家族と写真を共有
LINEのアルバム機能を使って、日常の利用者の様子を家族が見れるようにしています。
やっている事は単純で、
利用者の日常の様子をホームのスマホで撮り、LINEのアルバムにアップロードします。
家族とはLINEのお友達になり、「写真」というグループを作って入ってもらいます。
そのグループでアルバムを作り、家族がいつでも観たり写真をダウンロードできるようにしています。
※入居時に個人情報の利用について同意を頂いているのと同時にLINEグループで写真を共有する事についても同意を頂いています。
写真は似たような光景も多いのですが、家族が日常の様子を見れる事は大切な事だと思っていますし、ご家族が面会に来た時など、日常の様子の感想を頂いたりします。
家族が来ている時の様子とはまた違うホームの日常が見え、職員や利用者との関係性が見えるのが良いのだと思います。
普段の様子を知っている事は、利用者の状態を共有できるというメリットもあります。変化があった際に家族との話しがスムーズにいくと感じています。
例えば、毎日料理をしている様子を写真にあげていれば、調子が悪そうな事を伝える際に、「料理をしようとしなくて…」や、認知症の進行を伝えるにも、「あれだけできていた胡瓜揉みができなくなりました」等、様子を知っているから変化を伝えられます。
今回、この話しを書こうと思ったのは、コロナが5類に下がってからも面会を制限している施設が多いみたいなので、写真を共有する事のメリットを伝えて少しでも何かの参考になればと思い書いてみる事にしました。
面会ができない事の問題
面会ができない事の影響は沢山あると思うのですが、今回はご家族の視点で話したいと思います。
最近、当ホームから特別養護老人ホームに入居する予定のご家族が特養に移る事にすごく抵抗を示されました。話しを聴くと、面会できなくなってしまう事が大きな原因の様です。
移る予定の特養では、オンラインの面会と1階ホールでの面会は行っています。
しかし、そのご家族は実際に暮らしている場所を見る事が出来ない事に不安を抱いているようです。
確かに、予約をして会う事は出来ても、生活場面を見る事ができないと他の利用者や職員との関係が見えなかったり、「何かしてあげたい」と思っても、必要な物事さえわからない状態になってしまいます。
これから身内が入る施設の生活場所に入れない事は今生の別れと感じさせてしまうのかも知れません。
それなので、面会をコロナ前の様に生活場所でも再開する事が理想なのですが、特別養護老人ホーム等では制限付きの面会がまだ主流なようです。
重度化するリスクやクラスターが起きる事への感染対策を考えると、生活場所での面会はまだ難しいようです。
生活場面を写真で
そこで、日常の写真をLINEのアルバムに入れてご家族と共有してみたらどうでしょうか。
当ホームでは、コロナ前から写真を取ったら、それをプリントアウトして「こまば写真館」と銘打って、小学校の遠足写真を購入するような形で掲示していました。家族が面会に来た際にいつでも持って帰って良い事にしていて、面会時以外の様子が見れるようにしていました。
コロナになってから、面会を制限せざるをえなくなり、持って帰る人もいなくなったので、「こまば写真館」は廃止したのですが、ご家族が日常の様子を見れない事への危機感を感じてLINEのアルバム機能を使う事にしました。
日常の様子が見えない事の危機感
認知症ケアのポイント
認知症の方は、一般的に見て予期せぬ行動をする事があります。
しかし、その予期せぬ行動は当事者にとっては意味のあるものだと考えており、その行動を制限してしまうと、認知症の方にとって生きづらい世界になってしまいます。
それなので、認知症の方の行動に対して
大抵の事は許容し大らかにいる事が
ホームの役割だと考えています。
この考え方は、認知症ケアにおいては今では主流の考え方であるし、
これまでの経験値としても、認知症の方が活き活きする様子を沢山見てきているので、自信を持って言うことができます。
しかし、その考え方をご家族が実感として理解するには、
自由にしている事で笑顔になっていたり、のびのびしていているような様子を
現実に見る事が必要だと思います。
日常の様子を見る事はリスクマネジメントにもなる
リスクマネジメントとしても、
危険を予測して管理的な生活を強いるよりも
毎日自由に生活する事でお母様が生き生きしている姿をご家族が知っていれば、
例え転んでしまったとしても
転倒は自由を選択した上での結果である
と言う事を理解してくれる事が多い
と感じています。
それなので、
コロナ禍で面会を制限していた際には、私はとても危機感を抱いていました。
なぜならば、日常の活き活きししている姿を見ていない上で事故等が起きてしまうような状況になってしまい、
私たちの日々の取り組みとその結果である
利用者の生活を理解して貰えず、
起きてしまった事故ばかりに焦点があたってしまう可能性があるからです。
写真の共有お勧めです
という訳で、LINE(その他の媒体でも)で写真の共有をお勧めします。
ブログなども良いと思いますが、ブログはどちらかというと日常の様子というよりも行事等の全体をメインに語られる事が多いし、コメントを書く手間もいるので(それはそれで良いと思いますが)、
写真を撮ってアップロードするだけの写真の共有は
簡単に日常の様子を共有できるのでお勧めです。LINEでなら無料でもあります。
ちなみに、グループLINEはコメント不可としています。コメントがあるとお付き合いが生まれて面倒くさく感じる人も出てくると思うので、楽にドライに行っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。