連載エッセイ「弱い自分」第38回「休めない人間」
自分はここ数年休みという休みを取ったことがない。正確には2日以上の休み(土日を除く)。
最後に旅行したのは家族で大阪に行ったとき。
もう10年以上前の話のこと。
なぜ休めないのか。
それは休む=サボるというイメージが強いからだ。
放送作家時代は突然仕事が来るため、仕事がない日に出かけたりしても突然仕事が来るかもしれないという不安があるため、休んでいる気分になれない。
ある日、事務所が1週間休みを取ることができるリフレッシュ休暇というものを作った。
その際の説明会で先輩作家が
「まぁ、俺の時はそんな休暇なかったけどね」
「俺は休みなんてないから関係ないけどね」
といった嫌味に近い余計な一言を言ったため、休む=罪悪感というイメージが生まれた。
結局、リフレッシュ休暇を使ったのは1回のみだった。
イラストレーターになってからも休む=罪悪感というイメージが残っている。
仕事がなく、ただ自分のsns向けに描いたイラストのみで1日を過ごすと休んでいることと一緒だと思ってしまい、罪悪感が生まれる。
しかもそこにお金というものが追加されるのでお金がもらえない=ニートという考えが生まれてしまい、さらに休むと罪悪感が生まれてしまう。
将来のことを考えてしまうとより休むことができない状態になってしまい、気がつけば5年近くどこか遠出に行くことはなく、どこかへ行っても仕事がないことへの罪悪感を感じてしまう日々を送ってしまっている。
本当は仕事のことを忘れて大阪とか広島で1泊2日の旅行へ行ったり、飛行機で世界のディズニーパークに行ったりしたい。
でも目の前に立ちはだかるのはお金、お金、お金。
ああ、安定したイラストのお仕事が舞い込んで来ないかな。
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