アカデミー賞で露呈する分断と差別:創作のための時事勉強会65
※注意
本記事は時事的問題について、後で振り返るためにメディアの取材や周囲の反応を備忘録的にまとめたものです。その性質上、まとめた記事に誤情報や不鮮明な記述が散見される場合があります。閲覧の際にはその点をご留意ください。
事例概要
パレスチナとウクライナの停戦について
※3月11日にアカデミー賞が発表された
※アウシュビッツ収容所の隣で平穏に暮らす家族を描いた映画『関心領域』の監督がガザの虐殺についてスピーチ。
※『落下の解剖学』演者がパレスチナ国旗のバッジを身につけ連帯を表明。
※他にも連帯を示した人はいるようだ。
※ロシア、ウクライナについても言及あり。
※一方で批判もある。
アジア系・有色人種への差別露呈
※ロバートダウニーJr、トロフィーを渡す前年度受賞者キー・ホイ・クァンを無視。
※こちらも同様に前年度受賞者ミシェル・ヨーを無視したエマ・ストーン。
※黒人差別とはまた少し気配の違うアジア系への蔑視の問題が見えた。
個人見解
ここ数年でアジア系の演者、映像作品そのものへの評価が高まったことのある種のバックラッシュとも受け取れる状態のように見える。アメリカにおける有色人種差別の歴史は深いが、黒人差別のそれとアジア系ではまた少し、その様子が違うのかもしれないと思わせる。
個人的にはロバートダウニーJrがこうした反応をしたのは非常に残念だ。私はマーベル映画でもアイアンマンだけはすべて見ていたし、シャーロック・ホームズもベネディクト・カンバーバッチより先に彼のものを思い浮かべるくらいだったのに。
とはいえ他方、アメリカに住んでいるわけでもないし常に話題を追っているわけでもない自身としては、今回の事例はやや驚くものだった。さすがに2020年代に入って、ここまで露骨な差別的対応が公に出てくるとは思っていなかったからだ。すわトランプ再選かという時事的背景を考えると、牧歌的すぎる認識だったかなとも反省しているが。