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白色

順調に社会生活を営んでこれているのかいまだに不明だ。それでも読書が再び楽しくなってきたのは、けっこう吉兆だと思っている。感想はすべて個人が勝手に感じたものです。

最近読んでひどく心が動いたのはハン・ガン著『すべての、白いものたちの』と村田沙耶香著『しろいろの街の、その骨の体温の』だった。まったくの偶然だけれど、どちらも白がキーワードだった。白には物語を書かせるような力があるんだろうか。

「人は常に孤独」を底辺に感じながら、ハン・ガンは死の匂いを静かに漂わせて、村田沙耶香は暴力的なほどの生きる熱量を爆発させて、現状からの出口を探して問いかけながら(おそらく自分に)、歩いてゆく。その先に微かな光が見えていることが救いになっていると感じたが、きっと闇が見えたのだとしても、それを抱えて進んでいくのだろうな。

喪失や悲しみと向き合うことも悩み苦しんでいることも、今を生きている人間が放棄することは最期の瞬間までない。時間と死は平等だ。



ところでスネオヘアーさんがnoteを始めたと聞いた。大好きなミュージシャンの一人である。本当に始めていた。早速購読した。たくさん書いてあった。ちゃんと脱線していた。こんなに生々しい文章を読めるなんて幸せだ。

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