【読書レビュー】小林元喜著/さよなら、野口健
yahooのノンフィクション大賞のノミネート作の1つ、小林元喜さんの「さよなら、野口健」を読みました。
あらすじ
まさに「腐れ縁」
著者の小林さんはこれまで18年間、3回登山家の野口健さんの事務所を辞めている。
思い立ったら何も考えず行動し始める野口さんとそれを支える小林さん。厳しい扱いを受ける度に「もうこんな所辞めてやる!野口なんてまっぴらだ!」とLINEをブロックしたり縁切り神社に行ったり新しい会社に入るもなぜか…なぜかまた野口さんが恋しくなりブロックを解除し、神社を引き返し、野口さんの元へ戻ってしまう。
小林さんもなかなかの異端児
小説家を目指していた小林さんと野口さんの半生が書かれた本。小林さんは小林さんで大学生の頃、憧れの村上龍氏の元へするりと入り込んだエピソードや、就職したくないからと「こんなウェブサイトを作ります!仕事をください!」と資料を持って石原慎太郎氏への突撃アポイントした話もなかなかの度胸を持ってるなと思う。
その後大人になり背負うものが増え、感じるプレッシャーや精神的に病んでしまう話は臨場感があり、多くの同年代の人が共感できるんじゃないかな。
小林さんんだからここまで書けた
小林さんはホントよくここまで野口さんのこと洗いざらい書いたなと思う。野口さんってこんな強烈な人なのとビックリした。こんなにさらけ出すことができるのはお互い信頼し合ってるからなんだろうな。
これだけさらけ出されてるのにもかかわらず野口さんのyoutubeでも50分以上にわたって紹介されてる。
さよならしたい人で夢をかなえた
もう本当にしんどくて、縁を切りたいとまで思っていた(思っている?)相手の野口さんがきっかけで、皮肉にも小林さんは長年の夢であった「本を出す」ということを叶えている。
人生どうなるかわからないね。
すごく読み応えがあった。読み終えて2日ほど経つけれど、まだ心のなかでは読了感がどっしりと健在です。
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