創作活動をやってみたい人、やっている人への本。
創作活動をするタイプの人、というのがいます。
想像力や感受性を高める方法は、もういっぱい世に出ているのでここでは書きません。
私が思うのは、それらを実行するほど創作に恋い焦がれるにはどうすればいいか、というのが一番大事なんじゃないかってこと。
作ることってかなり面倒くさくて、なくても全然生きていける。
何か強い「作りたい」という気持ちこそが人をクリエイターやアーティストにするのだと思います。
そう、そんな動機がないあなたには「不幸」!
死にたいと思うくらいの不幸な環境に置かれれば、創作だけが救済に!
時間もあるとなおいいですね、たっぷりの時間が。
どんなに才能がなくても死に物狂いで創作するようになること間違いなし!
という冗談は置いておいて、
不幸にならなくても「創作する人」になる方法が書かれているのがこの本だと思います。
メインとなるのは、モーニングページとアーティストデートという習慣。
二巻では散歩も入ってきます。
モーニングページというのは、毎日起きてすぐ30分間紙に思ったことをそのまま書き出す、脳の排水です。
アーティストデートというのは、週に一回、内なるアーティストとしての自分とデートをして、自分のための感性を磨く時間を設けよう、というもの。
本では12週間分のワークが用意されていて、毎週少しずつ本を読み進めながら、自分の棚卸しをしたり、生活や環境を整えたりして、アーティストになれる基盤を作ってくれる本です。
書くことや考えることが好きな人は、ワークそのものがとても楽しいと思います。
一巻では、本当にやりたいことを見つけて、それを実行できるようになるワークが詰まっています。
私がこちらを読んだのはかなり前なのですが、生活を変えるきっかけになりました。
12週間のワークもきっちりやって、純粋に楽しいと思いました。時間がかかったけれど。
今私は編み物をどんどんとやっているわけですが、そのきっかけになったのが実はこの本だったりします。
昔の私って何が好きだったかな、もう少し時間があったら何をやってみたいかなと思ったときに、編み物が出てきたんですね。
それでワークを通して時間も捻出できたので、久しぶりにトライ。
今ではすっかり自分のための時間として編み物を楽しむように。
私にとってアーティストデートは編み物をする時間だ、という発見がありました。
たとえば、ひとりの時間を用意して、お気に入りのカフェに行って、自分の心に耳を傾けるような……そういう時間が私にとっては編み物なんですね。
編み物、本格的に再開してよかったなと思ってます!
きっかけをありがとう……。
また、一巻を読んでいたころは自信がなかったのですが、なぜ自信がないのかあぶり出して癒すことができました。
その後もモーニングページを続けることによって、気がついたら自信のある私になっていました。
この自信は本当に財産になってくれたと思っています。
思ったよりいいねがつかない、再生数が出ない、みたいなときってそれなりにネガティブに働くと思うんですけど、自信があると、でも私はこれがいいと思っているしとはねのけて、創作意欲が減らずにいられます。
一巻で一番良かったワークはネット断ちかな。
本では一週間活字を断つとなっていますがそれは現代社会どうしても難しいので、ネット断ちにアレンジしてみました。要は情報を絞れって話だと思ったので。
時間がぽんとできます。無料でどこにも行かずに。
本を読まない人もネット断ちをたまにはやってみるといいかもしれませんね。なかなか難しいけどね……。
そして昨日読み終えたのが二巻。
二巻は、創作活動に行き詰った人におすすめです。
あの、一番苦しいやつ。作りたいとは思うのに作ることが苦しい……みたいな人に効くのではという印象。
創作意欲がなくなった体験に焦点を当てて深堀りしたり、人間関係や時間の使い方について考え直すワークが多め。
私はそこまで今行き詰まってなかったので、ちょっと読むタイミングではなかったかもなーと思いつつ、12週間挑戦しました。
12週間やってみて、やっぱり私は音楽がやりたいんだという思いと、もっと多くの人に届けたいという気持ちがあるんだなと再確認。
承認欲求が強すぎるとなんかダサいかなって、届けたいという気持ちをないがしろにしがちだったんですけど、でもやっぱり承認欲求は私にもあります。
吞まれないように気をつけながら、そういう気持ちも大切にして行けたらいいな。
二巻で面白かった話は、やる気が出ない時や忙しい時はあえて家事をしよう、という話です。
掃除などひとつ終わらせると、じゃあ創作活動もがんばっちゃおうかな!という気分になれるというもの。
これは経験則確かにそうで、頭の片隅に入れておこうと思いました。
ずっとやりたかったことを、やりなさい。では、けっこうスピリチュアル的表現も出てきます。
信仰がなくても読めるけれど、スピリチュアルがどうしても受け付けない人はちょっと厳しいかもしれません。
私はあまりスピリチュアルにのめり込まないように気をつけていますが、確かに創作活動って神秘的だなあと思うときもあって、それをスピリチュアル的に表現しているのかな、という理解で読み進めました。
しかしメインとなる、モーニングページの習慣はハマればかなり強いので、それを試すためだけに本を買うだけでも価値があると思いますね。
もう続けて3年ぐらいだけど、毎日頭の中がすっきりした状態で一日を始めることができます。
本の印象としては光のアーティスト、クリエイターになるための本、という感じです。
記事のはじめで言ったような、不幸をエネルギーにする闇タイプではなく、健やかに、元気に、幸福に創作をする人向けだと思います。
ある程度生活が安定していて、ワークにじっくり取り組む気持ち的余裕があるときに読むといいのではないでしょうか。
何かに夢中になりたい。創作活動に興味があるけれど、何からやったらいいか、何がやりたいのかわからないよ、という人。
何かを作るのは面白そうだけど、創作する時間もないし自分なんかにできるのかわからないよ、という人。
創作活動をすでにやっているけれど、本当にやりたいことなのかわからなくなってきた、行き詰まりを感じているという人。
おすすめの本です。よかったら読んでみてね。
今日の音楽は、「ウィスタリア」です。
こちらはリメイク版、原曲は2011年という古い曲です。
とはいえリメイク版も8年以上前だ……。時間が経つのは早い。