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#7-01 すきなものはすき 『正欲』

7月の1冊めで、ことし61冊め

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間違いなくわたしの人生という航路に波を立てる、物凄い1冊に出会いました。

今、この本の感想としてここにどんなことを書いても、ましてや人に話したとしても、この社会において、わたしが無自覚に、少なくともマジョリティに属していると思っている人間である限り、何もかもが無意味に思われてしまいます。

読む前と同じ自分ではいられなくなる点で、あまりに衝撃的な1冊でした。



いま、たしかにいえることは、この3つです。

-自分が「しっている」と思う世界や他者には、まだまだ分からないことがたくさんあって、いま、わたしがそれを理解しきれないことで、傷ついている人がいるということ。

-当たり前のこととして理解していても、それとは裏腹に、言動や行動で誰かを傷つけてしまっている、可能性を超えた事実がたしかに存在しているということ。

-有るものを無いことにして進んでしまうことがこの世界の属性として、確かに備わっていること。

多様性という言葉が意味する「多」もまた、第1党が投げた網の範疇に過ぎません。小さな声は網の目にかからず、浮遊を続けています。

網の目を細かく編んでいくことが正解なのか、はたまた網を投げることそのものをやめるべきなのか、今のわたしにはわかりません。

それでも、すぐにできることは何も無いとしても、「無知の知」であることを自覚するだけで、それが大きな潮流となり、世界がすこしずつ変わっていくかもしれないと、思う以外に期待をもつ術がないような気がします。そう信じる他ないように思われてなりません。


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