【思い出】梶芽衣子さんへの詩
映画「修羅雪姫」をはじめて観た時から僕は【梶芽衣子】という沼にはまっていった。
もがきはしません。
目を閉じてスーッと静かにはまっていきたい。
もっと深くに沈んでみたいと思った。
それほどここちのよい沼だった。
その想いの熱量は今も変わってはいない。
今から5年程前。
僕にある吉報が届いた。
「歌うことが今はとても楽しい」と梶さん。
これからは【歌手・梶芽衣子】の活動に力を入れていきたいと…
梶さんは久々の新曲をリリースした。
凛として美しい歌声に僕の【梶沼】がざわめいた。
この感激をお伝えしたい。
はじめて【梶沼】にはまったあの日からの想いを。
言葉で梶さんにお伝えしたいと手紙をしたためた。
便箋で何枚も。
そして梶さんをイメージして書いた詩を同封して送った。
それで心は落ち着いた。
手紙を書いてすっきりした。
そしてまた日常に戻っていった。
三週間は経っていなかったと思う。
ハガキが一枚届いた。
梶芽衣子さんからだった。
驚きの針が振りきれ、時も体も思考も固まって声も出なかった。
全くもって御返事など予想もしていなかったからである。
ペンでびっしりと直筆で御返事くださっていた。
最後に判子が押されていた。
ありがたくて、ありがたくて、泣いた。
嬉しくて泣いた。
梶さんだから代筆などありえない。
梶さんが好きな人ならわかってもらえると思う。
これは紛れもなく梶芽衣子さんご本人だ。
女囚さそりの松島ナミだ。
修羅雪姫の鹿島雪だ。
鬼平犯科帳のおまさだ。
ハガキには石川県には修羅雪姫の撮影で伺ったということや、僕が書いた詩への感想やアドバイスなどもしたためてくださっていた。
余すことなくそれらの言葉を胸に刻み僕は今、詩を書いています。
感謝しかありません。
舞い上がってしまった僕は身の程もわきまえず再び手紙と詩を送りました。
返事はもちろんあるわけもなく、それでもまた送りました。
それだけ一度の御返事が嬉しすぎて基本的な節度ある礼儀の感覚が麻痺していたのだと思います。
これは今でも申し訳なく思っていることで事務所の方にもご迷惑をかけてしまったと反省しています。
この場を借りて改めてお詫び申し上げます。
そして梶さんからいただいた貴重なアドバイスを糧に書きつづけた詩を梶さんに認めてもらえるよう精進して参ります。(懲りない山羊です)