【本38】女性の視点で見直す だれもが働きやすい「最高の職場」をつくる 人材育成

『だれもが働きやすい「最高の職場」をつくる』
という部分が、私のやりたいことと同じだったので、惹かれて借りました。

『はじめに』に書かれていることが、1年半前くらいに「“女性活躍推進”について女性メンバーで考えてみてほしい」という、あるプロジェクトから派生した分科会での検討の末に、私たちがプレゼンした内容とほぼ同じ内容でビックリしました!

そうそう!ほんとにその通り!!

☆本の内容☆
「女性が働きやすくなる必要条件」だけを伝えたいわけではない。
ジェンダー(文化的性差)を皮切りにしつつ、「僕たちみんなのこれからの職場環境や働き方がいかにあるべきか?」を論じる本。

職場のマジョリティ(多数派)は、職場の機能不全に対して鈍感。
ときに、これらの事実に気づいても、見えないふりをするかもしれない。
一方、現代の職場には育児、介護、ハンディキャップ、病気など、さまざまな事情を抱えながら働く人々ーいわば職場のマイノリティ(少数派)が増えてきている。
健康寿命が伸び、長く仕事をしなければならない状況に直面するなかで、そうした人々の数はこれからもどんどん増えていく。
あるときまではマジョリティだった人が、ある日突然にマイノリティになるケースも、決して珍しくない。

さまざまな事情を抱えた人々が、やりがいを感じながら長く働き続け、かつ、幸せな人生を営むためには、何が必要なのか?

長期化する仕事人生を少しでも多くの人が「完走」するためには、どんな働き方・労働環境が求められているのか?

あるときまではマジョリティだった人が、ある日突然にマイノリティになるケースも、決して珍しくない。
他人事ではない、ということ。
でも今現在マイノリティの立場でない人は、なかなか現実味を持って体感することがないので、実際に体感できるようにしてあげると分かりやすいかなと思います。
女性の例でいくと、仕事以外に家に帰れば家事などが待っています。
そういった日常的に体感できるものを体感できるよう、仕組みとして作られている会社もありました。
(サトーホールディングス)
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO09816050S6A121C1TY5000/
(リクルート)
http://www.recruit-mp.co.jp/feature/company/post_59.html
年齢が上がれば上がるほど、家事をされたことのある男性の割合は減ると思うので、余計にイメージしにくいのだろうなと感じます。
それはしょうがないことです。
私はまだ介護をしたことがないので、介護をされている方の大変さや思いなどは分かりません。
だけど、それを「体感していないから分からない」で済ませるのではなくて、それぞれの環境にあるみんなが働きやすい職場ってどんな職場だろう?ということを、みんなで考えなくてはいけないのだと思います。
何かきっかけがなければ、自身の働き方を変えることはほぼ無いと思います。
働き方を変える、ということは、今までと違ったやり方を自分たち自身で考えなくてはいけないからです。
そこにはかなりのパワーが必要になります。
今、『フルタイム+残業+休日出勤』で働いている人のどこにその余裕があるのでしょうか。
サトーホールディングスさんの事例にもありましたが、トップの方たちがどれだけの思いを持って取り組もうとしてくれているか、その姿勢や熱意が社員に伝わっていくという形が理想的だなと私自身は感じました。
私個人は、プレゼン後委員会を立ち上げさせてもらい、1年間活動した結果『余裕がない』という現実に何度も何度も直面しました。
そうなったらすることは一つ。
『余裕をつくる』ことです。
今は『余裕をつくる』ことに向けて、動き始めたところです。

女性をはじめとした「多様な働き方を求める人々」が、もっと働きやすくなるよう、自らの組織や職場のあり方を見直していく必要がある。

人を育てたいなら、まず職場を育てよう。

つまずくのは「キャリアの移り変わり」のタイミング。
人はキャリアや役割が大きく変遷するタイミングで、挑戦課題を乗り越えるための支援を必要とする。

これは女性がどうとかの話ではなく、組織で働く誰にでも当てはまることだと思います。

なぜ残業は減らないのか?
最大の理由は、人材育成の機能不全によって「職務の割り当てに無駄が生じること」。
単純に言うと、「職場の中に仕事のできる人と、できない人がうまれ、できない人の仕事をカバーするために、多くの人々が残業している」ということ。
スキルの高いメンバーに業務が集中する。
もう一つは、職場内の同調圧力により、「帰りにくい雰囲気」が蔓延するといったケース。
3つめは「仕事の見直し不足」。
慣習になっている非効率なやり方や、生産性が低いまま放置されている業務・制度がないかなど、職場のなかの仕事を絶えず見直すこと。

なぜ残業が減らないのかという問題は、色々な企業が直面している問題です。
それぞれの企業にあった形での取り組みが必要となるところですが、はじめらへんに書いたように、「考える余裕」を作り出すことから始める必要があると思います。

人が自信をつけるためには「できなかったこと」が「できること」に変わる体験、すなわち「成長」や「学び」を実感することが必要。
ここでの職場の上司の役目は、一定の背伸びをすれば部下が達成できるような「ちょうどいい仕事」を手渡すこと。
言葉にするととかなりシンプルだが、かなり意識して行わないと、実践することは難しい。
日頃の丁寧な「観察」によって、部下の能力を正確に把握することが必要。

経験を学びに変える「リフレクション(振り返り)」。
「やってみる」→「振り返る」のサイクルをコーディネートする。
振り返りは、次の3つの質問に対して考えを巡らすことで深まる。
what?(何が起こったのか思い出す)
so what?(何が良くて何が悪かったか、起きたことの意味を考える)
now what?(これからどうするのかを考える)

部下の能力を正確に把握すること、とても難しいところですね。
日頃の丁寧な観察と、対話が必要になります。
上司の方からのコンタクトはもちろん、それぞれの社員が自分からアクションを起こすことも必要かなと思います。
自分がどうなりたいと思っているのか、どんな考えをしているのか、発信をすることが大切です。

昇進受け入れのキーになるものは男女で異なる。
女性は「なぜ自分が選ばれたのかという理由や意味づけで昇進を決意する」。(why me?)
・理由を具体的に伝える。
・メリットではなく、サポート体制が求められている。
・一方的な通達ではなく、意向確認に基づいた「対話」を行う。

私はみんなそうだと思っていたので、びっくりしました。
男性は「もらうお金や権限の拡大から昇進を希望する」という調査結果でしたが、よくよく考えると、男性は今まで、昇進の際になぜあなたか、という部分を伝えられずに昇進してきた結果、それが当たり前になってしまっただけなのかなと思います。
認めてもらえることは、誰にとっても嬉しいことです。
なぜ自分か、という部分を知ることは、その後の自分の成長にとっても大事なことだと思います。

・日本企業の人材開発の特徴
あまりにも新入社員時期に偏っており、リーダーやマネージャーになったタイミングでは、そこまでの支援はない。(主任に就任した直後や、管理職に就任した直後にちょっとした研修があるくらい。)
新入社員に支援が必要なのは言うまでもないが、アンバランスな状況を見直す必要がある。
より大きな「つまずき」や「段差」が待ち構えているリーダーやマネージャーにも、同程度、またはそれ以上のサポートを検討するべき。

確かにそうですね。
プレイヤーからリーダーやマネージャーになる場合、今までの仕事の仕方とはかなり違ったやり方をする必要があります。
見るべきこと、考えるべきことも変わってきます。
しかし、それに対しての支援は形だけの「研修参加」になってしまっていると感じます。

仕事と育児の両立
この言葉にはジェンダーバイアスがかかっている。
「仕事と育児の両立ができていますか?」という質問は、「共働き家庭の男性」にも投げかけられていいはずなのに、男性にそんな事を聞く人はほとんどいない。
夫婦で家事・育児を分担するために何が必要かを日頃から考えること。

「仕事と育児のバランスをどうするか?」ではなく、「仕事も育児も当たり前に行える職場をどうつくるか?」「そのために、職場の上司・同僚・人事・経営、そしてパートナーや家族に何ができるか?」というように問いを発してはじめて、無理せず持続していける、安定感のある答えを探っていける。

『共働き家庭の男性に、「仕事と育児の両立はできていますか?」と聞くことはほとんどない』というのが、日本の男性の家事分担率の低さを表しているな、と思いました。
だんだんとこの傾向は変わっていくのだと思いますが(共働き家庭が増えていき、男性の家事分担率が上がる)、それを受け入れる働き方が整っていなければ、会社か個人のどちらかが潰れてしまうことになりかねません。

限られた時間内にパフォーマンスを上げる、単位時間あたりの仕事量いわゆる「生産性」を高めるという発想になる。(時間の使い方を工夫するようになる)

自発的に「助け合い行動」が起きる職場がベスト。
「助けを求める側」だけでなく、「助けを求められる側」であるメンバーをフォローできているか?
ヘルプに応えたメンバーを、きちんと「評価」すること。

夫(パートナー)の意識
「僕はけっこう育児の手伝いをしています」
「育児(や家事)の“手伝い”」という表現自体に「育児(や家事)」に対する当事者意識の無さ」が見え隠れしている。

パートナーには、子育てを「手伝う」という中途半端なスタンスではなく、「育児」というプロジェクトを共にやり遂げるチームのメンバーとしての自覚、いわば「チーム育児」の発想が求められる。
とはいえ、これは男性陣にとっては、必ずしも単なる負担増だけを意味するわけではない。
「チーム育児」は、さまざまな仕事能力に対して、ポジティブな影響を与えることがわかっている。
要するに、育児期を夫婦共働きで乗り切った経験が、仕事で必要な能力やスキルの伸長にも正の効果を与えることが、実証的に明らかになっている。
子育て期間を「仕事ができない時期」とネガティブに捉えるだけでなく、貴重な「学び」のチャンスとして前向きに位置づけていく。

今までの、『男性は仕事、女性は家庭』という環境の中で出来上がってきた働き方は、今後できなくなっていきます。
個人の感情の中にも、働き方に対しての意識変化は現れてきていると思いますが、組織がそれに対応できていないのではないかなと思います。
どんな働き方がベストなのかは、その組織の置かれている状況によって様々あると思いますので、まずは理想の働き方をみんなで考えることが必要なんだと思います。
そのとき、はじめにあったようなマイノリティとマジョリティを意識しながら、自分たちの環境を対話によって共有していくことも必要になってきます。
そして、それでも理解が出来ないとしたら、体感してもらうことも検討していくようにすると良いのかなと思います。
『だれもが働きやすい「最高の職場」をつくる』
それに向かって、出来ることをやっていきましょう!


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