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3つの心得で、グローバル環境を乗り切る


海外生活は学びが多く、自分が決めた決断を後悔したことはありません。ただ、楽しさと辛さの差が大きく感じることが多くあります。

できれば、自分が感じるストレスを軽減させて過ごしたい。そう思い立ってから失敗と工夫を繰り返し、今私が日頃気をつけている事につながっています。

思い返せば、最初の挫折はCAでマネジメント業務を始めた時。海外ベースのCAを含めて安全や品質を管理する事に非常に難しさを感じたのがきっかけです。その当時は自分も視野や考え方が狭く、本当に自分の視点でしか物事を見れていませんでした。

そこから、中国・タイ・欧州など各国CAとの業務経験と、スペイン留学でのマイノリティ生活、メキシコでの就業を経て自分の考え方が固まったので、共有をしたいと思います。

今、海外での生活に対して少しでも辛さを感じている人や、これから海外生活を検討している人、また日本でも多国籍や異文化な環境にいらっしゃる方へ何か少しでもお役に立てることがあれば幸いです。

海外で生きる 3つの心得

1:敬意を持って接する

目は口ほどに物を言うとはよく言ったもので、言葉よりも態度が大事だと思っています。

CAとして働いているときに、複数の海外CAから相談を受けたことがありました。「あの人って私に対して態度ひどくない」「私のこと避けてるのかな?」とそう言った類の内容でした。
日本人の私からすると、英語で話すのが少し抵抗があってそういう態度に見えるんだろうと感じたので説明をしましたが、少なからず「抵抗感」というネガティブな態度はマイナスにしか伝わらないんだなと痛感させられました。

海外生活や旅先でも、「じゃっぷ」や「チャイナ〜」と叫ばれるのは、もちろんいい気はしませんが、直接的じゃなくてもちょっとした態度で、『あぁ。私がアジア人だから嫌なんだろうな。』と思う経験は多数あります。
そこに悪意があるのか、ただのネガティブなイメージなのかは分かりませんが、言葉で言われなくてもマイナス感情を感じることが多いです。

特に、マイノリティな環境だと『自分は異質』という思いがどこかにあるからなのか、国外で生活している友人(欧米・アジア各国)も同じような経験をしていて、飲むときにはあるあるネタで議論が盛り上がります。
決して○○国籍が繊細だからとかではなく、やっぱり同じ人間だから相手の気持ちは言葉がなくても読み取れるんだなと学んだ経験でした。

もちろん、敬意を示そうと心がけていても相手に対して『え?』って思うことはあります。
そういう時は『自分の常識は他人の非常識』だと言うことを念頭に置いて、客観的に状況を観察するようにしています。

常日頃、意識していることは以下の3つです。

  • 客観的に思考する

  • 相手のいいところを探す

  • 自分の感情と切り離す

2:歴史・文化を知る

言語学習などの直接コミュニケーションはもちろん重要だと思っていますが、言葉を学ぶよりも優先すべきだと個人的に思っています。

「意見の伝え方」「ルーティンワーク」など、文化を知るだけでも相手の言動や感情がロジックで理解しやすくなります。

仕事に対する姿勢も、背景を知ってから労働環境が私とは違うと理解できるようになりましたし、母国や家族に対する想いも納得できるようになりました。

日本人の家族関係については、よく会話でもテーマになるのでそれぞれの国事情を知っておくと話題にもしやすいです。

私の場合は、18歳の時に一人暮らしを始めているので、家族とは必要な時やたまに連絡を取る程度です。それでも仲良くやっているので、友人に話すときは「便りがないことが良い便り」の考え方を話したりしています。

コミュニケーション方法で言うと、メキシコでは【挨拶→軽い雑談→本題】が一般的なので、できるだけその形を取るようにしています。この慣習をしらないと、『挨拶もなしに要件だけ話してきた!』と不快な気持ちにさせてしまいかねません。(もちろん相手が日本人の仕事のやり方を理解していたら、そんな心配はありませんが。)この流れで話せない時には「ごめん、急いでるから要件だけ話すね」と、ワンクッションを置くようにしています。

お互いの性格を理解し合えるようになったら、ある程度自由には話していますが、初めは相手を知ることが大事です。

日頃の意識は

  • 歴史や文化がわかる情報を見つける(YouTubeやPodcast、ネットなど)

  • 自分の価値観だけで判断していないか自問自答する

  • 相手の立場になって考える



3:軽い雑談をする

相手を知ったら、自分についても知ってもらう。
そんなきっかけになりやすいのが雑談です。

日本人にはあまりない習慣だと思いますが、私は3つ心得の中で1番大事にしています。言語が話せなくても、相手に向かっていくことが大切です。

これは英語もスペイン語も簡単な会話程度しか話せないときに、語学練習のつもりで始めた習慣でした。もともとは、会話のリズムを掴みたいというモチベーションでしたが、続けていくうちに違う効果を感じ始めました。

話したいという気持ちが伝わったのか、少しずつ相手との距離が縮まっていくのを実感できるようになったんです。もちろん長くコミュニケーションが続かないことも、相手ばかり話していることもあります。それでも、距離が縮まると、相手も私の考えを理解してくれるようになっていくのを肌で感じることができるようになりました。

雑談のテーマはとてもベタな内容でいいと思います。

「今日天気いいね」「昨日より寒いね」
「週末何してたの?」「普段何してるの?」

CA時代は"How was your stay?" "Did you get a good sleep?"とか。そんな形で、ちょっと仕事前に話しておくだけで、その後の業務がスムーズに運びました。

考えてみれば同じ日本人でも、用事があるときだけ話しかけてくる人に親近感は湧かないし、普段気にもしてこない相手を助けてあげたいと思うのは難しいですよね。国籍が違うからといってあまり構えずに、普段のコミュニケーションを取るつもりで話すことが大切だと思っています。

普段の心がけは

  • 語学スキルや、話せないことを心配しすぎない

  • いつでも話せるように、話題をちょっとだけ準備しておく

  • 拒否されても、気にしすぎない

3つの中で一番相手に左右されるので、しんどいと感じることも多々あると思います。それでも、あまり気にしすぎず続けてみてください。少しずつ周りの反応が変わってくるのが実感できると思います。

ただ、合わない人とは合わないし、もう無理だなと感じたら適度に距離をとって挨拶だけ交わすというのも全然問題なしです。
自分の気持ちを優先しつつ、少しずつトライしてみてもらえたら嬉しいです。

それでも辛いと感じる時は

孤独や様々な違いを感じる異文化環境や海外生活では、いいことばかりではなく、辛く感じることも沢山あります。

私の場合は大体3カ月ごとに波が来て、定期的にしっかり沈みこむほどに、凹みます。

そういう波がやってきたら、まずは、無理をしない。話せる家族や友人と連絡を取って、思いっきりダラダラして、元気が戻るまではゆっくり過ごす。

自分の常識が通じない、コミュニケーションが上手く取れない、慣れ親しんだものが手に入らない。それぞれ大なり小なりストレスは感じるはずです。

いまの感情を受け止めて、自分を優先してあげることが大切だと思います。

しんどい時は、上手く逃げるのも大事なスキルだと思っています。

私もまだまだ未熟で、もがき続けている身ですが、
何か少しでも、お役に立てる時が来たら幸いです。

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