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息をするように本を読む 4年目、5年目

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読んだ本のことを書いています もう5年目に入りました 自分でびっくり、です
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記事一覧

息をするように本を読む101〜アガサ・クリスティ「春にして君を離れ」〜

 推理小説好きの中で、アガサ・クリスティの名を知らない人はまずいないだろう。  その作品…

75

息をするように本を読む102〜宮部みゆき「ブレイブ・ストーリー」全3巻〜

 宮部みゆきさんといえば、ちょっと不思議で怖い時代小説とか、人の心の暗部をえぐる社会サス…

くなんくなん
11か月前
51

息をするように本を読む103〜杉井光「世界でいちばん透きとおった物語」〜

 この本については、ずいぶん前に新聞の書評で「電子書籍全盛のこの時代に、紙の本でしか読め…

くなんくなん
11か月前
55

息をするように本を読む104〜あさのあつこ「弥勒の月」シリーズ〜

 時代小説、時代劇が好きだ。  どうしてかは上手く説明出来ない。  あの、何とも言えない空…

くなんくなん
10か月前
63

息をするように本を読む105〜米原万里「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」〜

 この作品の著者、米原万里さんは1950年生まれ。  共産党員で衆議院議員も務めたことのある…

くなんくなん
9か月前
53

息をするように本を読む106 〜朝井リョウ「正欲」〜

 今から私がここに書くことに、腹を立てたり気を悪くされたりする方々がもしかしたらおられる…

くなんくなん
9か月前
61

息をするように本を読む107〜深緑野分「戦場のコックたち」〜

 昨年読んだ深緑野分著「ベルリンは晴れているか」。  これをまだお若い日本人の女性が書かれたということに驚いた。(当時深緑さんは35才)  深緑さんに興味が湧いて他の作品も読みたいなと思っていたとき、書店でこの本を見つけた。  「ベルリンは〜」は、第2次世界大戦でドイツの無条件降伏にともない連合国側に分割統治されていた1945年のベルリンが舞台で、主人公はドイツ人の少女。    一方、この「戦場のコックたち」は同時代の同舞台を、連合国側の目線から描いた作品だ。  主人公はテ

息をするように本を読む108〜東野圭吾「聖女の救済」〜

 東野圭吾さんといえば、押しも押されもしない人気作家さんだ。  本好き、特にミステリーが…

くなんくなん
8か月前
68

息をするように本を読む109〜チャンドラー「ロング・グッドバイ」村上春樹訳〜

 ハードボイルド。  固ゆで玉子、ではもちろんなく、この場合、小説のジャンルのひとつを指…

くなんくなん
8か月前
61

息をするように本を読む110〜「亜人」桜井画門〜

 私は本を読むのが好きだ。  それは一般書籍ばかりではない。  漫画も大好き。  noteで漫…

くなんくなん
7か月前
40

息をするように本を読む111〜「悲しみよこんにちは」フランソワーズ・サガン〜

 これまでの私の読書記事をお読みいただいた方は、今回のこの本のタイトルを見て驚かれるかも…

くなんくなん
7か月前
63

息をするように本を読む112〜「ハリーポッター・シリーズ」J・K・ローリング〜

 今さら…という感じではあるのだけれど。  言わずと知れた、イギリスの作家ローリング女史…

くなんくなん
6か月前
52

息をするように本を読む113 〜塩田武士「罪の声」〜  

 この本を最初に読んだのはずいぶん前のことだ。  先日、この物語のモデルになったある事件…

くなんくなん
6か月前
59

息をするように本を読む114〜シェイクスピア「マクベス」〜

 シェイクスピアの物語について書くのはこれで3回目になる。  前々回は「ジュリアス・シーザー」で歴史物、前回は「ベニスの商人」で、私としては少しばかり疑問なのだけど、まあ、喜劇に分類される(らしい)作品。    今回の「マクベス」は、間違いなく、悲劇に分類される作品だろう。  だが、悲劇といっても、よくある悲劇とは少し趣きが違っているようだ。  悲劇を起こしたのはそもそも主人公だし、ある意味で自業自得だと言ってしまうと身も蓋もないだろうか。  物語の舞台は、中世のスコット