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特別展「蔦屋重三郎コンテンツビジネスの風雲児」に期待する理由

今春、東京国立博物館で、特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」が開催される。

展示会名:特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」
会期:2025年4月22日(火)-6月15日(日)
会場:東京国立博物館 平成館

2025年1月27日(月)、トーハク(東京国立博物館)での報道発表会に行く機会を得た自分は、張り切って行ってきたよ。

だって、今NHKの大河ドラマでは「べらぼう 蔦重栄華乃夢噺つたじゅうえいがのゆめばなしが絶賛放映中。歴史ライターの端くれとしてやっている自分は今年、浮世絵を中心に江戸文化にもっと触れたいと思っている。
春から始まる展示がどんなものなのか予習しておきたかったのだ。

展示会の宣伝用リーフレットです

ちょっとひとこと言っておきたい。
リーフレットの右上のコピーについてだ。

「潜在顧客は、江戸の衆、百万人」

これは決して大げさに盛ったコピーではない。
当時、江戸の街は「大江戸」の呼び名にふさわしい100万都市だった。
研究によれば、1800年(寛政12年)頃における世界の大都市の人口について、北京約90万人、ロンドン約86万人、パリ約54万人とされ、江戸の人口は約100万人だったと言われる。
蔦屋重三郎は、そんな世界屈指の巨大都市江戸における人々を相手に浮世絵で勝負した版元であり、プロデューサーだったってことだ。

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さて、報道発表会である。
当日、登壇してくださったのは主に以下の3名の方々。

東京国立博物館 副館長 浅見龍介さん
東京国立博物館 学芸企画部長 松嶋雅人さん
俳優 染谷将太さん

浅見龍介副館長の挨拶のあとは、学芸企画部長の松島雅人さんから「特別展 蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」の見どころを説明していただいた。この方は、トーハクの研究員であり、日本絵画史をご専門とされていて、大河ドラマ「べらぼう」の近世美術史考証も担当されている。
『べらぼう』の時代考証の難しさの説明なども交えながら、特別展の注目ポイントをわかりやすく語ってくださった。

「特別展 蔦屋重三郎」の見どころ

①作品に表れる、本・人・時代をプロデュースした蔦重という男の人物像!
これまであまり一般的には知られてこなかった蔦屋重三郎。23歳で出版界に登場した彼が手掛けた作品をできる限り時系列に配置している。
それらの作品を通じて彼の活躍ぶりを知って欲しい。

②浮世絵といえば…の歌麿・写楽のあの作品も蔦重仕込み!
喜多川歌麿による「婦女人相十品ふじょにんそうじゅっぽんポッピンを吹く娘」、東洲斎写楽による「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」(重要文化財)など、見たことある有名な錦絵がたくさん登場。これらもつまり蔦重がプロデュースした作品だということだ。ぜひ注目して欲しい。

③大河ドラマ『べらぼう』との連携!
戯作や狂歌、浮世絵などの舞台となった天明・寛政期(18世紀後半)の江戸の街がNHK大河ドラマの協力を得て、展示会場に再現される。江戸の街に没入して街そのものを体感できるのだ。
『べらぼう』ファンにも嬉しい企画である。

松嶋雅人さん(左)と染谷将太さん(右)

そして、大河ドラマ『べらぼう』で、有名絵師・喜多川歌麿を演じる染谷将太さんも登場してトークも。

染谷さんは、前もって松嶋さんの説明で喜多川歌麿の絵を鑑賞したという。
彼がドラマで演じる歌麿については、その絵を見て
「本当に(歌麿が)いたんだ・・・」
と感動し、
「遠い過去に存在した人の作品を目の前にして、時間が地続きのように感じられた」との感想を述べられた。

さらに、蔦屋重三郎についての感想は、
「人間力があって人と人をつなぐ力のある人。単に明るくていい人だからではなくて、人間力をぶつける力強いエネルギーのある方だから」
とのこと。ドラマの蔦重は若くて元気。これから起きる苦難に対して、あらゆる工夫と人間力で解決していく様子に期待したい。

そして最後にご自身が演じる喜多川歌麿の人物像については、
「人の痛みがわかる方。悲しみを持つモデルの気持ちを自分も感じて描ける。人の内側から出てくる美しさを表現する人」
と捉えた。
そんな喜多川歌麿をドラマの中でどのように染谷さんが演じるのか、今後のドラマで注目すると同時に、特別展における歌麿の絵に何が描かれているのかじっくり鑑賞したい。

染谷さんも、
「江戸の絵や本などは、遠い過去のものだと思いがちだけれど、江戸文化は現代にいたるまで地続きになっていることがわかる展示を見れることを楽しみにしている」と、もちろんトーハクの特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」に期待を寄せた。

写楽の錦絵グッズのぬいぐるみを持って。
オリジナルグッズ 三代目大谷鬼次の江戸兵衛 ぬいぐるみを持った染谷さん。
ぬいぐるみの両手がパタパタと動くんですよ。
まじで欲しい。
左奥からポッペンのトートバッグ(2700円)、金太郎どんぶり(後日公式サイトにて発表)、和綴じ本ぬいぐるみ(9350円)、江戸兵衛ぬいぐるみ(後日公式サイトにて発表)

トーハクは、グッズも楽しいですよね。
今度は、和綴じ本ぬいぐるみが欲しい・・・。
ページっぽくめくれるんだよ、あのぬいぐるみ。
江戸兵衛ぬいぐるみもいいよね、まだ金額は未発表だから後日公式サイトでチェックしよう。

グッズとセットになったチケットもお得らしい。
また、トーハクの同会場で開催される
「特別展 江戸☆大奥」(2025年7月19日(土)~9月21日(日)
本館特別5室で開催の
「イマーシブシアター 新ジャポニズム ~縄文から浮世絵 そしてアニメへ~」(2025年3月25日(火)~8月3日(日)
とのセットチケット(5000円)もあるので、お得に展示鑑賞を制覇したい方は公式サイトでご確認を。

展示会公式サイトこちら


ああ、トーハクってなんでこんなに楽しいんだろう。
まだ展示も始まってないというのに、もう浮かれている自分。

蔦重、歌麿、写楽、大江戸で活躍した絵師の皆さん待ってておくれ。
行くからね。