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なりたい自分になる資格がないなんて

先日。

一人でファミレスに行った。
ファミリーがレスしている。

そも、育った家もファミリーがレスしているので僕のような人間にはお誂え向きかも知れない。ブラックジョーク。

お昼時なのでそこそこの混み具合ではあったのだけれど、テレビをつけっぱなしにしているような妙な落ち着きを得られて居心地の良さを感じたりもした。

ごはんがおいしかった。

休日の幕開けには良いスタートを切ったな、と思った。
コーヒーも、おいしい。

容赦のない真夏日。暑さも日差しも大嫌いだけれど、夏の終わりを感じさせる匂いが鼻をくすぐって、思わず郷愁に駆られた。

家に帰れば慣れ親しんできた我が家。ただこの日に限っては、馴染みある静謐さを手にして落ち着きを得ることよりも人恋しさが勝っていたために、夜には「ごはん行かない?」と友人にLINEを送ってみたりもした。

日頃、自分から人を誘うことがほとんどないために「なんかあった?」という返事が来る。

また、誰かから誘われることも、ほとんどない。ほとんど、というか皆無。「誘ってよ」と言うと「忙しそうだから〜」と言われる。これからはもう少し能動的になろう。呼ぼう、と思われる人になろう。

晩ごはんはひとりで食べた。これはいつものこと。



8月2日、AEROSMITHが「ツアーからの引退」の公式声明を出した。

昨今”フェアウェルツアー”を銘打った興行が目立つ。時代の転換点、栄枯盛衰を肌で感じる。またひとつ、時代の終わりを目撃することになる。

僕が初めて買ったアルバムはAEROSMITHの『NINE LIVES』だ。1973年のデビューから数えて今年で51年目。史上稀に見る大偉業。最後のツアー発表自体は去年のもので、声帯損傷による一旦延期の発表があってから、世界中のファンが再開を待ち侘びていた最中の突然のニュース。

あくまで”ツアーからの引退”であり、バンドの解散宣言ではない、という希望的観測を残した見方はできるが、それでもショッキングなニュースであることに変わりはなかった。

終わりは避けられない。
わかってはいるのだけれど。寂しい。



むかーしむかし。それほど昔でもないのだけれど。
”ついこの間”が、気がつくと10年前、15年前の話になっていたりするので隔世の感がある。

その昔、一介のコスプレイヤーなるものでありました、という話。

自分が特化している分野というとゲームになるのかもしれないけれど、幅広くアニメやら映画やら漫画やら小説やら、守備範囲広めに履修しているオタクではあったので、趣味の延長線上で「よしやってみよう」と腰を上げてみたら思いのほか楽しくて続いていたのが『コスプレ』だったりする。
Cureとアーカイブのアカウントもあった。

元を辿ると、当時やっていた『Ragnarok Online』というMMORPGのオンリーにオフ会がてら参加したのがキッカケとなる。

「二次会はユザワヤへ」

とは、友人の弁。

ちなみにこの衣装は手作り。素人の真似事、下手の横好きでしかないクオリティではあったけれど、なかなかどうして楽しかった。

「自分で作った方が思い出に残るよ」

と言われたのもあり、やったことがないことにチャレンジするのも一興かと思って手を出してみた。以後、暇を見つけてはユザワヤで生地を買い漁り、コーナンで買ってきたスタイロフォームをデザインナイフで削り取るようになる。もともと絵を描いたりデザインを起こしたりするのは好きだったので、平面的なアイディアが立体物になっていく造形学的な楽しさを見出したりしていた。

果たしてそれが。それらの活動歴が「コスプレイヤーです」「でした」と名乗れるほどのものかどうかは、ちょっとわからない。わからないけれど、その活動が自分の中で結構なウェイトを占めていた時期だった。

そも、はじめは数ある趣味の中の『Ragnarok Online』の1プレイヤーとしての活動の一環でしかないものだった。十年前でも斜陽の香りが漂い、限界集落もかくやと言わんばかりにプレイヤーが激減していた時期だったので(FF14ほか大型タイトルが台頭していたMMO過渡期でもあった)残っていた村人は「この場所を守ろう」と妙な仲間意識があったし、うっかり何かの間違いでコンテンツに足を踏み入れてしまった人を見つけては「ここはいいところだからゆっくりしていってね!」と大々的におもてなしをしていた。

自分もまた、気が付けば『FFXIV』の民になってしまい、今『Ragnarok Online』がどうなっているのかはまったくわからないのだけれど。

仲間に会う機会が減ったことで自ずとコスプレ熱も冷めてしまった。機会が巡ってきたらやらないこともないけれど、自発的に、能動的に、オンリーやオフ会に出向いたりすることはすっかりなくなってしまった。SNSが発達したのもあって「そこに行かないと得られないもの」に対する希少価値が薄れてしまったのもあるかもしれない。

ちなみに最後にコスプレをしたのはとあるハロウィンイベントにて。

太郎太刀 / 刀剣乱舞より

ZINくん(ex.Jupiter)のサポートの時だったっけ。たしか。

ちなみに地毛

普段のお仕事で衣装に着替えたりメイクをしたりするのも、ある意味コスプレと呼べるものかもしれない。スイッチが切り替わって『違う自分』になれる気がする。
『なりたい自分』の投影であったり『憧れているキャラクター』の追体験であったり、人によりけりではあるが。ピュアな”愛情の発露”であり、素敵な”自己実現”のフォーマットの一つとして、昨今は市民権を得つつあるように感じて、嬉しく思う。
中には「案件で仕方なく」する人や「人気だからこれやっとけばいいだろ」と打算的な人もいるかもしれない。それはそれとして。

好きなものを思いっきり好きに楽しむ一つのやり方としてコスプレを選んでいる人たち、コスプレイヤーの人たちが、僕はけっこう。というか、かなり好きなのだ。

”自分じゃない誰かでいる時間”が”自分らしくいられる時間”でもいいじゃないか。素敵なことだよ。

・・・にしても『オタク』が後ろ指を指されない、いい時代になったなぁ、と思う。

ちなみにあの時代、僕はキリ番の踏み逃げという大罪を犯したことがある。いつか捕まえられてバンキシャ辺りで報道されるかもしれない。



いつも。みんなの心の安寧を願っています。



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