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自由律俳句

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#note俳句部

自由律俳句26

借りた本からその人の匂い

タイムラインで見た虹を空に探す

気が狂いそうなほど真っすぐな道

海から帰って床ざらついている

雲がちぎれて月が笑った

自由律俳句25

誰にも見せなかった詩を捨てる

目がさめて淋しい夢の余韻

わたしの中に燃え残っていたもの

朝顔が夕方まで

金星が街を見おろす夜のはじまり

自由律俳句24

もう会えない人がつけた傷

どこまでも白い曇り空が眩しい

狂ったままの時計と暮らす

独りの部屋に声ひびかせてみる

立ち止まれない春を進む

自由律俳句23

昨日いた雪だるま今日はいない

やりきれない空に薄い昼月

心にも成長痛があると知る

皮ごと食べていい葡萄か迷う

サントラまで買ってしまった