【本41】職場を幸せにするメガネ

前から読みたいなと思っていた本ですが、なかなかタイミングが合わずやっと読んだ本です。

アドラーの考えを元にした内容で、以前に読んだ「嫌われる勇気」よりも分かりやすく、読みやすい本でした。

著者の小林さんの体験と気付きを絡めて、書かれているので、共感できるエピソードがとてもたくさんあります。

☆本の内容☆

こんな職場は幸せ?

○1人だけ声の大きい職場
決断を下すのは常に一人で、周りから意見やアドバイスを求めることはせず、独断的に物事を進めていく。
○一日中一言も会話がない職場
朝の挨拶を交わすこともなく、静かにデスクに座って仕事をしている。
○全員がイライラしている職場
「何か面倒なことでも頼まれるんじゃないか」「ダメ出しでもされるんじゃないか」といった空気に満ちている。
○あきらめてしまっている職場
「どうせムリ」など、やる前から無理と決めつけ、やるだけ損、頑張る人はカッコ悪いというムードが漂っている。

1日の大半の時間を過ごす職場。
その職場が幸せな場所になったら、どんなに人生が輝くことでしょう。
その幸せな気持ちは、会社を超えて家族へ、家族を超えて地域へ、自分が関わる様々なコミュニティへと広がっていきます。
想像してみるだけでワクワクしますね!!

○社員すべてを幸せにする
職場を、そこに集うすべての人にとって、幸せな場所にする。
誰一人の例外もなく、すべての社員が幸せな場所に。

○「頑張っていない人はいない」

もしかしたら今は、あなたの頑張りを認めてくれる人が誰もいなかったり少数だったりするかもしれない。
誰よりもまずあなた自身が、あなたのこれまでの頑張りを、今ここで認めてあげてほしい。

そして、あなたが十分頑張っているのと同じように、実は部下も一生懸命頑張っている。

ただ、頑張り方が分からなかったり、頑張り方の方向性が少し違ってしまったせいで、お互いの頑張りが噛み合わなかっただけ。
そして、そんな空気に疲れ果ててしまっただけ。

この言葉も心にグサッときました。
『お互いの頑張りが噛み合わなかっただけ』『そんな空気に疲れ果ててしまっただけ』。
ほんとにそうなんでしょうね。
自分だけの視点からでは、自分が頑張っていることを認めてあげることは簡単かもしれない。
でも、同じように周りのみんなも頑張っている。
噛み合わず、疲れ果てていても、頑張ってきた。
それをみんなで共有したら、もっとみんなが楽になれる。
誰かのことを非難したり、不平不満を言うよりも、みんなの頑張りをみんなで共有することに、力を注ぎたい。

○メガネをかけ替える

リーダーは「幸せの専門家」である。
すべての人に「自分軸」があり、誰もが「人生の主人公」として生きることができる。

「自分がこの職場で心から見たいと願っていた場面は何だろう?」
ということを、とことん考える。
その場面が浮かんできたら、次は
「なぜみんなはそうなっているのだろう?」
ということを、とことん考える。
その先に目指す職場のキャッチフレーズが浮かんでくる。

自分が思い描く理想の状態を言葉にしようと思ったら、とことん考え抜くことが必要です。
言葉になったら、今度は周りに伝えていくことが必要です。
とことん考えた土台があれば、相手に伝える時にも役に立ちます。
自分の想いを言葉にして伝える、このコミュニケーションがとても大切なものとなります。

「言行一致」
理想の職場をとことん考えたら、まずは自分自身がそれを体現する。

言行一致というのは、言っていることとやっていることが一致しているということで、信頼関係を築く土台となるものだと思います。
理想の職場のイメージを掲げていても、それに行動が伴っていなければ、誰も本気にならない。

○職場マネジメントで大切なこと

1、認知論
2、共同体感覚
3、目的論
4、勇気づけ

※認知論
「世の中に真実などない。あるのは主観的な解釈だけ」「誰もが自分だけのメガネを通してモノを見ている」
私たちはありとあらゆる物事に対して、「認知のメガネ」をかけて見ている。
常に膨大な数のメガネを持ち歩き、物事に応じてさっとメガネをかけ替え、物事を見ている。
なかでも、あなたの「ずっと信じてきたこと」や「かたくなに信じていること」は、特にお気に入りのメガネ。
そのため、とても頻繁にそのメガネをかけたがる。

そのお気に入りのメガネ、それこそが主観であることをきちんと理解しておくことが大切ですね。
それは自分にとってはお気に入りでも、人には当てはまらないということ。
みんなそれぞれ違ったメガネをかけている。
違う景色が見えている。
そのことをちゃんと頭に置いておくこと。

○幸福の3条件

※共同体感覚
『自分が好き』『人は信頼できる』『私は貢献できる』の3条件を満たせば満たすほど、人は幸せになれる。
何をすることでそう感じるか、その中身は人それぞれで違う。

それぞれを3つのコップに例えて、水を入れてみる。
こうすることで、「あなたの幸福度」が見える化される。
①それだけの量の水を入れることができたのは何があったからなのか、を考えてみる。
②「水を増やすために何ができるのか」を考え、実行に移す。
③「誰もが心の中にこのコップを持っている」。
     相手のコップの水を増やすコミュニケーションを取ってみる。

この幸福の3条件は相互に関係しあっている。
自分の貢献を認めてくれる、自分の頑張りを見ていてくれる、そう思えるからこそ、上司や同僚が信頼できる。
いくら一生懸命頑張っても上司や同僚から認めてもらえなければ、頑張って貢献しようとは、いずれ思えなくなる。

幸福度を見える化する。
面白い発想だな〜と思いました。
皆さんもぜひやってみてください!
私自身は結構水の量が多かったですが、周りの人のコップの水を増やすコミュニケーションを取っていたのかな?と考えさせられました。
これからコップの水を意識してみよう。

○過去の「原因」ではなく、未来の「目的」に着目する。

※目的論
人間は「未来に成し遂げたい何らかの目的」があって、感情を生み出し、行動している。
例えば何か問題が起こった時、「過去の原因」に解決を求めるのではなく、『本当はどうなりたかったのか?』という部分(未来)に目を凝らし、耳を澄ますこと。
そうすることで、『真の課題が見つかる』、『自然と個別のコミュニケーションになる』、『共同体感覚を持ちやすくなる』。

どうしても過去に戻りがちな思考を、未来に向かわせる『本当はどうなりたかったのか?』という質問。
日常的に使えますね!!

○勇気づける

※勇気づけ
褒めても、叱っても、受け取る側の「共同体感覚」が強まれば「勇気づけ」、弱まれば「勇気くじき」。
一人一人、しかもその時々の状況によって、「共同体感覚」が強まる関わり方が違う。
本当はどうなりたくて、どんな価値観を大事にしたいのか、を大切にしながら一人一人と対話を進めること。

ペップトークの時にも思いましたが、これがとても難しい。
一人一人との対話を大切にしようと思えば、自分に余裕がないとできない。
まずは気持ちの余裕を。

○組織の成功循環サイクル

『より大きな成果を挙げたけれは、一見遠回りに思えるかもしれないが、職場の関係の質を向上させることに力を入れることが先決である。』

お互いの信頼関係が増すことで、思考の質がアップし、それが行動の質、結果の質につながる。
結果が出ることでさらに職場の関係の質が向上し、好循環になる。
【グッドサイクルを加速する関わり】
①結果の質…結果はコントロールできない要因にも左右されやすいので、結果だけにとらわれない。
②関係の質…仲間を尊重したり、一緒に取り組もうとする姿勢を賞賛する。
③思考の質…今までにない自由な発想や独創的な考え方を推奨する。
④行動の質…自発的な行動や前向きなチャレンジは、たとえ結果に結びつかなくても奨励する。

どうしてもすぐに結果を求めがちですが、良い結果を出すためにはまずは『関係の質』を向上させることが必要ということです。
関係の質が向上しなければ、最終的な結果の質が上がることもない。

お互いの存在を認め合い、「自分はここに存在するだけで、誰かに何かを与えることができる存在なんだ」と一人ひとりが感じあえる場こそが、最高の「幸せ職場」。


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