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イメージ化の技法②【準備編-感覚】

「イメージ化」シリーズ第2弾。
第1弾ではメリットについて書いた(こちらから)。

今回は、イメージ化に必要な能力について話していこうと思う。
なくてはならない「感覚」の話だ。

イメージ化がうまくいかない原因は?

前回イメージ化のメリットについて述べた。試してくれた人がいたら嬉しい。

というか今までの人生でイメージ化を試したことのある人は多いんじゃないかと思う。速読なんかでもイメージ化の技術は必要になってくる。

しかし上手くイメージ化ができない!という人も同じように多くいるのではと思う。

ここでイメージ化のプロセスについて見てみよう。

イメージ化のプロセス

① 対象をインプット
② インプットした対象からイメージを編集(エディット)
③ イメージを生成(アウトプット)

こんな形でイメージ化では「インプット→エディット→アウトプット」のミクロなサイクルが回っている。

イメージというのは対象の中にあるわけではない。

対象を自分の中に取り込み、持っている認知構造と反応させて生まれるのがイメージだ。つまりイメージは自分の中にある。

そうなると当然必要になるのが、「ストック」だ。

「机」と言われて机の姿をイメージできるのは必要なストックがあるからだ。
「ムバクバカ」と言われて何もイメージができないのはストックがないから(*ムバクバカはリビア料理。パスタみたいなの)。

さらにストックには「解像度」という尺度もある。

ストックの解像度とイメージ化

例えばアヒル。見たことがあるだろう。
イメージして見てほしい。

あなたの頭の中のアヒルはどのようなサイズだろうか。眼はどこについている? くちばしはどんな形? 足は? 首はどうなっている?

ちょっとGoogle画像検索で実際のアヒルとイメージの中のアヒルを見比べてほしい。

ぶっちゃけイメージ化では正しく描く必要はない。イメージの中のアヒルは紫色でもいいし、ビルと同じサイズでもいいし、首が3つあってもいい。むしろそのような「想像力」が重要にもなってくる。

しかしボヤボヤしているのはあまりよくない。
イメージはできる限り鮮明であるほうが、無意識下での処理が深くなる。前回紹介したとおり、処理は深いほうが記憶に残りやすい。連想もまたしかりだ。

だからイメージ化のときは解像度をある程度高めたい。
そのために必要なのは解像度の高いストックだ。

では、解像度の高いストックを蓄積するにはどうしたら良いか?

答えは「デッサン」だ。

デッサンじゃなくてもいいです

とか言ってみたけど、絵描きを趣味や仕事にする人以外がデッサンに取り組むのは案外ハードルが高い。平気で何時間もかかったりする。

代替案としてもっと手軽なクロッキーもある。形や動きを掴むのには有効だ。でも解像度を上げるためにはあまり使えない。

そこで今回紹介するのは「観る」だけのトレーニング。

場所は例えば電車。
対象は乗客でも広告でも何でもいい。

ステップはこう。

① 全体を観る
② 細部を観る
③ 統合して全体を観る

まずは輪郭や構図を掴むつもりで全体を観る。雰囲気を感じる。

次に、細部を見ていく。人なら、鼻はどうなっているか、眼はどのようか、髪は、肌は、服は靴は荷物は目線は手の動きは、という風に次々と細部を「熟視」していく。

それで終わってはいけない。
最後にそれら細部を意識しつつ、統合する。再び全体を観る。何か変わっただろうか?

そしてもう1ステップ。

① 全体を観る
② 細部を観る
③ 統合して全体を観る
④ 目を閉じてイメージする ← NEW‼

こうやって解像度の高いストックは増やしていける。

対象はかなり何でもいい。
別にインスタでもOK。マンガでもOK。興味のあるものでもないものでもOKだ。

ちなみに、このトレーニングの対象になったものは深い処理をなされているわけなのでよく記憶に残る。どうせなら仕事に関係のあるものを「熟視」してみてもいいかもしれない。

あと、人の顔を覚えられない人は失礼にならないレベルでこのトレーニングを行うといい。名前をイメージ化して、顔に結び付けられるようになればその悩みは吹き飛ぶ。スパイも使うテクニックだ。

イメージ化の下ごしらえ

今回はイメージ化に必要な能力の一つ、「感覚」について話した。
ちなみに最も優先度の高い「視覚」に絞ったけど、他の感覚についても同じようなトレーニングが可能だ。

次回はたぶん「想像力」について。
今回もちらっと触れたけど、想像力はイメージ化を有効に使うための能力だ。

最後に注意だけど、今回紹介したトレーニングは安全が確保できる状況でやってほしい。思っている以上にリソースを使うトレーニングだ。
決して運転中などにやるのはやめてほしい。

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AKI /学習のアーティスト
学習のアーティストを目指してます。学習ノウハウの体系化・学習体験のコンテンツ化を通して、学習者のレベルアップを手伝います。現状、お金よりも応援がほしい。