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いちごつみ短歌 5月号 (vol.6)
※文芸ユニット【午前0時】のいちごつみ短歌です。紅井りんご(♧)→昼行灯(♣︎)の順で詠みました。
灰色の雨が降る日はいつか見た虹の色さえ思い出せない ♧
青色の瓦の波間に蝶の影ブルーホールを思わせ泳ぐ ♣︎
忘れもの置き場にピーターパンの影 こどもみたいな大人ばかりだ ♧
大人でもジャングルジムを世界から隠れるための基地にしていた ♣︎
真夜中のジャングルジムから見下ろしたあの頃よりも狭い公園 ♧
黙々と無限のマリオ落としても埋まることない穴や真夜中 ♣︎
有限の暮らしのなかで僕たちは無限キャベツの味にも飽きて ♧
僕たちはレベル40歳を過ぎハイポーションでも全快できない ♣︎
失恋の歌を泣かずに聴けたとき傷が全快したのを知った ♧
約束をしていたように失恋を弔うように咲いたタンポポ ♣︎
[摘まれた語]色、影、大人、ジャングルジム、真夜中、無限、僕たち、全快、失恋