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*自家採取のススメ・自然交配と一代交配


 
家庭菜園を始めてから、毎年毎年種を採り続けてきた。
毎年いろいろな種を採っていると、様々な変化が見られる。

例えば色の違う人参を育てて種を採ると、
それらが交配し合ってしまい、色が混じった風変わりな人参ができてきたり、

大根も、赤大根と黒大根と白大根が混じって黒っぽい白大根や
首が赤い白大根になったり、

カボチャ同士も交配するから、蒔いたものとは形の違うカボチャが
できたり・・

自然界では同じ科同士で交配し合い、親とは違う姿形に変化するということが起こっていて、
その中から強いものが生き残り、固定され、固定種や在来種が出来上がる。

そこで、時には人間が介入し、新しい品種の中から
美味しいものや、強いもの、虫に食べられにくいものや、
暑さ寒さに強いもの・・など育てやすいものを選抜し
それらを固定することもある。


三尺ささげ


巷で売られている野菜達の多くは、F1種(一代交配種)といって、
消費者や農家、流通が求めるような、
美味しくて、甘くて、大きくて、形が揃っていて、多収で病気にも強く、
虫もつきにくい野菜を人の手によって改良されたものだ。

農家さんや流通には扱いやすく育てやすく、とても素晴らしいものに思えるのだが、
この種は一代限りで、代々種を採り続けるということが出来なくなっている。

菜園を始めた頃は、そんなことも知らずに
ホームセンターや種苗会社から種を購入し、F1種の野菜を育てた。

それらからも種を採ろうとするのだが、採った種を翌年育ててみると、
元のものとは違うものができたり、
ひどく味の悪い野菜に変化したりして驚いたものだ。
中には種自体ができていないものもあった。
 

宮古島黒小豆



自然に交配したものと、人間が人間の都合で作りあげたF1種との
大きな違いは、優良な親株同士を掛け合わせる際に、
間違って他の種と交配したり、自家受粉しないようにと、
雄性不稔株という雄しべを持たない株を母株として使うことだ。

雄性不稔とは、遺伝子の異常であり生殖異常であるから、
自然界では自然淘汰されるものだ。

そんな遺伝子異常の親株から種を作り、野菜を育てているのだ。
だから二代目のF2に種ができないという現象が現れるのかもしれない。
そんな、子孫を残せないような野菜を日常的に食べていて、
人間の体に支障はないのか?人まで雄性不稔になっていないかしら?
なんて心配になってしまう。
そんな不自然な野菜たちが健やかであるとは考えにくいが
そこら辺の研究は、きっと曖昧にされているのだろう。
都合が悪いからね!



小さな小さなバジルの種
こんな小さな種の中に、いったい何が入っているのだろうか・・
夢と不思議が詰まってるね♪
上の大きめは朝顔のたね


加工品の添加物や化学調味料なら、パッケージに記載されているし、食べる本人が選べばいいだけだけれど、
スーパーに裸で並んでいる野菜たちがどんな物なのかを知ることは困難だし、ほぼ選択の余地なく毎日買って食べることになる。

いったい何を基準に選べばいいのか?
どんな種を使って育てているのかを知ることは、一般の消費者には不可能というものだ。

農家さん達だって、悪気があってそんな野菜を育てているわけではない。
ただ、消費者のニーズに答えているだけなのだから。
そう、消費者が選ぶものを農家さん達は作っているのだ!

 

ディル 
トゲトゲのほうれん草


丹波黒豆と黒千石


種を採り続けるのであれば、固定種や在来種でないと意味がない。
固定種や在来種は、F1種のように甘くて大きくて、
形が揃っていて、生育大盛で、虫に食べられにくくて・・というわけにはいかない。
キュウリは曲がっているし、トマトも茄子も大きさがまちまちで、
時には虫に食べられ全滅する。

けれど、その土地で何年も育てられた作物は、
その土、その環境に適した作物に変化し、
それらを育てる人の体に必要な栄養分を持ち、
無農薬無肥料でも育ちやすくなる。

前にも述べたように、育った作物の中から強く、美味しいもの、
自分が気に入ったものを選抜し、種を繋ぎ続ければ、
F1種にも負けないような、美味しくて強くて、育てやすい作物に進化させ、
オリジナルの在来種を作ることも不可能ではないのだ。

時間はかかるかもしれないけれど、自家採取とは
そんな夢と希望のライフワークなのである!

伝統野菜や固定種の種の通販|野口のタネ・野口種苗研究所 (noguchiseed.com)

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たねっておいしいんー?

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