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武蔵野の崖上の森と庭と街を歩く(大荷物速歩きスタンプラリーの記録)

10月は2つのスタンプラリーを同時に進めていた。多摩の魅力をめぐるデジタルdeスタンプラリーと、第21回・森の地図スタンプラリーだ。これらを進めるべく国分寺や国立を歩き回ったある日のことを記録しておきたい。

西国分寺駅

スタートは西国分寺駅。南の方にどんどん歩いたら、すぐに緑いっぱいの道になったから驚いた。西国分寺史跡通りというらしい。

武蔵国分寺公園

細道を抜けて高架橋を渡り、多喜窪通りを東に進むと武蔵国分寺公園に到着した。多喜窪通りを挟んで北側は円形広場があって芝生で憩う親子連れがたくさんいた。まさにのどかな休日。スタンプが設置されている公園事務所ではかわいいたぬきのイラストがあった。

ぽてぽてしたたぬきさん

多喜窪通りの南側にはこもれび広場と、木が生い茂った野鳥の森がある。そこで「森の中美術館」なる企画をやっていたので見てみることにした。

公園事務所でもらったパンフレット

行ってみると、各作品の作家が考えたクイズラリーがあるのでやりませんか?と言われ、時間的制約と荷物の重さが頭をよぎったがついついやりたくなってしまった。

日沼智之氏の作品。何だと捉えるかは見る人に委ねるとのこと
久保萌菜氏の作品。こもれびをサンプリングしたのだという
はっとりこうへい氏の作品。積み木のような色合いが森に映える
永林香穂氏の作品。なぜか愛らしい、人間のお腹の彫刻

個性豊かな作品たちに頬が緩んだ。クイズは各作家が考えているため難易度の差が大きかったが、クイズを解くという目的を持って作品を見るため飽きずに楽しむことができた。展示室に並ぶのとは全然違う味わいだと思うので、この展示方法で見られてよかったなと思った。

史跡武蔵国分寺跡の溝

湧水があるからか、10月とは思えないほど蚊が多くて早々に退散してしまったが、お鷹の道の辺りまで行った。ここも国分寺崖線なのでしっかり崖になっている。

奥が低くなっている感じ、伝わるかな…

そして武蔵国分寺の溝が史跡として保存されていた。こんなところにも露出展示があるとは!と驚く。

この場所の地下?と思いつつ反対側にまわると
復元だけど、部分的に露出されて見られるようになっている!両側の色が違うところがそうらしい

欧風カレー工房すぷーん国分寺

多喜窪通りに戻って国分寺駅方面に歩きだすも、空腹と荷物の重さが限界になってきた頃、美味しそうなカレー屋さんを発見した。国分寺市が押し出している地元野菜である「こくベジ」を使ったカレーもあるようだ。引き寄せられるままに入店。美味しくいただいて体力が完全回復した。

カラフルな素揚げ野菜、ありがてえ

殿ヶ谷戸庭園

やっぱり食事って大事。元気になって向かったのは国分寺駅近くにある殿ヶ谷戸庭園だ。ここも崖の地形を利用した庭園である。以前行った武蔵小金井の滄浪泉園と同様、湧水が湧き出ているのを見られる場所もあった。

崖上から見下ろした池
崖線と湧水の説明もある!

広々として美しい庭園で、エリアごとに違う趣があり楽しめた。紅葉の時期もきれいだろうなと思う。

平櫛田中彫刻美術館

まだまだスタンプラリーは続く。国分寺駅から西武線に乗って一橋学園駅で降りる。目当ての平櫛田中彫刻美術館は16時までで、入場は15時半までだ。早足で歩いてギリギリに入館した。受付は吹き抜けの空間で、1階→2階→地下の順で鑑賞するようになっていた。広すぎない、好きな規模感だ。スタンプラリーをやっている人にポストカードを配っているとのことで1枚もらえて嬉しかった。

住宅街に突然現れる

30分しか見られなかったが、彫るという行為だけで表現される様々な世界に圧倒された。特に、代表作である鏡獅子は、歌舞伎役者の立ち姿から表情、毛の流れまで狂いなく表現されていたのがすごかった。加えて鏡獅子を制作したときに役者にふんどし姿でポーズを決めてもらって観察したり写真を撮ったというエピソードが綴られていて、作り手の向き合い方も知れたのがよかった。

新幹線資料館ひかりプラザ

また西武線に乗って国分寺駅に戻ると、JRに乗り換えて今度は国立駅へ。もうだいぶ暗くなっているし疲れているけど、頑張って歩く。駅の北側は住宅や官舎らしき建物が多い。北にしばらく歩くと鉄道総研があり、ひかりプラザがある。ひかりプラザの北側に新幹線の試験車両が展示されていて、実際に中に入ることもできる。運転席も自由に触れるので子どもがはしゃいでいた。17時閉館のところ16時半過ぎに到着したのでギリギリだったが、外から見るだけでなく乗れるのがやはり楽しいので間に合ってよかった。

でーん
この車両が西明石から姫路を走った
中には鉄道模型や説明パネルがある
設置の様子の写真も!
向かいの鉄道総研

旧国立駅舎

駅に戻ったら今度は南側へ。旧国立駅舎は三角屋根がかわいい建物だ。今は使われていないけど、切符売り場の窓口なども保存されていたりする。近くにある古民家の解体・復元に関するパネル展示があった。ベンチに座っている人がまあまあいて、旧駅舎とはいえしっかり利用されているのが印象的だった。そして、遠目に見ても目立つ建物なので、よいシンボルになっていると思った。

木組みを実際に触れる展示もあった

たましん歴史・美術館

最後はたましん歴史・美術館へ。18時閉館で17時半最終入館となっているところ、ちょうど17時半に着いた。「コレクションでめぐる 季節のかたみ展」をやっていて、秋に限らずそれぞれの季節が薫ってくるような作品が並んでいた。小規模で落ち着いた雰囲気の美術館でよかった。下の階には歴史資料室があったようで、今回は時間がなかったけどそちらも気になった。

美術館は銀行の上階にある

まとめ

昼過ぎのスタートだったのでたくさん巡るには時間的制約があり、美術館等は全て時間ギリギリに入館することになってしまった。この日は荷物が多かったのにほぼずっと速歩きしていた。スタンプラリーの趣旨としては行ったことのないスポットに楽しく出かけてほしいという感じだと思うので、せかせかするのは正しくない気もする。でも少しずつであっても各スポットを楽しんだし、どの場所もこのスタンプラリーがなかったら行かないままだったかもしれないのでよいきっかけになってくれたと思う。今回訪れたエリアにまた行きたいし、またこくベジを食べたい。

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