世界がぼやけて見える
私は、子供の頃から目が悪かった。
近視で小学2年生にはメガネをかけていた。
今は子供用メガネもずいぶんお洒落になったようだけど、当時は銀縁でレンズがやたらでかい丸メガネしかなくて、私はそれがとても嫌だったし、メガネ、メガネ、とずいぶんいじめられた。
まだメガネはかなり高価で、2万円くらいしたと思う。子供にとってはとんでもない金額のものだったので、壊しやしないか、なくしやしないか、いつもびくびくしていた。
中学生くらいになると、授業中だけメガネをかける子が出てきたりして、それに憧れもした。
私はその頃には、メガネなしにはほとんど見えないくらいの視力まで下がっていたので、かけっぱなしにするほかなかった。
高校からはコンタクトにして、コンプレックスは消えた。
最近になってやっとメガネも楽で好きになって、メガネで外出することも増えた。
夜、メガネを外すと、ヘッダーの画像のような世界が見える。
私の世界は、子供の頃から輪郭がぼやけていたのだ。
ぼやけた世界で生きてきたのだ。