第15話 学芸員古沸妖の妄想宇宙論【実体験×科学×オカルト=ビックバン】いっしょにぶっ飛び!
人はなぜ生きるか?
1.出会い-1
──じゃあ赤木館主のアカシックレコード
ztk-000004311456357279097番。
ピピッとな。
それは27歳の時ですな、その前にお客様、ここはかなり重たいですぞ心して下され。
館主は昔映像業界でアシスタントディレクターをしていた。いわゆるADですな。
東京都福祉局の仕事で、若者の為の介護のビデオを製作するために、出演者候補の12歳の障害者とその家族に一人で会いに行った──いわゆるプレインタビューってやつです。
出演者候補の実態を取材して、今回の制作意図に合うかどうかを調査する作業です。
その日はお母さんと本人の二人が話しを聞かせてくれる事になっていて、自宅にお邪魔した。
「段取りはすんでるから、二人にインタビューして、写真を撮ってきてよ」
そんなディレクターの指示に従った。
12:00丁度にお母さんとアポイントをとって、介護の様子を写真に撮らせてもらい、お母さんに介護の内容や苦労話などを聞く事になっていた。
平成の初めの頃です、今とは違ってスマホやデジカメなどはありません、フィルムカメラとノートと筆記具が取材アイテムだった。
最寄り駅から歩いて30分ほどの場所にそのアパートはあり、暑い盛りで日光が燦々と注ぎ、雲一つない青空で無風だった。
ほんの5分ほど歩くと、赤木館主は汗だくになり、ヒーヒー言いながら歩いていた。
「何でこんな事しないといけないんだ、あいつ(ディレクター)が自分で行けってぇの」
そんな文句をぶつぶつ呟きながら、道端の自動販売機でペットボトル入の水を買う。
ガチャン。
出てきたペットボトルを手で取ると、キャップを開けてぐびぐび流し込んだ。
「ふー暑い暑い」
そして、事前に調べていた道順を書いた地図を片手に、再び重い足取りで歩き始めた。
──約束時間5分前になって玄関前にいき呼び鈴をおした。
どうしてその家族が対象に選ばれたのかは今もって不明だが…でも出会いには深い意味があった。
つづく
→第16話
第1話 1.プロローグ 2.ここは思念の世界です
第2話 3.物語を進めるにあたって
第3話 作用と反作用-1
第4話 作用と反作用-2
第5話 作用と反作用-3
第6話 概念における作用反作用-1
第7話 概念における作用反作用-2
第8話 心における作用反作用
第9話 思い出すってなんでしょう?-1
第10話 思い出すってなんでしょう?-2
第11話 思い出すってなんでしょう?-3
第12話 思い出すってなんでしょう?-4
第13話 オカルトなお話し-1
第14話 オカルトなお話し-2