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単純じゃないものを、想像して考える。「死にがいを求めて生きているの」感想

「正欲」が面白かったので、まだ読んでいない朝井作品を読みたくなりこちらをチョイスしました。

雄介のような人間は、理解に苦しむ人物ではあるけど、対話や歩み寄りをやめない智也に感心してしまう。自分の信念のためとはいえ、ずっと投げ出さずに雄介のそばに居続けるってどんな気持ちなのだろう。頭おかしくなりそう。

対立する→対話する→お互いが違うことに気づく→なぜ自分と同じじゃないのか理解できない

からの、

理解できないなりに認め合うか。
理解できなくて衝突するか。

戦争もこんな風に起きるのかな、とぼんやり考えてしまう。
言葉にすべて当てはめられるほど、世界は、人の心は、単純なものじゃないんだよ、というメッセージ。「正欲」にもそんなようなのがあったのを思い出した。

自分の身近な人間関係然り、人と人の関わりは、対立の図式を用いると、確かに何でもわかりやすい。目の前のこと、単純化しないで、もっともっとよく自分の頭で考えないと、想像しないと、と思いました。

個人的な感想としては、コミュニティに所属しているだけで安心する心理、「活動している自分」をアピールするところはあまり共感できなかった。
「やってる風」を見破られ、イタいやつと思われることを何より恐れていたので、まさに雄介のような目立ちかたするのが一番怖かったなあ。というかこんなにわかりやすいくイタい学生現実にいるのか…?笑

まあ今思うと、「何かしら活動している自分を周囲に見せたい」みたいな気持ちは少なからずありましたよね(当時は気づいてないけど)。純粋に活動自体を楽しめることじゃないと嫌だ、と思っていたけど、多少は外面を気にするものだよね。今も昔も。

螺旋プロジェクトの一環ということだそうなので、他のシリーズも読みたくなりました。海山伝説の理解深まりそうだし、何より、「隠されたメッセージ」というのが気になる。あと7作も読み切れるかしら・・・・・・・。

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