木曜日の私は殺気立っている。 黒歴史時代(高校時代)を抜け出してからは、道に迷う人から声をかけられたり、小さな赤ん坊がニコニコ近づいてきたりすることが多い。 そういうときは「私も良いオーラが出るくらいまともになったんだなぁ」と己の成長を自負していたりした。 だが、木曜日だけは絶対に人が寄ってこない。 というのも、木曜日は唯一の出社日で、私が週の中で最も早送りボタンを連打したい曜日なのだ。 たった週に一度の出社で何を甘ったれたことを言っているのかと世間が私を罵倒する様子は容
人生は孤独だ。 どんなに良きご縁に恵まれても、血縁であっても、私の心のすべてはあなたには理解できないし、あなたの心のすべてを私は理解できない。 そういうものだと思っている。 悲しいけれど、この孤独こそが、私自身が、あなた自身が生きる証だと思うのだ。 孤独は生涯誰しもが貫き通さねばならぬ。 だから、簡単に人の孤独に介入してはならない。 しかし、「小さな」孤独は少し滑稽で、他人を和ませる。 先日、私は小さな孤独を赤の他人と共有した。 暑くなってきた5月下旬の日曜日。 私は
かがみよかがみ にてエッセイを掲載いただきました!人生で盛大な拍手を浴びた特別な日を振り返りました。ぜひご覧ください! https://mirror.asahi.com/article/15287405
いかにもなタイトルだが、これから述べるのはビジネス論ではない。 この自分の体たらく、クズ加減、溢れ出る毒を必死に隠し、会社員という肩書きで世間様の攻撃からいかに逃げようかと日々考えている人間に、ビジネスを語る資格などない。 ふと、大学のゼミの教授に問われたことを思い出したので書いてみる。 「皆さん、リーダーに必要なものは何だと思いますか?」 先生は、学生街のとある和食居酒屋で弱冠20歳の私たちに問うた。 学生は、思い思いに回答する。 「責任感です!」 「論理的思考力だ
今日は初めて、東京・六本木のサントリーホールを訪れた。 一度は生で聴いてみたいと思っていたラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を、辻井伸行さんの演奏で。 こんな機会はない。 金額を見ずにチケットを取り、出産前ライブ盛り込み期間のグランドフィナーレとしてこの演奏会に足を運んだ。 幼少からクラシックバレエを習っていたこともあり、クラシック音楽は私が1番好きな音楽ジャンルだ。 毎日のようにレッスンでクラシックを聴き、よく地元のコンサートホールに連れて行ってもらっていた。 それに加え
人間は、与えられたレールの上を進むしかない。 妊娠して熟睡できなくなったのか、夢を見ることが多くなった。 あのアイドルとデートしたり、あのアイドルと同級生になったりと、自分に都合の良い夢もたくさん見たが、これまでに3回、悪夢にうなされ号泣しながら起きたことがある。 初めての悪夢は「魔性の女に夫を取られる回」。 夢の中で、夫が田中みな実様とチュッチュしていた。 「まず、なんで田中みな実と知り合いなの?」 「いやいや、夫が田中みな実と恋仲になれる訳ないない」 などと、現実で
煽り文句、煽り運転など、煽るという行為はこの世から消えてほしいものである。 先日会社の歳の近い同僚と飲みに行ったときのことだ。 参加メンバーは男女6名。 新人の頃から顔見知りのメンバーだ。 ものすごく仲が良い訳ではないが、誰かが「久々に飲もうぜ!」と企画するとワラワラ集まるくらいの関係性。 社会人になるとこういう飲み会も少なくない。 「断るほどでもないし会社の人付き合いとしてとりあえず行っとこかー」と、6人全員が思っているに違いない。 既婚者は私だけで 話題はもっぱら、
吾輩は妊婦。名を赤井いくら。 私の手元には常に、「宇宙」と呼んでいるノートがある。 脳から湧き出る毒、偏見、懺悔、野望を思うがままに殴り書き、時にカッコつけた文章で書き綴るノートである。 このノートは、私の家族・親族・友人を超越した私の唯一の理解者である。 そこは宇宙。私の宇宙なのだ。 この宇宙に広がっている数々の星屑、いや、クズを、いくらかネタにして吐き、あわよくば誰かに拾ってもらおうという大変お恥ずかしい自己顕示欲に今日から従順になろうと思う。 自己顕示欲と反対に、