おすそわけ日記 27 「書く為に書く循環」
今、私が毎日書いている文章は、noteの他に二つ。
一つは、「和暦日々是好日」(LUNAWORKS刊)と云う旧暦に則した手帳。全てのページに歳時記の様な身近なことから宇宙規模のことまでが書かれたコラムや、江戸時代の文献を主にした挿絵が描かれていて、手にするだけで嬉しくなる一冊。
もう一つは、「新版ずっとやりたかったことを、やりなさい。」(ジュリア・キャメロン著/管靖彦訳/サンマーク出版刊)と云う本で勧めている、モーニング・ページ。脳の掃除のために、毎日(朝)、手書きで三頁、思ったままに好きなことを書く。創造性の復活のために十二週間続けることが推奨されている。
手書きで書くことは、私にとって純粋な歓びで、自分のために書く行為。例え、それが手紙であっても。一方、画面に向かって文章を打っている時は、どんな内容であれ、文体を整え、読み手を意識したネタ体裁にしようとしてしまう。
三十代前半から足かけ十二年に渡って日記のメルマガを書いていた当時、お世話になった編集の方に「大橋さんは自分自身がネタだからいい。」と言われたが、今はnoteのネタに悩む日もある。
基本、日記の様なエッセイの様な、毒にも薬にもならず、くすっと笑える所がある文章が書けたらいいと思っているので、そんなに気負ってはいない。
ただ、平らかな気持ちを願いつつも、気持ちの落差に翻弄される時があり、そんな時は、手書きでまず感情を出し切ることが、ものすごく役立ってくれる。
ネタ出しと云う意味でも、手書きは効果がある。手を動かして自分の内側の波に乗っているうちに思わぬ所に意識が流れ着き、ネタに結びつく。
書く為に書く循環が起きている。
思い起こせば、noteの存在を教えて貰い、勧められたのが昨年の春。それからずっと重い腰を上げなかったのに、ある時突然アカウントを作って書き出すようになった一番の後押しは、モーニング・ページだった。
手書きで毎日量を書いているうちに、自分の中の書きたい欲と再び繋がり、今度はnoteを始めた歓びをモーニング・ページやFaceBookなどに書く様になった。一度火が点いた欲望は燃え広がるのが早い。
手書きで書くこととキーボードを叩いて書くことが、相互に栄養を与え続けて、とめどなく循環するのが、私の理想。