見出し画像

知らぬが仏。【ぶつぶつ仏像④】

仏さまを拝むとき、目を閉じて両手を合わせて拝むよね。

猫の合掌


でもその前にじっと仏さまの顔を見つめるじゃん?


見つめる


ちょっとお願いごとをする前に、相手の顔をみつめちゃう。


それって自然よね。


やさしいやさしい仏さまの顔を。

画像1

(ウィキペディア 中宮寺 木像菩薩半跏像/弥勒菩薩半跏思惟像)



何でも受け止めてくれそうな仏さまの姿を。

画像2

        (ウィキペディア 薬師寺 薬師三尊像)


どーんと来いなんて感じの頼りがいある仏さまを見つめる。

画像3

        (ウィキペディア 高徳院 鎌倉大仏)



でも、中にはあまり見つめない方がいいかも、という場合も。


うんこ禁止マーク


私個人の見解ですが。



でもこの像は、もしかしたら、かえってまじまじ見たくなるかも。


実際私も心は引きながら、身体は前のめりで見ちゃったんだよねぇ。



見る?



マジで見たい?



じゃ、どーぞ。


うんこシルエット


あ、違った。ごめんごめん。


本当はこれです。


どーん。


画像6

      (ウィキペディア 三室戸寺 宇賀神石像)


どうよ?


拝む気になった? 何を? 


我々は何を拝もうとしている?


福々しい顔ではありますな。


この、おもいきったフォルムの神さまは「宇賀神さま」です。

蛇そっくりな胴体はトグロをまいて、顔だけが妙にリアルな老人なんです。

画像10

          (ウィキペディア 宇賀神像)

女性の頭の時もあります。

画像9

          (ウィキペディア 宇賀神像)

ウロコまできっちり表現されて、ショッキングなビジュアルだよね。


どうしてこういうデザインに落ち着いてしまったのか。


実はこの神さま、出自がはっきりしない謎の神さま。
もともとは穀物神と考えられ、豊穣などを司っていたらしい。


それがどういうわけか、音楽と福徳を司り、しかも戦う女神の弁才天(弁財天)さまと同一視されるようになっちゃった。


神さま、とはいうものの弁才天さまは仏さまに仕える身。
仏教界の天部に所属しています。

仏教界の


その弁才天さまと同一視、というわけで宇賀神さまも仏教界の一員なのだ。


そして、弁才天は気の合う宇賀神さまをなんと頭の上に載せることに・・・。
(逆じゃなかったのが幸いです・・・)

この弁才天さまは、サイズ感もぴったりで、きっちりの宇賀神さまを載せておられますね。

宇賀神さまと弁天さま

       (ウィキペディア 宇賀弁才天坐像)


天女系の弁才天が、なぜ蛇と老人のハイブリッド神と仲良くなってしまったのか、その詳しい経緯は未だ謎。


はっきり言って、理解に苦しんでいます、私。


ま、弁才天さまと仲良くしながらも、宇賀神さまは単体でも活躍中です。


しかし、ソロデビューすると、なかなかのインパクトだ。


画像8


ほら、蛇見ると縁起が良いとか言うじゃん?

う○こ踏んでも「運がつく」とか言うじゃん?

だから、あなたも「宇賀神さま」を忘れないで。


あなたを幸せに豊かにするいい神さまなんだから。


でもね、どこかでこの宇賀神さまに出会ったら、
「おおおー。宇賀神さまだー」
ってならない? 

なるでしょ、もう彼(?)を知ってしまった今は。

もう、存在を知ってしまったあなたは宇賀神さまを忘れることはありません。

なんか笑っちゃうし、楽しそうじゃない?

もっかい出しとく。


画像13


いや、もうお腹いっぱい・・・。

穀物神だけに。




この宇賀神を含んだ明石白の記事が以下の「弁財天」です。
時間のある方はご覧になってください。仏像リンクさんが喜びます。

画像15