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【エッセイ】カレーが繋ぐ黄色い糸

今日(2023/06/03)は映画「スパイスより愛を込めて。」の石川県での舞台挨拶の日だった。

金沢出身の田中美里さんが登壇されるのでぜひとも伺いたかったのだが残念ながら行くこと叶わず…。

きっと素晴らしい時間が館内を流れたであろう。





本映画の舞台が金沢とあって、郷土愛の深い田中美里さんにつづくように私も推していきたい所存であるが、ふと思ったことがあった。

いまや全国区となった「金沢カレー」というワード。
一体いつ頃から「金沢カレー」と呼ばれ広まりだしたのだろう。

私が高校生の頃はそんなに金沢とカレーが結びつく世界軸にはいなかった記憶である。

私も好きでよく食べに行っていた地元のカレー屋さんのカレーライスも昔から銀の皿にドロっとした濃厚なカレールーがかかっていて、そこにキャベツの千切りが乗せられていた。余裕のある日は豚カツも乗っけて食べていた。水がキンキンに冷えていて樽のグラスでぐいぐい飲んだ。濃い目のカレーによく合うのだ。
そんな青春の1ページにカレーはあった。

時を経て「金沢カレー」として全国区になり映画化までされる時代になった。

そして私にもカレーで繋がる不思議な縁があった。



ツイッターで仲良くさせていただいている俳優の新村享也さんは「ドラえもん」と「BUMP OF CHICKEN」と「カレー」が大好きなのである。

新村さんは愛知県の出身だが、縁あって石川県に住んでいた時期があった。そんなわけで新村さんとはなぜか(勝手に)同郷の親しみを感じているのだ。

私も以前愛知県に住んでいた時期があり、新村さんの出身地と偶然にも交差する点があった。
私が住んでいたのは岡崎市という名古屋より東にあるとても住みやすい街だった。
金沢とどこか雰囲気が似ていた。

岡崎は徳川家康で有名だが、多くの芸能人の出身地でもあった。

俳優の平泉成さん。
お笑い芸人の天野ひろゆきさん(キャイ~ン)
元日本テレビアナウンサーの青木源太さん。
現TBSアナウンサーの山本匠晃さん。
他にもスポーツ選手など多数おられるのだが、アナウンサーの青木源太さんと山本匠晃さんは岡崎高等学校の先輩後輩にあたる。しかも一年違い。ちなみに青木源太さんと私は同学年にあたる。
なんとも日本は広いようで狭かったりする。

私が住んでいた頃の岡崎の街のあの風景も国道沿いの景観も眺めていたのだろうか。

これは私の出身地ではない土地での郷愁である。
少し解釈の違う室生犀星の小景異情である。

彼らの故郷。
私の故郷。
それぞれに思うものあり…。

そしてカレーは私の大切な作品の初朗読にも黄色い糸を木の根のように伸ばしていたのだった。

その時は気づかなくても後々に振り返った時、そうだったんだと驚かされることが不思議な縁というもの。
香辛料は輝く星の粒。
星と星を繋ぎいつかは星座になる。
自分だけの神話は誰にでもあるのかもしれない。

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