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2018年7月の記事一覧
【短編小説】 ぼうやとシロヒゲ カミナリさがし
ある日の夜、ぼうやの住む町に台風がやってきました。
窓の隙間からごうごう、びゅうびゅうと低い風の音が聞こえてきます。恐る恐るカーテンを開けると外は真っ暗で、絶え間なく窓ガラスにぶつかってくる雨粒以外にはっきり見えるものはありませんでした。
突然外がピカッと光ったかと思うと、ほとんど同時にドーンと大きな音がしました。
びっくりしたぼうやは一目散にベッドに飛び込み、布団にくるまって耳をすまして
【短編小説】 ぼうやとシロヒゲ
ある日の昼下がり、ぼうやは庭にビー玉を並べて遊んでいました。
すると、頭の上の方からバサバサッと音がしてカラスがやってきました。
カラスはよちよちとぼうやの目の前まで歩いてきたかと思うと、何食わぬ顔でビー玉をくわえて飛び去ってしまいました。
「待って!ぼくのビー玉を返して!」
ぼうやは慌てて追いかけましたが、カラスはどんどん遠ざかっていきます。
「待って!待ってよ!」
しばらく走っている