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映画「人」金沢初上陸の日!

素晴らしい一日だった。
念願の映画「人」を観られたからだ。
しかも出演されている田中美里さんの故郷、すなわち私の故郷でもある金沢で。

会場は最近出来たばかりで話題になっている石川県立図書館。どんなところかワクワクしながら冬に逆戻りしたかのような寒さと雨の中向かった。(北陸らしくて実は好きな天気でもある)

自動ドアが開くと新しい木のいい匂いがマスク越しでも伝わる。
はたしてこの入口はどこだろうか。
事前に調べておいたがやはり迷ってしまった。
素敵な空間はまるでラビリンス。
目的地は一階のだんだん広場だ。

開場の14:00を少し過ぎてなんとかたどり着いたのだが既に会場は観客で埋まっていた。
売切れていたらどうしようとあたふたしながら受付へ急ぐ。
ギリギリセーフ。
当日券をなんとか購入。
席も確保し安心したら次はお手洗いへ行きたくなった。(なんとも忙しない)
半券を握りだんだん広場を出る。
そう、ここはラビリンス。
その姿は挙動不審もいいところである。
用を足しまた会場へ戻る道も方向がわからず挙動不審。
私はとてつもない方向音痴なのである。
はじめての場所は文字通り手探り。
何度も言うがここは図書館という名のラビリンス。迷宮なのである。


       14:30開演



映画上映前に山口監督と田中美里さんが登壇されオープニングトークがはじまった。
山口監督もとてもお話が丁寧でそのお人柄が伝わってくる。きっとあたたかな現場だったのだろうなとうんうん頷いていた。
それにしてもなんて豪華な時間だろう。
外は桜も身をすぼめる寒さなのに、だんだん広場は春の庭園である。パラダイスである。
そんなのんびりな時間はあっという間に過ぎ、次第に館内が暗くなっていく。
上映の時がきた。
ずーっと待ち続けていた映画「人」がはじまった。


   世界で一番凝縮された40分



ネタバレの次元ではない。
何にも触れられない。

40分間の1秒なのか
1秒間の40分なのか

きっとどちらもなのであろう。
ひとつのシーンに触れればもうシャボン玉が割れるような感覚なのだ。
こればかりは観てくださいとしか言えないのである。

脚本が完璧でした。
会話が完璧なんです。
言葉の選択が完璧なんです。
もうそれ以外考えられないくらいに完璧なんです。
そして一度じゃ足りないんです。
何度も観たいんです。観たくなるんです。

私は全てが終わってもまだ席を離れられませんでした。
明るくなっただんだん広場で余韻に浸り呆然としていました。
観客の方々がもうほとんど退出した頃ようやく腰を上げ階段をおりました。

それがまた奇跡を招くことになるのでした。


今書けることはここまでです。
出逢えて良かったと思える映画は絶え間なく打ち寄せる海の波の一粒の泡のようなものなのかもしれません。
どの波ひとつとっても同じものはなく、その波の無数の泡のほんの一粒ほどの確率でめぐり逢える奇跡のようなもの。
映画「人」は間違いなくその一粒の泡でした。
しばらくは体がこの感動を忘れないでしょう。

一人でも多くの方に観ていただきたいと、そして私もまた何度も観たいと…そう渇望しています。

映画「人」に携わった方々へ
素晴らしい映画をありがとうございました。





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