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ディテールはツッコミどころ満載だけど勢いで見せる映画だった「ショウタイムセブン」
2013年の韓国映画「テロ,ライブ」を「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」の渡辺一貴監督がリメイクした「ショウタイムセブン」を観てきました。
一応「テロ,ライブ」も事前にチェックして予習しました。
物語は
人気TVニュース番組「ショウタイムセブン」のMCをある疑惑から降板させられラジオ局に左遷されたアナウンサー折本の番組に火力発電所の爆破予告をする電話がかかってくる。いたずらと思った折本は電話を切るが直後に火力発電所が爆発する。
これは本物のテロだと確信した折本は「ショウタイムセブン」のプロデューサーに電話し、放送中の「ショウタイムセブン」で犯人との電話のやりとりを放送させることに。犯人の要求はどんどんエスカレートし、スタジオでも爆破が行われ、スタジオにいる全員が人質にされてしまう。
局には警察関係者が現れ、犯人の居場所を突き止めるために協力を要請され、折本が電話で犯人とのネゴシエーションを開始するが…
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ツッコミどころは沢山あるけど
「テロ、ライブ」では朝の番組だったのがこの作品では夜の番組となり、リアルタイムで事件が進行していきます。ところどころはオリジナルそっくりに再現されてもいますが後半の展開は完全に日本版オリジナル。
夜の7時にニュースの生放送を民放でやることは現在ではないし、スタジオに客入れするのなんて普通はバラエティでしかやらないことです。
犯人が誰なのか声を聞いたら一発でわかってしまったりするし、かなり遠くの火力発電所の爆発音が防音のはずのスタジオ内で聞こえてきたり、犯人が技術スタッフしか触れない音声機材に爆弾をしかけていたり、普通にありえないことがしれっと行われていたりします。そんな不自然さも勢いでごまかしている感じがすごい作品でした。
吉田鋼太郎のプロデューサーとか阿部寛のニュースキャスターはいかにも平成のテレビマンという感じでキャラクター的には面白かったし、めるるの女子アナが実にそれっぽいのも楽しかったりしますが、ディテールがありえないことだらけなのが難点です。
平田満の犯人の元教師を全然裏取りせずに出演させることなんてまずありえないし、ネタバレですが彼が局内で働いていた人物だったという設定がますますありえません。
そんなこんなでテレビ局を批判的に描く内容であり、しかもリアリティのない描写が満載なのでテレビ局がこの作品を大々的にバックアップして宣伝してくれることはなさそうです。
役者の鬼気迫る演技は十分楽しめますがオリジナルのダメなところがそのままだったりするのが残念でした。
フジテレビの信用が揺らぎまくりの現在、ある意味、すごいタイムリーな作品とも言えますがリアリティーの無さゆえにそうとも言えない仕上がりになっているのが残念。
とはいえそこそこ面白かったのは確かです。阿部寛の司会ぶりは往年のクイズタイムショックの田宮二郎さんそっくりでゾクっとしました。