一緒に見に行ってその後試合についてご飯を食べながら試合や好きな選手について話す行為が正にBondingです。
この関係はたんなる「好き」ではなく、信頼をベースにお互いに協力して作っていくものです。この関係は、1対1の関係、グループ、ペットと飼い主など多岐に渡って構築することができます。
Building とは
似た言葉で ”Team building(チームビルディング)” がありますが、これは目標に向かって効率よく取り組むチームをつくるという意味です。
取り組む内容の意義を全員で理解し、新しいスキルを一緒に学びながら、モチベーションや協力体制を作り上げていくプロセスの事です。
必ずしも相手と共感する必要はありません。ビジネスライクと言えば冷たくも感じますが、仲良くなる事が目的ではなく、目標を協力して達成するチーム作りに重きを置いています。
2つのアプローチ方法から作り上げるチーム
Team building と対比して”Team bonding”は楽しい経験を共にしチーム内の人間関係を強化していくプロセスになります。大きな違いは、チームボンディングはみんなで楽しんでその時の楽しい!という感情を共有する経験が信頼関係の元になっているという所です。
楽しい経験とやるべきタスクの両方からアプローチする事で強力なチームが作られます。
Rapport -より強固な人間関係の構築
もう少し踏み込むと、心理学的にもっと深い人間関係に”Rapport (ラポール)”があります。これはお互いに深く理解し合い、信頼し合う、強い人間関係の事です。
相手の悩みを聞いたりアドバイスをする時に、まずラポールを形成する事がとても大切です。相手が自分の事を理解している、気にかけてくれている、心配してくれている、自分の成功や幸せを願っていると心から感じる事ができる人間関係が、なんでも言い合える話し合える環境をつくります。
例えば、上司と部下、先輩後輩、親子関係、教師と生徒などのように立場だけを利用して相手にわからせようとすると本当の意味での理解は難しくなります。
どんな人間関係もまずラポールの形成が共に目標に向かって取り組む時に大切になります。
またこの人間関係は相互努力が必要なので、立場や地位は効力がなく、ひとりの人間として相手に向き合う事が必要になります。
心理学的にみたオケさんのチーム作り
心理学を学んできた私がおけさんが来てからのキングスというチームを見る時はいつも
オケさんは人間の心理をとても大切にしてるな
と心の底から思います。
オケさんがどこまで意識しているかわかりませんが、心理学の理論をこんなに上手く実践している事にいつも感銘を受けています。
おけさんの言葉が選手のインタビューからも出てきた時に、キングスのチーム力が強いと実感させられます。オケさんはチーム全員が同じ目標を持ち、それを達成するプロセスを同じように理解し、同じマインドを持って一人ひとりが自分のやるべき事に取り組めるように細かくサポートしているんだろうなと思います。
そんなオケさんだからこそ、毎シーズン強烈な個性の集まりをここまで同じ方向に向かせてチームとしての目標を達成する集団にする事ができるのでしょう。
オケさんから学びたいというコーチや選手が後をたたないのも納得ですよね。
オケさんかっこよすぎです!
イタリアで買った帽子、沖縄でもかぶっている写真見たいですね!