見出し画像

ロマン・ポランスキー監督のジャンル映画職人ぶりが凄い「チャイナタウン」

午前十時の映画祭でロマン・ポランスキー監督の1974年の作品「チャイナタウン」を観ました。
テレビでは何度か観ていましたが劇場で観るのは初めてかも。

物語は

抑えた演技でも魅せる!

1930年代のロサンゼルス、私立探偵のギテスは水道局幹部のホリスの浮気調査をホリスの妻から依頼される。
ギテスはホリスが若い女性と密会している姿を写真に撮り現場をおさえるが、その写真が雑誌に掲載される、さらにギテスの事務所にホリスの本物の妻が現れ…

ジャック・ニコルソン!フェイ・ダナウェイ!!

キャスティングが激ハマリ!

ジャック・ニコルソンといえば自分の世代だと、「シャイニング」や「バットマン」のジョーカー役などクセの強いキャラクターのイメージが強いですが、それ以前にはこんなに抑えた演技で魅了することも出来る俳優だったんだと改めて気づかされました。
フェイ・ダナウェイは本当にあの時代の人に見えるレトロ感すら漂うゴージャスなルックで、ファムファタール感がたまりません。
また彼女の父役のジョン・ヒューストンが本業監督とは思えない貫禄でラスボスとして登場し、最後に主人公に地獄を見せます。
脇役のバート・ヤングも「ロッキー」と並ぶ名演技でニコルソンを支えています。冒頭に彼が浮気され夫としてため息つくだけで世界観はバッチリ完成していました。
ポランスキー本人も滅茶苦茶インパクトある登場をしていて、器用さが伺えます。

映像と音楽のゴージャスさ

ジェリー・ゴールドスミスの音楽もまた往年のクラシック映画風でレトロ風な映像とあいまって、物語に酔わせてくれます。

タイトルのチャイナタウンは

物語のクライマックスがチャイナタウンで展開し、主人公にとっては最悪な結末となりますが、刑事が「チャイナタウンだから」と言って終わるの見事な〆ですげえなと思いました。

ロマン・ポランスキーの職人監督ぶりが凄い

ポランスキーはアーティスティックな作品でポーランド時代に注目されながら、ハリウッドでは「ローズマリーの赤ちゃん」というオカルトホラーの元祖のような映画も作ってしまうし、この作品みたいにフィルムノワールも完璧に作り上げてしまうのが半端なく凄いです。
ただ少女に対する暴行事件のせいで、アメリカには戻れない身になってしまったのが残念。

まだまだ現役ポランスキー

とはいえ現在もコンスタントに作品を発表し続けるのは凄い。
年齢を調べてみたら1933年生まれで91歳。最後の映画が2022年だから山田洋次と最高年齢現役監督を競り合っている感じか。
新作はまだ観られるんだろうか?

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集