群発頭痛について
群発頭痛って?
群発性頭痛(群発頭痛)をご存知でしょうか。
群発頭痛の発症率は1,000人に1人程度で通称自殺頭痛とも呼ばれ、市販の頭痛薬では効かない頭痛です。
私はこの頭痛に長年悩まされてきました。
文章がうまく組み立てられなくなってしまい若干読みにくい文章になっていますが、
どなたかのお役に立てればと思いこの記事を書いてみました。
キッカケ・・・
私はこどもの頃から片頭痛がありました。
度々強い頭痛に襲われていましたが、生理痛のせいだと思い見過ごしてきました。
けれど、十数年前のある日いつものように頭痛が起きた時が記憶にある最初の群発頭痛の始まりでした。
その時は、ちょうど仕事が終わって帰宅した時でした。なんとなく強めの痛みを左目の奥に感じ、
またいつものかもと思い、その頃常備薬にしていたセデスを飲みました。
なのに30分経っても、1時間経っても痛みが治まらず、時間を空けてまた2錠飲みました。
数時間のうちにセデスを2回も服用したのに治るどころか、痛みが増していきました。
物音が鋭く突き刺さり、真っ暗な寝室で寝ていてもドアを開けられて光が漏れる度に
映画「未知との遭遇」のUFOが飛来したかのように眩しく感じます。
ただベッドに寝ているだけなのに鼻水と涙がでて、シャンシャンシャンシャンという神経痛が襲います。そのうち二日酔いのような頭をガンガン叩かれている痛みになりました。
あまりの痛さに気絶したようでした。
そんな頭痛はここ最近の記憶ではさすがになかったので、翌日、総合病院を受診しました。
何か脳の病気?とも思いましたが、
「群発頭痛ですね」と医師から告げられました。
聞き慣れない病名。
深い海底から激しく揺さぶるような名前の頭痛にただごとではない不気味さを感じました。
セデスが効かなかったことをお伝えすると市販の痛み止めは効かないことを説明され、
大きなパッケージの薬を見せられました。
仰々しいプラパックに入っているのは発射台にくっつけたロケットみたいな形で、それが処方されたGSK社の「イミグラン」という点鼻薬でした。
点鼻薬は片方の鼻に挿して押します。
点鼻すると鼻と喉の奥に化学物質的な苦みが感じます。
半信半疑で点鼻すると初回は驚くほど効果がありました。
ただ新薬だったこともあり薬価が1つ2500円ほどしました。
大病でもないのに、そんな高い薬を使うなんてと、深刻さはなく、この後、頭痛が頻繁になってくるとは想像すらしていませんでした。
原因
群発頭痛の引き金(トリガー)は、光、匂い、音、熱さ、寒さ、睡眠不足、ストレス・・・とにかくなんでもきっかけになります。
神経に作用するので、少しの気温差、空腹、朝の爽やかな陽の光さえも突き刺してくる悪魔の朝になり、朝陽は私にとって恐怖でしかなくなりました。
匂いにも敏感になり、
症状が現れはじめるとシャンプー、洗剤、柔軟剤のわずかなニオイも鼻につき、気持ち悪くなりました。
文字の色も黒だったら黒が強烈に飛び込んできて文字が読めなくなりました。
自身でブログをやっていた時は、
文字色は薄いグレー、フォントもまるい柔らかいフォントにしたり…。
食事をしていると皿にフォークが当たる音が頭をつん裂くように響きます。
目が霞み、神経が敏感になっているせいでお風呂のお湯でさえ浸みるので、
きっと因幡の白兎はこんな気持ちだったのかなと思ったものです。
元々細かなところを感じていたこともあって疲れやすかった。
だからこそ頭痛になったのかも知れませんが繊細さんはめんどくさい、その上頭痛ってなったらもう誘ってもらえなくなるとひた隠しにしていました。
頭痛が頻繁になってからは、渋谷の雑踏や新宿のネオン街にいる感覚でした。
頭痛のせいで、なんでもないよく晴れた日が私には辛くて仕方なかったです。
ひどくなってゆく症状
はじまりは、左右どちらかの眼球痛で嫌な感じがして、次第に眼を尖ったモノで抉る痛みに変わります。
それが全体的になってきてこめかみのあたりをちょうど孫悟空の頭の輪っか「緊箍児(きんこじ)」でキリキリと締め付けられるような痛みになり、シャンシャンシャンといったような金属系の耳鳴りのような症状に変わりました。
この痛みがいつまで続くのかわからない。
つい緊張し、身構えて、身体をこわばらせてしまいます。
頭痛は、三叉神経と自律神経に関係しているそうです。
リザトリプタン10mgを頓服で処方されましたが、服用のタイミングの見極めがむずかしくタイミングを逃すと効かないばかりかタイミングを見誤って、激しい頭痛になりました。
頭痛が起こると夜中にウトウトできればいいほうで、眠るというより失神するような感じで寝ていました。
胃腸にも影響して胸やけを起こし、胃腸が強ばるので服用に水を飲んでも吐いてしまう。吐くとそれ以上、薬は使えない。
低空飛行な日々をいったり来たり。
働いていた頃の仕事も機密情報を扱う仕事だったため睡眠障害は致命傷でした。
昼も夜も緊張で帰りにはヘトヘトになり、必ず座れる特急券を買って帰宅していましたが限界が訪れて、仕事を辞めました。
私が私ではなくなってゆく
頭痛が起きている間中は、嵐が過ぎるのをひたすら耐えるしかなくなります。
終わりがわからないので、弱っていき、人格が崩壊しそうになります。
眠れない、激しい痛みで自分ではなくなってゆくようです。
あまりに辛くて主治医の先生に「辛くて泣いてしまいます」とこぼしました。
先生は「泣いていいんですよ・・・泣くほど痛いんですから・・・」と言われてなんだか救われました。
治まってしまえばいつもの自分でいられるのに、あの辛さがいつ襲ってくるかもしれないと思うと、頭の中は恐怖心に占拠されてしまう。
薬が効かない
精神的にダメージも辛いのですが、イミグランが効かなくなっていきました。
また新しく出たレイボー錠100mgを試しましたが、起きられなくなるだけで私には全く効きませんでした。
医療用酸素ボンベ
イミグランが効かないまま2日間夜通し嘔吐するような時は、もう薬は効きません。
3日目に限界を迎え、病院に運んでもらいました。
薬が効かなかった時の最後の砦の高濃度の医療用酸素を吸入するためです。
あまりに辛くて泣きました。
泣くことで痛みを逃していたのだと思います。
けれど、女性医師から「そんなことで泣かない!」と言われました。
こちらだって泣きたくて泣いてる訳ではありません。どこにも持って行き場がないのです。
我慢強い私でも3日間神経を圧迫され、脳に近い部分の痛みで吐き続けたら感覚がおかしくなって廃人のようです。
医療用酸素ボンベは大きな医療機関にしかありません。
なるべく迷惑を掛けないようにと限界まで我慢して我慢して申し訳ない気持ちですがもう、頼るしかなくなっての来院です。
ベッドに横たわり、酸素マスクを充てて高濃度酸素を15分ほど吸引するのですが、
ものの1分で視界がクリアになり、3分もすれば頭痛がスッキリ治まります。
到着時には、歩けずに車椅子で運んでもらったのに帰りはまったくの別人のようになってピンピンして歩いて帰る。
自分でも変な感覚です。たった数分で地獄から天国。
ジェットコースターはたまに乗るから楽しいのであって、毎日ずっとはいらないです。
負担とリスク
酸素があまりに有効なので自宅に置くことも考えました。
けれど、使用、未使用に関わらず、保険適用で月2万円かかるといわれました。
使用すると2~3万円(今はもう少し安いかもしれません)
私は、まったく症状が出ない時もあったので、それで毎月2万円の負担…と考えてしまいました。
また主治医の先生からは高濃度酸素は肺のダメージが大きいと言われて躊躇してしまいました。
群発頭痛と試した療法
藁にもすがる思いで色々な療法も試しました。試した療法は
【Bスポット療法】
群発頭痛にBスポット療法が効くと聞いて耳鼻咽喉科でBスポット療法を受けました。
この療法は鼻の奥に炎症を抑える作用のある薬剤(塩化亜鉛溶液)を染み込ませた医療用の長い綿棒で上咽頭に付ける療法です。
上咽頭炎は自律神経の乱れや頭痛の発症に関係があるということで、群発頭痛にも効くということらしいです。
なのですが、とにかく痛い。
鼻の奥に綿棒を突っ込まれて医師が数秒間ゆっくりカウントしながらグリグリと薬液を付けます。
左右両方・・・群発頭痛とはまた別の痛みで鼻の奥がツーンとしてめちゃくちゃ痛いです。(泣)
結果、視界はクリアになりましたが、効いているかといわれると…私は、よくわからなかったです。(個人差あるようです)
【ペインクリニック】
ペインクリニックも受診しました。
そこのメインのS医師は群発頭痛の名医と言われている医師のいるクリニックでした。
なのに担当はN医師になりました。
N医師から毎日服用するようにと大量のカロナール錠500mgとワソラン40mgを処方されました。
毎日カロナールを服用すればいいのかと服用していたある日「え?毎日飲んでるの?そんなの毎日飲んだらダメだよ!」と言われました。
あまりにいい加減であっけにとられ、群発頭痛のことをなにもわかっていない発言ばかり…。
また適当に処方していたことがわかりこわくなって通院をやめました。
【帯状疱疹との関係とワクチン】
東京女子医科大学脳神経外科客員教授の清水俊彦医師により、
群発頭痛の発症に帯状疱疹ウイルスが関係しているのではないかということで私にも一筋の光明が射しました。
帯状疱疹と水疱瘡のウイルスは同じウイルスだそうで、一度、水疱瘡に罹るとウイルスは体内に残り、疲れた時や免疫が落ちた時にウイルスが再活性化し発症するそうです。
帯状疱疹ウイルスは神経節に潜んでいるとのことで・・・
このことを知った当時、私はまだ50歳を迎えておらず、ワクチンは受けられない為、痛みに耐えて生活をするしかありません。
帯状疱疹ワクチンは50歳以上でなければ基本的に接種してもらえないのです。
そのうち567が広がり、群発頭痛になってもなかなか受診できなくなりました。
そして迎えた50歳。
なのにワクチンを接種できず…。
というのも体調が不安定で、更年期障害の症状まででて・・・相変わらず緊張した日々のまま。
帯状疱疹ワクチン
症状はもう、ギリギリのところまできていました。
目が痛くてうまく開けられない。
目ヤニがでて、霞み目が酷くなり、視神経にも影響していたらしく極端に視力が落ちたり、免疫力が落ちていろいろな症状がでるようになりました。
この頃、イミグランが効かなくなってきて、在宅で酸素ボンベを置こうかと考えるようになりました。
そんな中、出ていた更年期障害の症状と子宮筋腫の症状がホルモン療法で落ち着いてきました。
おかげで今年になって帯状疱疹ワクチン1回目を接種することができました。
帯状疱疹ワクチンは「シングリックス」と「弱毒生水痘ワクチン」の2種類があります。
私は「シングリックス」の不活性化ワクチンを接種しました。
このワクチンは10年以上でも80%の予防効果があるそうです。
ワクチンの価格は21,000円X2回接種(2か月の間隔を空けます)約4、5万円になります。
なんでもなければ躊躇してしまう金額です。
とはいえ、帯状疱疹や群発頭痛で日常生活がままならくなったり、顔面神経痛や失明など深刻な症状を引き起こすことを考えると早いに越したことはありません。
また、住んでいる自治体や健康保険組合によっては助成金制度があるそうです。
私の住む自治体と加入する健康保険組合も調べましたが、残念ながら助成はなく、
全額自己負担になりました。(お住いの自治体へお問合せしてみてください)
副反応
ワクチンを接種した夜から熱が出ました。
頭痛と関節痛、悪寒、熱、普段からの生理痛に似た症状に加えて、身体がちぎれるように痛みます。
2日間は横になるのも座っているのも何をしても辛い。数日で終わるとわかっていても、まるで修行僧です。
熱が下がってきたかもと思い、熱を測ってみました。
まさかの38.1℃
「えっ、ってことは・・・」あの熱かった時は40℃を超えていたようです。(怖くて計りませんでした)
脇の下と腕が腫れて酷いことになるし、ごはんが食べられるようになったのは3日目からでした。
これから・・・
まだ1回目ですが、ワクチン接種後、頭痛は改善されて、ずいぶん楽になりました。
なにより、外出できる。体力がでてきました。
以前は、陽の光が強い時間帯に外出できませんでした。
というのも陽射しで必ずと言っていいほど、頭痛を発症していたからです。
普段、買い物は曇りの日や陽が沈んでから、人出の少ない夕方を選びました。
それが接種のおかげで
日中でも外出ができるようになりました。
また、眼の負担がきつかったので、本もなかなか読めず、オーディブルを聴いたり、動画の音だけを聴くようにしていたものも
長時間見ることができなかったPCの画面も見られるようになり、長文を打っていても辛くなくなりました。
まだ群発頭痛の症状が出ることはあります(先日はコンビニおむすびのせい?)が、
少しずつ、発症前の頃のような日常生活を送れるようになってきました。
こんなにカラダがラクだなんてと思ったのと同時に毎日大丈夫かもと思って暮らせるのはなんて幸せなんだろうと思います。
副反応には身構えつつも、こんなに身体がラクになるならと2回目の接種が待ち遠しいです。
別の問題【小麦粉製品が食べられない】
群発頭痛が原因かわかりませんが、私は小麦粉製品が食べられなくなりました。(推測ですが因果関係がありそうです)
というのも群発頭痛の時、決まって小麦製品を取っていることに気づきました。
最初の症状は、なんとなく胃腸の調子がおかしくなり、リンパ節や歯の神経が重苦しく痛くなってきて「あれ、外出してちょっと疲れたのかな?」とおもっていました。
けれど、小麦製品を摂取した時、毎回のように反応性低血糖症になっていったのです。
手の震え、血圧が急降下するような貧血、汗が吹き出る症状に襲われます。
確かなことはわかりませんが、群発頭痛からグルテン不耐症になってしまったようです。
この病気の症状は、グルテンの含まれる小麦製品(私の場合デュラムセモリナ粉は大丈夫みたいです)を摂取すると身体が反応して頭痛、関節痛、リンパ節が腫れる、下痢、低血糖症が発症します。
このことに気づいて、グルテンフリーの生活をするようになり、群発頭痛の出現率は格段に減りました。
正直、小麦粉、パン粉を使ったもののほとんどが食べられないのは辛いです。
ラーメン、ケーキ、うどん、焼きそば、トンカツ、コロッケ、餃子・・・みんな大好きだったものばかり。
それでもパンがたべたくなるので工夫することにしました。
たとえば、米粉でケーキを焼いたり、米粉麺、ビーフン、春雨、蒟蒻・・・で代替えしたり、トンカツの衣は古代小麦のパンの端っこでパン粉を作って揚げるなどしています。
古代小麦(スベルト小麦)のパンというのは小麦の原種で、小麦粉のご先祖さま元祖といったところでグルテンフリーなのです。
ラーメンが食べられないのはつらいし、小麦粉ではない製品はどれも高くてびっくりします。
逆に少量を大事に、よく噛んでたべているから健康的で身体にはいいのかもなどと気持ちを切り替えています。
マリーアントワネットのセリフではありませんが、贅沢をさせてもらえてるという気持ちで、暗くならないようにしています。
最後になりましたが、
帯状疱疹ワクチンについて詳しくわかりやすく書いてあったのでリンクを載せておきます。
【シングリックス】帯状疱疹ワクチンの種類や効果・費用と助成・副反応について解説 | ひまわり医院(内科・皮膚科) (soujinkai.or.jp)
長文をお読みくださりありがとうございました。
このnoteが必要な方に届きますように。
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